富士通のPostgreSQL開発への貢献(2024年)
		PostgreSQLインサイド
		2025年3月11日
富士通は20年以上にわたりPostgreSQLコミュニティに参加し、新機能開発、修正パッチの作成、およびレビューなどによってPostgreSQL開発に貢献してきました。本記事では、PostgreSQLコミュニティのメジャーコントリビューターおよびコミッターであるRobert Haas氏のブログ記事「Who Contributed to PostgreSQL Development in 2024?」に基づき、2024年の当社PostgreSQLチームメンバーによるPostgreSQL開発への貢献について、ご紹介します。
PostgreSQLコミュニティにおけるプログラムのコード開発には、パッチ作成、レビュー、テスト、およびコミットなどの作業があり、報告や議論はメーリングリスト上で行われます。Haas氏の記事では、これらに対する指標を設けて集計した結果が報告されています。Haas氏には、貴重な情報を公開して頂き、深く感謝致します。
主な作成者としての貢献
この項目では、コミットされたパッチの主な作成者を対象に、その作成者が新規追加したコードの行数を指標とした集計結果が紹介されています。2024年のトップ50には富士通のチームメンバー4名がランクインしました。
| # | 作成者 | 新規追加コード行数 | すべての新規追加コード行数に対する割合 | 新規追加コードに関わるコミットの数 | 
|---|---|---|---|---|
| 16 | Hou Zhijie | 5,049 | 2.35% | 27 | 
| 25 | Vignesh C | 3,013 | 1.40% | 18 | 
| 31 | Shveta Malik | 1,815 | 0.84% | 9 | 
| 37 | Hayato Kuroda | 1,137 | 0.53% | 12 | 
コミットへの貢献
PostgreSQLコミュニティでは、作成したパッチは「コミットフェスト」という場で多くの開発者により集中的にレビューされ、最終的にGitリポジトリ上のソースコードを書き換える権限を持つコミッターによりコミット(承認)されます。コミッターはどのようなソースコードや機能追加をするかといった具体的なことを、パッチの開発者やレビュアーと合議したうえで決定する役割を果たします。
この項目では、自身が主な作成者ではないパッチのコミットにおいて、対象となった新規追加コードの行数を指標とした集計結果が紹介されています。当社のシニアディレクターであり、PostgreSQLコミュニティのメジャーコントリビューターおよびコミッターでもあるAmit Kapilaは、2024年のランキングで2位になりました。
| # | コミッター | 対象となった新規追加コード行数 | すべての新規追加コード行数に対する割合 | コミット数 | 
|---|---|---|---|---|
| 2 | Amit Kapila | 11,951 | 13.04% | 85 | 
メーリングリストへの貢献
PostgreSQLコミュニティには用途別に多くのメーリングリストがあります。このうち、PostgreSQLの開発者が現在の開発に関する問題、バグ、提案された新機能について議論しているのがpgsql-hackersメーリングリストです。
この項目では、pgsql-hackersメーリングリストへの送信数を指標とした集計結果が紹介されています。2024年に100通以上のメールを送信した人のリストには、富士通のチームメンバー7名が名を連ねています。
| 送信数 | 送信者 | 
|---|---|
| 815 | Amit Kapila | 
| 474 | Vignesh C | 
| 454 | Peter Smith | 
| 317 | Shveta Malik | 
| 250 | Zhijie Hou | 
| 243 | Hayato Kuroda | 
| 106 | Shubham Khanna | 
トピックス:コントリビューター認定
当社の黒田隼人(Hayato Kuroda)は、2022年から富士通PostgreSQLチームの一員としてコミュニティへの貢献を続けています。このたび、近年のPostgreSQLへの開発貢献が認められ、2025年1月にPostgreSQLのコントリビューターに認定されました。
Amit Kapilaが率いる富士通PostgreSQLチームからのコントリビューター認定は、黒田隼人を含めて5名となりました。
黒田隼人のコメント
このたび、PostgreSQLの貢献者として認定されました。これまで論理レプリケーションの改善やバグ修正などに取り組んできましたが、このような形で評価いただけたことを大変光栄に思います。
PostgreSQLは、コミュニティの協力によって成長し続けるオープンソースプロジェクトです。これからも、技術の向上と貢献を続け、社会の根幹を担うDBMSを支えていきたいと考えています。
おわりに
2024年のPostgreSQL開発において、富士通PostgreSQLチームのメンバーがコミュニティの一員として貢献した状況をご紹介しました。また、新たなコントリビューターを輩出できたことは、富士通PostgreSQLチームが継続的に貢献してきた一つの証と言えるでしょう。
コード開発以外にも、富士通はイベントでの講演やスポンサー協賛などを通じてPostgreSQLの認知拡大に努めています。今後も富士通は、PostgreSQLのさらなる発展のために貢献を続けてまいります。
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