キリンテクノシステム株式会社 様 導入事例

社外でのパソコン活用の利便性向上とセキュリティ強化を両立
運用管理の効率化を図り、故障対応の迅速化で業務継続性を向上

キリンテクノシステム株式会社様 ロゴマーク

「FUJITSU Managed Infrastructure Service 仮想デスクトップサービス V-DaaS」は2021年9月に「Fujitsu 仮想デスクトップサービス FJDaaS-V」に改称いたしました。

総合検査機メーカー、キリンテクノシステム株式会社様は、営業部門を中心に富士通の「仮想デスクトップサービスV-DaaS」を導入し、社外でのパソコン活用の利便性向上とセキュリティ強化の両立を実現しています。ベンダー選定ではコストパフォーマンスはもとより、安定運用の観点を重視。事前検証への迅速な対応、仮想デスクトップ専任の運用スタッフのサポートに加え、富士通データセンターの堅牢性も採用のポイントとなりました。導入後、パソコンの運用管理の効率化を実現するとともに、仮想デスクトップの故障対応の迅速化により業務継続性の向上を図っています。

種別 DaaS/ネットワーク
業種 製造業(検査機)
構築期間 約3カ月
課題
効果
課題社外でのパソコン活用の利便性向上とセキュリティ強化の両立を図りたい
効果シンクライアントパソコンの導入により、情報漏えいのリスクを回避し、社外でも安心してパソコンを活用
課題社内外でDaaSを使って業務を行うため安定運用を実現したい
効果富士通データセンターの堅牢性に加え、仮想デスクトップ専任の運用スタッフのサポートにより安心かつ安定した仮想デスクトップ運用を実現
課題パソコンの運用管理の効率化とともに故障対応の迅速化を図りたい
効果パソコンが故障しても代替パソコンに交換するだけで業務の再開を実現

導入の背景

標準化と運用のアウトソーシングが重要なテーマ

びん、缶、ペットボトルなどの検査機分野を牽引するキリンテクノシステム株式会社様の原点は、1970年代にキリンビール全工場で導入された高性能びん検査機の開発です。1990年に独立後、現在では検査機の総出荷台数が3,000台となり、その業界も飲料メーカー、容器メーカー、医薬品メーカーを中心に多岐にわたっています。同社の強みは、エレクトロニクス、光学、画像処理、ハンドリング(容器の搬送装置)のすべてを擁する業界オンリーワンのトータルシステムで様々な検査ニーズに対応できるという点です。

同社の情報システム室は、営業、設計、研究開発、製造など総合検査機メーカーとしての多様な業務をICTで支援する役割を担っています。「業務においてICTの活用領域が拡大する中、情報システム室の少人数体制でいかにシステムの安定稼働とともに、経営や各部門の要望に応えていくか。現在、重要なテーマとして取り組んでいるのが、標準化と運用のアウトソーシングです」と、カスタマーサポート事業部 業務管理部 部長 兼 経営管理部 情報システム室 室長 佐久間恒雄氏は話します。

同社では従来、必要に応じてパソコンを導入していたため環境も更新時期も様々で運用が複雑化し、メンテナンスや故障時の迅速な対応も困難な状況でした。「今回、各部門の業務内容に応じて、環境も含めてパソコンの標準化を図りました。営業部門のパソコンの標準化で課題となったのが、社外でのパソコン活用の利便性向上と経営が求めるセキュリティ強化の両立でした」(佐久間氏)。

キリンテクノシステム株式会社 カスタマーサポート事業部 業務管理部 部長 兼 経営管理部 情報システム室 室長 佐久間 恒雄 氏の写真 佐久間 恒雄 氏
キリンテクノシステム株式会社
カスタマーサポート事業部
業務管理部 部長 兼 経営管理部 情報システム室 室長

導入の経緯

DaaSを使って業務を行うため安定運用の観点を重視

従来、同社ではセキュリティポリシーにより酒席に参加する予定がある場合、パソコンの持ち出しは禁止でした。パソコン内のデータが暗号化されていても情報漏えいのリスクは存在するためです。

「営業は外出先でパソコンを使って見積もりの作成や案件の進捗状況の確認などを行うことがあります。パソコンを携帯したことで、お客様から酒席への参加のお声がけをしていただいても応えられないこともあり、営業部門は取引の機会を逸するのではないかという不安を抱えていました。検査機は1台1台が受注生産です。お客様とのコミュニケーションはより良い提案につながり、次の商品開発のヒントになります」と、経営管理部 経営企画課 兼 情報システム室 吉野裕紀子氏は話します。

同社は、パソコンにファイルを保存することなく、いつでもどこでもオフィスと同じ業務環境を実現できる仮想デスクトップ環境の導入を決断しました。オンプレミスではなくDaaS (Desktop as a Service)を選択した理由について「情報システム室の人的パワーを有効活用するために運用のアウトソーシングを進めるためです。また初期投資コストの抑制や導入しやすさも考慮しました」と吉野氏は話します。

今回、DaaSを利用するのは営業部門を中心に経営層も使用しています。いずれも社内外を問わずDaaSを利用して業務を行うため安定運用は欠かせません。ベンダー選定では「情報システム室と一体となって安定運用を支えてくれるかどうか」(吉野氏)が大事なポイントとなりました。

DaaS導入に際して情報システム室は、既存の業務システムの動作検証や描画速度の検証を実施。同社の事前検証の要望に対し、検証機の提供や技術支援など迅速に応えたのが富士通でした。

キリンテクノシステム株式会社 経営管理部 経営企画課 兼 情報システム室 吉野 裕紀子 氏の写真 吉野 裕紀子 氏
キリンテクノシステム株式会社
経営管理部 経営企画課 兼 情報システム室

導入のポイント

サポート力、データセンターの堅牢性、提案力などを総合的に評価

事前検証は、導入後の安定稼働のために欠かせない要素であるのと同時に、ユーザーに説明するうえでも重要です。

「DaaS導入前の説明会では、事前検証を行っていたため利用者からの質問に対し明確に答えることができました。また運用前に課題をチェックできたメリットは大きいです。事前検証で既存システムの動作を確認できているという点は、富士通さんの大きなアドバンテージになりました」と、経営管理部 情報システム室 兼 総務課 相田将人氏は話します。

同社が富士通の「仮想デスクトップサービス V-DaaS」の採用を決めた理由は、事前検証で信頼関係を築けたこと以外にもポイントがありました。

「仮想デスクトップ環境が設置されている富士通データセンターの堅牢性や、豊富な実績をもつ仮想デスクトップ専任の運用スタッフのサポート力も高く評価しました。また仮想デスクトップ基盤にVMware Horizon DaaSを採用しコストパフォーマンスを高めている点もコスト抑制の面でポイントとなりました。さらに今回、クラウドサービスMicrosoft Office 365の導入も合わせてお願いしており、総合的な提案力とワンストップでのサポートも採用理由の重要な要素でした」(相田氏)。

キリンテクノシステム株式会社 経営管理部 情報システム室 兼 総務課 相田 将人 氏の写真 相田 将人 氏
キリンテクノシステム株式会社
経営管理部 情報システム室 兼 総務課

キリンテクノシステム株式会社様のシステム概要図です。データセンター内に仮想デスクトップ環境を構築し、社内外のパソコンに画面を転送することで場所を選ばずにパソコンを使用できる利便性と社外におけるセキュリティを確保しました。さらに、運用監視をアウトソーシングすることで安定した運用も実現しています。

導入の効果と将来の展望

出張先でのパソコンのトラブルも遠隔操作で迅速に対応

2014年6月に富士通の採用を決定、各部門におけるパソコンの標準化の導入と合わせ、2014年9月に「V-DaaS」によるサービスを開始しました。「運用開始の直前、仮想化基盤の冗長化を図りたいという当社の要望にも迅速に応えていただきました。マスター構築の支援といった導入前から導入後まで富士通さんのきめ細かいサポートのもと安心かつ安定した運用を実現しています」(吉野氏)。

導入後8カ月以上が経過し、導入効果もあらわれています。「外出先でのパソコン活用におけるセキュリティ強化は図れました。申請しなくても営業がパソコンを持ち出せるように制度改正も進めています。また利用者から『起動時間が早くなった』、『ログインしたときに前回セッションを切った状態で作業を再開できて便利』といった声も聞いています」と、経営管理部 情報システム室 永田和久氏は話します。

運用面での効果について「現在、65IDを利用しています。管理者向けセルフポータル機能を使ってマスターの更新、アカウントの追加や削除なども容易です。今回、人事異動に伴いマスターを使って仮想PCを3台つくったのですが、30分以内で作業は終わりました」と相田氏は話します。

出張先でのパソコンのトラブル対応も変わりました。「従来、出張先でパソコンにトラブルが発生した場合、持ち帰ってきてからの対応となりました。今は遠隔からユーザーの仮想デスクトップ環境を確認しその場での対応が可能です。またパソコンが故障しても代替パソコンですぐに業務を再開できます。パソコンの環境を再構築する必要もなく、運用負荷の軽減も実現しています」(永田氏)。

今後の展開について「V-DaaSにより仮想デスクトップ環境は構築できました。これからは仮想デスクトップ環境をベースに、スマートフォンなどを利用したワークスタイル変革の推進やBCP(事業継続計画)への展開がテーマとなります。富士通にはICTを使って働き方をどう変革していくか、アイデアを出し合うパートナーになっていただきたい」と佐久間氏は話します。

飲料などの商品を消費・使用するお客様の健康と安全に貢献する同社の取り組みを、これからも富士通は先進技術と総合力を駆使し支援していきます。

キリンテクノシステム株式会社 経営管理部 情報システム室 永田 和久 氏の写真 永田 和久 氏
キリンテクノシステム株式会社
経営管理部 情報システム室

キリンテクノシステム株式会社 様 会社概要

所在地 〒210-0858 神奈川県川崎市川崎区大川町10番10号
代表者 代表取締役 三輪 保生
設立 1990年1月11日
資本金 15.9億円
従業員数 158名(2015年4月1日現在)
事業概要 高度な画像処理技術とそれに適した搬送装置を組み合わせた各種検査機の開発・設計・製造・販売・アフターサービス

キリンテクノシステム株式会社様のロゴマーク

ホームページ キリンテクノシステム株式会社 ホームページ新しいウィンドウで表示

[2015年5月12日掲載]

※Microsoft Office 365は、米国Microsoft Corporationの、米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※VMware Horizon DaaSは、VMware, Inc. の米国および各国での商標または登録商標です。

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