ソレキア株式会社 様

IT資産の調達/廃棄の申請や社内稟議などの手続きを効率化し年間約6000時間の工数を削減

ICTサービスインテグレーターのソレキアは、ある外資系ソフトウェアベンダーからライセンス監査を求められ、対応に半年以上の期間を費やした。これを機にIT資産管理ツールとして「FUJITSU Software Systemwalker Desktop Patrol」を導入するとともに、全社的なPCライフサイクル管理を担う新組織としてIT資産管理部を設立。Excelの資産管理表のメンテナンスを不要としたことや全社一括手続きなどによって年間約6000時間の工数が削減されるなど、画期的な成果をもたらした。

課題
効果
課題ソフトウェアライセンス監査の対応に膨大な工数を費やしていた
効果Excelを用いたIT資産管理から脱却して現場のメンテナンス負担を軽減
課題部門ごとにPCやソフトウェアの調達/廃棄を行っており無駄なコストが発生
効果IT資産購入やライフサイクルを一元管理し、コストを全社最適化
課題各部門が管理するIT資産台帳と経理部が管理する固定資産台帳の内容が不一致
効果帳票出力を行う機能をアドオンで開発し、IT資産と固定資産の一元管理を実現

背景

突然求められたライセンス監査対応に半年以上の期間を費やした

顧客の課題に合ったICTサービスを提供するソレキアは、テクノロジー・プロダクツ、ICTソリューション、サービス・インテグレーション、インフラサービスといった事業を展開する中、社内で約1500台のPCを活用している。そして現場の機動力を活かす狙いもあり、これらのPCの調達/廃棄の実施、ソフトウェアのライセンス管理を各部門に任せていた。

もちろん、完全に野放しだったわけではない。同社の執行役員でありリスクマネジメント部長とコーポレートシステム部長を兼務する塩谷 明彦氏は、「ExcelでIT資産管理表を作成し、部門ごとにその都度メンテナンスを行うルールを取り決めていました」と語る。実際にこの管理体制で問題が起こったこともなかった。

そうした中で2012年のある日、思わぬ出来事が起こった。ある外資系ソフトウェアベンダーからライセンス監査を求められたのである。ライセンス監査とは、ソフトウェアベンダーが自社製品を利用している企業や団体に対して、そのライセンスが使用許諾条件に準じて適切に利用されているかどうかを確認するための外部調査のことで、要求があれば契約上必ず対応する必要がある。

とはいえ、同社にとって初めての経験であり、なおかつ突然のライセンス監査の要求にスムーズに対応できるものではない。各部門から上がってきたIT資産管理表に基づいた報告と、経理部門が管理している固定資産台帳の内容を突合しても一致しなかった。同社 コーポレートシステム部 IT資産管理部長付の西尾 幸樹氏は、「結局のところIT資産管理表のメンテナンスがまったく追い付いていなかったのです。最大の問題となったのは正式な廃棄の手続きがなされないまま、『もしものときの代替機』などとして個人ロッカーで塩漬けされた古いPCです。これらをすべて引っ張り出して中身を手作業で洗い出すことになり、調査を終えるまでに半年以上の期間を費やしました」と振り返る。

ソレキア株式会社
執行役員 リスクマネジメント部長 兼 コーポレートシステム部長 塩谷 明彦 氏
ソレキア株式会社
コーポレートシステム部
IT資産管理部長付 西尾 幸樹 氏
ソレキア株式会社
コーポレートシステム部
IT資産管理部リーダー 梅北 朋起 氏

ポイント

インベントリ情報を自動的に収集するIT資産管理ツールを選定

幸いなことにライセンス違反のような致命的な問題は起こしておらず、事なきを得たのだが、「IT資産管理の重要性をあらためて痛感しました」と塩谷氏は語る。

そこで同社が検討を開始したのが、IT資産管理ツールの導入である。さまざまな機能や特徴を持った製品が市場に流通している中で特に注目したのは、すべてのPCにエージェントをインストールし、インベントリ情報(ハードウェアやソフトウェアの資産情報)を自動的に収集するタイプのIT資産管理ツールだ。

同社 コーポレートシステム部 IT資産管理部 リーダーの梅北 朋起氏は、「今までExcelによる手入力での台帳管理をしてきたので、PCからネットワーク機器まで棚卸し作業を自動化できるIT資産管理ツールに大きなメリットを感じました」と語る。

こうした経緯からIT資産管理ツールの有力候補として浮上し、同社が最終的に導入を決定したのが、「FUJITSU Software Systemwalker Desktop Patrol」(以下、Systemwalker Desktop Patrol)である。

「いくつかのインベントリ収集タイプのIT資産管理ツールを比べる中で、Systemwalker Desktop Patrolにプラスαの魅力を感じたのは、セキュリティポリシーの自動診断機能です。利用を禁止しているソフトウェアを勝手にインストールしていないか、ウイルスパターンファイルが古くないか、などを診断しPCに警告画面として表示するもので、社員のセキュリティ意識を高めることにも役立つと考えました」と塩谷氏は、選定の決め手となったポイントを挙げる。

システムの特長

新設されたIT資産管理部が全社的なPCライフサイクル管理を担う

そして2016年、同社はコーポレートシステム部の配下に新たにIT資産管理部を設置。これに伴いSystemwalker Desktop Patrolを本格的に活用し、全社的なIT資産管理を集中的に行う体制がスタートした。

「Systemwalker Desktop Patrolにより収集するインベントリ情報と社内ネットワークに接続した機器の情報を統合し、IT資産と社員とを紐づけたIT資産管理台帳を作成しました。これをベースに全社のPCの選定・調達から導入、運用(ライセンス管理)、廃棄にいたるまで、IT資産管理部がPCのライフサイクル管理全般を一元的に担っています」と西尾氏は説明する。

さらに同社は、現場部門向けの画面表示や帳票出力を行う機能をアドオンモジュールとして開発した。「IT資産情報の明細帳票に各PCやソフトウェアの取得価格や取得日、簿価などの情報を提供するもので、これにより現場部門は、Systemwalker Desktop Patrolで収集されたインベントリ情報だけでなく、減価償却の償却年数や残存簿価といった情報も照会することができます」と梅北氏は訴求する。

システムの概要

効果と今後の展望

独自機能と運用ノウハウを組み合わせた「@PCwatcher」で外販ビジネスを展開

SystemwalkerDesktopPatrolの活用とIT資産管理部による運用体制が軌道に乗った現在、同社のIT資産管理における現場負担は大幅に削減された。

具体的にどのような効果があらわれたのか、西尾氏は次のように説明する。

「まずExcelによる部門ごとのIT資産管理表のメンテナンスが不要となったことで、全社で3616時間(113部門で年間8時間の作業を4回)の工数削減が達成されました。また、全社一括手続きによる費用削減の観点からも、IT資産の調達/廃棄の申請や社内稟議などの手続きが効率化され、2260時間(113部門で年間20時間の作業)の工数削減がもたらされています。全社一括購入によるボリュームディスカウントや最適ライセンスの選択により“無駄遣い”がなくなったことで、ソフトウェアの調達コストが23%削減されています」

なお、遊休ライセンスや余剰PCに残ったままになっている不要ライセンスを無駄なく再利用していくというIT資産の有効活用に対する意識の向上、セキュリティ違反やライセンス違反を起こさないというポリシー順守の意識の向上など、社員のマインドセットを大きく変えてきたことも、同社はSystemwalker Desktop Patrolを導入したことで得られた大きな成果の1つとして挙げている。

こうした社内活用の実績を踏まえて同社は、先述のアドオンモジュールをはじめとする独自機能と運用ノウハウを組み合わせたソリューションとして「@PCwatcher」を商品化。「IT資産管理に関して、私たちと同じような悩みを抱えている企業は他の富士通パートナーも含めて数多くいるはずです。その問題を解決するためのノウハウやソリューションを私たちは持っています。ぜひ皆さんの手助けができればと考えています」と梅北氏は語り、積極的な外販ビジネスを展開していく考えだ。

ソレキア株式会社様と富士通開発部門担当者

ソレキア株式会社 様

本社所在地 東京都大田区西蒲田8-16-6
設立 1958年
代表取締役社長 小林 義和
従業員数(連結) 851人(2019年9月末)
ホームページ https://www.solekia.com/
事業概要 ITに関する幅広いノウハウを活かし、企画立案からシステム設計、アプリケーション開発、ハードウェアの選定や調達、運用・保守に至るまで、総合的なコンサルティングを行っている。

[2020年2月掲載]

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