株式会社セゾン情報システムズ様（現社名 株式会社セゾンテクノロジー様）

株式会社セゾン情報システムズ（以下、セゾン情報システムズ）が提供する「HULFT（ハルフト）」は、19年連続国内シェアNo.1を誇るファイル転送ソフトウェアだ。同社はアメリカン・エキスプレス・カードのパイオニアとして有名な株式会社クレディセゾンの関連会社で、25年以上にわたって富士通との協力関係を築いている。今回両社は、長年提供してきたHULFTと富士通の高信頼基盤ソフトウェア「PRIMECLUSTER（プライムクラスター）」による連携ソリューションに対して、クラウドシフトを見据えた検証を実施し、共催セミナーや共同プロモーションといった拡販活動を展開。セゾン情報システムズに連携の背景やもたらされたメリット、今後の展望を聞いた。

• 注1
  パートナーのビジネス拡大とソフトウェア業界の発展を目指すプログラム
  https://www.fujitsu.com/jp/products/software/resources/businessprogram/

ポイントと効果

クラウドシフトが加速するシステムの未来を見据えた連携強化を進める

PRIMECLUSTERはサーバーやストレージ、ネットワークといったシステムの構成要素を冗長化し、万が一の異常発生時に自動でシステムの運用継続を行うHAクラスタリングソフトウェアだ。HULFTと連携して異常発生時に配信管理情報や配信履歴を待機系で引き継ぎ、配信が中断された箇所からファイル転送を再開できるなど、高信頼・高可用なデータ連携基盤が構築できる。
HULFTとPRIMECLUSTERとの長年にわたる連携の効果として、樋口氏は「基幹システムなどのミッションクリティカル領域における盤石な信頼関係が築けています。」と語る。「長年にわたり双方が開発者やシステム構築の現場担当者、お客様の声などから得られる情報を共有することで、お互いの連携価値を高める機能強化が行えています。」とセゾン情報システムズ DIビジネス統括 HULFTビジネスユニット パートナービジネス開発部 第一チーム 吉田 君平 氏が言葉を添える。

株式会社セゾン情報システムズ
DIビジネス統括 HULFTビジネスユニット パートナービジネス開発部 第一チーム
吉田 君平 氏

一方、企業におけるクラウドシフトが加速している中、HULFTとPRIMECLUSTERはこれらからの未来を見据え、クラウドでの高信頼なファイル転送に向けた連携強化を進めている。
実は、クラウドでも高信頼化を実現するサービスは提供されているが、ゾーン（注2）に障害が発生すると復旧できないなど、十分な対策が提供されているとは言い難い。かと言って複数ゾーンによる運用待機構成では運用コストが高くなってしまう。このような現状を踏まえて富士通では、クラウドでの高信頼化を実現するソフトウェア『PRIMECLUSTER Cloud Edition』を2022年5月より提供開始。同製品は、ゾーンにサーバーを動的配備する「オンデマンド配備方式」により、単一サーバー構成でも可用性が確保できるため、低コストでクラウド上での高可用性環境を実現できるのが特長だ。

製品を開発した富士通では、早速セゾン情報システムズにHULFTとPRIMECLUSTER Cloud Editionの連携検証に必要な技術協力を打診。両社の協力によりスムーズに連携検証を行うことができた。
「もともと、HULFTはオンプレミスでのファイル転送というイメージが強いのですが、『クラウドでのファイル転送もHULFT』というイメージに市場認知を変えていきたいと考えていました。そこにPRIMECLUSTER Cloud Editionというクラウドでの可用性向上にフォーカスした製品が開発されたと富士通より連絡をいただき、今回の連携検証からクラウド市場への共同プロモーションという流れに繋がりました。」（樋口氏）
「『インフラとして特に意識することなくファイル転送できる、いわば電気やガス、水道と同じレベルに至っています。』とお客様に言っていただけるのはHULFTの機能だけで実現できるものではなく、PRIMECLUSTERが提供する可用性も必要と認識しています。」とセゾン情報システムズ DIビジネス統括 HULFTビジネスユニット パートナービジネス開発部 第一チーム チーム長 嶌谷 哲也 氏もPRIMECLUSTERとの密接な連携がお客様からの信頼に繋がっていることを強調する。

株式会社セゾン情報システムズ
DIビジネス統括 HULFTビジネスユニット パートナービジネス開発部 第一チーム
チーム長 嶌谷 哲也 氏

• 注2
  サーバーやネットワーク、電源設備などが物理的に分離されている複数のデータセンターをまとめたもの。アベイラビリティドメインやアベイラビリティゾーンなどとも呼ばれる。

［2023年4月掲載］