Fujitsu Enterprise Postgres 17 リリース
PostgreSQLインサイド
富士通のデータベース「Fujitsu Enterprise Postgres 17(以降、Enterprise Postgres 17)」が2024年12月にリリースされました。ここでは、Enterprise Postgres 17の製品概要をご紹介します。
Enterprise Postgres 17 ご紹介
Enterprise Postgresは、PostgreSQLを拡張し、セキュリティ、性能、信頼性を強化したデータベースです。開発当初より、堅牢な運用性が求められるミッションクリティカルに対応するため、さまざまな機能を提供してきました。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)においては、オンプレミス、クラウド、エッジなどさまざまなプラットフォームを併用するハイブリッドな環境や、マルチクラウドでシステムを稼働させたいといった要件が増加しており、そのような環境が抱えるセキュリティや運用性の課題にも取り組んでいます。さらに、急速に発展する生成AIへの対応も進めています。
ベクトルデータ対応
近年、企業の自社データ活用により業種や分野に特化した生成AIの利用が増えています。これを可能にする技術として、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)が注目されています。RAGは、外部データソースから質問の関連情報を検索し、LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)に質問と関連情報を渡すことで回答精度を向上させます。その際、テキストや画像などのデータを数値ベクトルに変換し、関連性の高い情報を効率的に取得するためにベクトルデータが重要な役割を果たします。Enterprise Postgres 17では、周辺OSSとしてベクトルデータの格納・演算・検索を行うpgvectorを新たにサポートし、ベクトルデータに対応します。
その他の追加機能
Amazon Web Servicesが提供する監視ツール「Amazon CloudWatch」との連携や、積極的なタプル凍結(VACUUM FREEZE)のスケジュール支援スクリプトを提供します。これにより、Amazon Web Services上での運用性を向上し、業務停止リスクを軽減します。さらに、「CyberArk Privileged Access Manager」との連携による特権ユーザー管理の実現(下記リンク参照)により、セキュリティを強化します。
Enterprise Postgres 17の機能
以下の図は、Enterprise Postgres 17が提供する機能の一部です。Enterprise Postgres 17においては、PostgreSQL本体と製品に同梱されているOSSが最新化されています。
PostgreSQL 17の機能の詳細については、当社社員でPostgreSQLメジャーコントリビューターのAmit Kapilaが技術者Blogで解説していますので、併せてご覧ください。
Enterprise Postgresの生成AI活用への取り組み
Enterprise Postgresは、生成AI活用を促進するため、RAG技術に対応し、自社データを用いたRAGアプリケーション開発における使いやすさ向上に取り組んでいきます。既存のセキュリティ機能(下記リンク参照)との連携により、安全で容易な開発を実現します。ご期待ください。
おわりに
Enterprise Postgresは、PostgreSQLコミュニティーに参画しながら、今後もミッションクリティカルに向けた機能強化を続けています。生成AIの活用は、DXの実現を加速させる重要な要素となっており、その実現のために適切なデータベースの利用を検討することが不可欠です。DXの実現に向け、Enterprise Postgresの利用をご検討ください。
2024年12月2日公開
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