公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ 様

ファン拡大へ、デジタルマーケティングを実践
平日来場者数が前年比23%増

企業が持続的な価値提供と成功を実現するために、新たにアプリケーションを作るのではなく、グローバル標準のクラウドサービスを組み合わせて使うことで、課題や環境の変化にスピーディーに対応することが求められている。今回、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)様では、Salesforce社のMarketing Cloud(MAツール)を導入し、既存ファン・休眠ファンに対し丁寧にセグメントを切った、デジタルマーケティングを実施。富士通は、データ分析・施策立案、実施、効果測定の一連の流れを伴走型で支援した。

課題

  • クラブ運営スタッフのITリテラシーにバラツキがあり、業務ノウハウが引き継がれない
  • ファンベースを拡大し、収益を伸ばしているクラブとそうでないクラブで二極化している

ソリューション

  • Salesforce社のMarketing Cloud(MAツール)

効果

  • 丁寧にセグメントを切って、デジタルマーケティングを実施。ファンクラブの会員登録数や、平日(水曜日)の来場が前年比23%上昇
  • SEの知見とデータ分析技術を生かした多角的・複合的な分析から、より効果的な施策が実現
田茂井憲氏 の写真
クラブごとのデータをBリーグ統一プラットフォームで管理。クラブは独自のインフラを用意する必要がないためIT費用の削減が可能に。かつ、既存データの利活用が促進

公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
執行役員 田茂井 憲 氏

  • 設立: 2015年
  • チェアマン
    (代表理事CEO):
    島田 慎二 氏
  • 所在地: 文京区後楽1-7-27 後楽鹿島ビル6F
  • Customer's website

お客様について

2016年に開幕したプロバスケットボールリーグ。北海道から沖縄まで全国各地にクラブがありB1、B2の2部構成で全38クラブが所属している。Bリーグは、バスケットボール界をより発展させ、より良い未来を築くために、「世界に通用する選手やチームの排出」「エンターテイメント性の追求」「夢のアリーナの実現」の3つの使命を果たすことを約束している。

標準化したデジタルマーケティングのために

2016年秋、野球・サッカーに次ぐ日本3番目のプロリーグとして発足したBリーグ様。バスケットボール界をより発展させ、より良い未来を築くという使命を果たすため、クラブ運営に必要不可欠な統一プラットフォームDMP(Data Management Platforms)を構築。構築の狙いについて、担当の田茂井氏は次のように語る。「1つ目は、コストダウンです。データの運用管理をBリーグ側で行うため、各クラブは独自インフラを用意する必要がなく、イニシャルコストも、ランニングコストも抑えられ費用面で大きなメリットがあります。2つ目は、データ利活用の促進。全クラブのデータを集約することによって、クラブ単体の観点とは違う切り口でセグメントができます。そのセグメントを活用し、各クラブのマーケティング活動を後押しできる点を評価しました」。

ファン拡大に重点をおいたファンマーケティング

統一プラットフォームをクラブに提供することで、同じインターフェースで、ファンクラブ、チケット、ECなどのデータを利活用する。また、マーケティングの仕組みだけはなく、システムの使い方の基本教育や、成功事例の共有など「ナレッジシェア」をBリーグ側が音頭をとって推進。全クラブのマーケティングをより高度化する施策を実施した。「施策の1つとして取り組んだのが、来場者増加のためのデジタルマーケティングです。来場者が増えることは、リーグやクラブ経営の1丁目1番地であり、非常に重要なポイントであると考えました」(田茂井氏)。
そこで、富士通が提案したのがSalesforce社の「Marketing Cloud(MAツール)」。テストケースとして1クラブを選定し、当該クラブのファンに対するデジタルマーケティングの施策を立案。具体的には、ファン情報を分析してセグメントし、データを基にセグメントごとに細やかなチューニングを施した施策を実施した。成果を分析し、効果があると確認できた施策を型化してB1、B2全38クラブに展開するという流れだ。

効果と今後の展望

まずは、Marketing Cloudを活用した、ファンの維持・掘り起こしのための施策を実施。ファンの情報には、チケットの購入の情報、ファンクラブの情報、ECの情報などが含まれており、それらを分析して、メール送信対象者を選定し配信する。目的である、「来場者の増加」と「売り上げの増加」に対するアプローチは2つあり、1つ目は既存ファンの来場回数や購買を増やすこと(既存ファンの来場回数増・休眠ファンの掘り起こし)、2つ目は分母(新規ファン増・潜在ファンの掘り起こし)を増やすこと。都度、クラブの確認や合意を得て意向に沿ったデジタルマーケティングを実施した。

Bリーグ様での実施内容 のイメージ

施策立案フェーズでは、施策の目的(ファンクラブ会員を増やしたい、この試合に来て欲しいなど)に合わせて、誰にどのような内容のメールを送るかを検討。例えば、前年の来場回数を見て、来場回数が少ない方に対しては、広く浅い情報を送り、何十回も来場くださる方には、試合ごとの見どころや、コアなファンが求めるような選手の情報を送り分ける。受け取るターゲットごとに訴求ポイントが違うため、ターゲットに合わせたメッセージを送ることが重要になる。次に、配信対象のデータ群を定めて、スケールや抽出対象を検討し、クラブ側に「ファンをどのように定義するか」合意を得ながら配信案の内容を決めていく。
施策実施後の効果測定フェーズは、3ステップ。

  • Salesforce Marketing Cloudを用いて開封率やクリック率といった結果を確認し、デジタルマーケティングの一般論や、過去の配信結果と比較して、配信メールの効果を考察。
  • どのようにしてコンバージョンに至ったかを確認し、メールを送信した方がどれだけ来場したかを示すデータを取得。コンバージョンデータをアナリストが日別、購入者別など高度な分析で施策を評価し、グラフ、表、ヒートマップなどで可視化する(例えば年代・性別・居住地の3軸で、どの客層が多いか一目でわかるように)。
  • 効果をレポートにまとめ、クラブ側の見解も含めて会話し効果を確定。富士通Japanにはプロのアナリストがおり、性別や年代だけではなく、成績、選手情報、席種、来場頻度など、様々なデータをアナリスト自身の知見・経験と、実際に観戦した情報を基に深掘りする。データだけに頼るのではなく、現地に行って現地の情報を肌で感じることで、購入につながりやすい客層を見極めてクラブ側に提示。

この結果、「集客しづらい日程のチケットを売りたい」というクラブニーズに効果があり、収容率前年比23%上昇を達成。
「今回、1つのクラブに深く入り込んで、データの分析から施策の実行、効果測定という一連の流れを伴走いただき、効果が出たことを嬉しく思っています。今後は、全クラブにナレッジを広げて、Bリーグとして全体を底上げすることが一番理想的だと思います」(田茂井氏)。

富士通は、データ・ツール・そしてスキル、この三位一体で取り組むことで、初めてデータ利活用ができると考えます。課題やデータに基づいた施策を実施し、伴走型でPDCAを回すことで、マーケティング戦略の改善や新たなビジネスチャンスの発見につながります。今後も、コンサルティングだけでなく、システム化など一気通貫でご支援いたします。

田茂井憲氏と中川洋 の写真
左から、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ 執行役員 田茂井 憲 氏、富士通Japan株式会社 ソリューショントランスフォーメーション本部 シニアマネージャ 中川 洋

日本の社会課題をデジタル技術で解決し、日本の持続的な成長に貢献します

富士通Japanは、豊富な業務ノウハウを活かした提案と技術力により、クラウド化、システムのモダナイゼーション、デジタルトランスフォーメション(DX)を強力に推進します。

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