沢井製薬株式会社 様

安全性情報のWeb経由の収集による
医師、MR、安全管理部門の負担軽減と
データ連携による業務効率化

外観写真

ジェネリック医薬品のリーディングカンパニーである沢井製薬株式会社様(以下、沢井製薬)は、副作用等の安全性情報の収集・管理において、システムへの登録作業負担と、コロナ禍においてMRの医療機関訪問制限により紙を使用した訪問調査ができないという課題を抱えていました。そこで、Webで副作用等の調査が可能で、安全性情報管理システムとのデータ連携が可能な富士通Japan株式会社(以下、富士通Japan)の安全性情報一報・詳細報収集支援サービス「Fujitsu ライフサイエンスソリューション tsClinical Colle-Spo(コレスポ)」(以下、Colle-Spo)を導入。これにより、副作用等の安全性情報収集にかかわるMRや安全管理部門担当者の負担軽減を実現しました。取り組みについて、沢井製薬 安全管理部門のご担当者にお話を伺いました。

課題
効果
課題MRと安全管理部門でデータ登録するシステムが異なり、MRが登録した内容を、安全管理部門の担当者が確認し、手入力で再度別のシステムへ登録しなおす手間が発生。
また、入力しなおす際に誤ってしまう可能性があった。
効果MRが登録した情報をシステム間でデータ連携することで安全管理部門担当者の再入力作業を削減し入力精度が向上。
課題コロナ禍において多くの医療機関でMRの訪問が制限され、紙に手書きで行っていた詳細調査が実施できない。
効果Web経由で詳細調査を医師に依頼でき、訪問せず調査が可能。
Web入力時のロジカルチェック機能により誤入力も減少。

導入の背景

データ連携によって業務効率化を推進

従来、MRは医療機関から入手した副作用報告の情報を、社内システムを用いた連絡票にて安全管理部門に報告し、安全管理部門はその連絡票の内容を見ながら、安全性情報管理システムに手入力で登録するという運用を行っていて、入力作業が二重に発生していました。沢井製薬では「安全管理部門の手入力作業をデータ連携によって電子化し、業務効率化を推進したい」と考えていました。

また、昨今、規制当局より電子データの信頼性の確保(バリデーション)を求められており、そうした問題への対策を検討する必要があったほか、新型コロナウイルスの流行に伴い、多くの医療機関でMRの訪問が制限されており、従来の対面での副作用調査に代わる電子的な調査方法の検討を開始しました。

導入の経緯

パーシヴAce/PV連携、MRの医療機関訪問制限に対応するためColle-Spoを導入

Colle-Spo導入の一番の決め手は、沢井製薬が利用している安全性情報管理システムが富士通Japanの「Fujitsu ライフサイエンスソリューション tsClinical パーシヴAce/PV」(以下、パーシヴAce/PV)であることでした。Colle-SpoはパーシヴAce/PVとのデータ連携が可能であり、Colle-SpoでMRが入力した内容をそのまま連携することで、安全管理部門が入力しなおしていた負担を削減できると考えました。
また、バリデーションの観点から、症例データ送信時の電子署名機能によりMR本人以外は入力不可であることや、操作履歴管理が徹底されており、生データの信頼性確保の強化が期待できました。

さらに2020年4月、規制当局から“製造販売業者において、テレワークなどの対策が取られている場合にあっても、即時報告においては、遅れることがないようご注意ください”との事務連絡が発出されました。これにより、新型コロナウイルス流行下におけるMRの医療機関への訪問制限や、承認品目数の増大などの要因にもかかわらず、スピーディな対応を求められる状況となりました。また、富士通Japanが実施した医師へのアンケート調査では、70%の医師が副作用報告に電子的システムを「利用したい」と回答していました。これは、電子的手法を用いた調査に対する潜在的ニーズがこれまで以上に高まっていることを改めて認識する契機となりました。また、医師による利用については、医療機関もレセプトなどが電子化されてきていることもあり、心配はありませんでしたが、従来の紙による調査依頼の運用を併存させることを当初から想定していました。

これらのことを踏まえ、私達は、ジェネリック医薬品の専売メーカーでは一番手での導入に踏み切りました。

導入の効果

安全管理部門の負担削減

データ連携により安全性情報管理システムへ症例情報を入力しなおさずに済むようになったことは、大きな負担削減となっています。

また、データ品質の観点からは、MRからの副作用の誤報告をある程度防ぐ上でColle-Spoのロジカルチェック機能が有効であったと感じています。

利用イメージ

MRがWebで詳細調査を依頼・収集。医師も煩雑さが軽減

従来は医師に紙の冊子へ直接記入してもらう形で実施していた詳細調査も、Colle-Spoで電子化されました。その利点の一つは、医療機関への訪問が制限されていて、MRが医師と面会できない場合でも調査が行える点です。 これにより、沢井製薬では対面調査で要していた医療機関への訪問回数が減りました。医療機関では、紙の場合に比べて医師の手記入による煩雑さが軽減されました。このように沢井製薬、医療機関の双方に、導入効果が得られています。

実際にColle-Spoを使用した詳細調査にご協力いただいた医師からも「検査値伝票のPDF添付が楽」、「紙媒体より修正作業が容易」などの好意的なコメントをいただいています。詳細報の機能については、MRが聞き取りした情報を事前入力済みであることも、報告される医師など医療関係者にとって省力化に繋がったと感じておられるようです。

今後の展望

より使いやすく普遍的なシステムへと発展を

導入して1年8か月が経過し、実際使用している中で
・安全管理部門からの再調査依頼内容をMRがもっと確認しやすいようにしてほしい
・入力可能な文字数をもっと増やしてほしい
などの要望を富士通Japanに挙げています。

すでに導入されている他メーカーはもちろん、今後さらに多くの企業が導入すれば、さまざまな改善点を集積して検討することが可能になります。それら改善案の妥当性を、互いの視点を共有しつつ多角的に検討することによって、より使いやすく普遍的なシステムへと発展を遂げられると考えています。

沢井製薬はColle-Spoのユーザー会の立ち上げを望んでいます。富士通Japanと共に、Colle-Spoをより良いシステムにするための改善に取り組んでいきたいと考えています。また、将来は電子カルテからのデータ連携ができるようになると医師などがさらに使いやすいシステムになると考えています。

沢井製薬株式会社 様

所在地 〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
代表者 代表取締役社長 木村 元彦
事業内容 医薬品の製造販売および輸出入、健康食品の製造販売
販売品目 生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、糖尿病等)治療剤、抗がん剤など医療用医薬品約800品目
URL https://www.sawai.co.jp/新しいウィンドウで表示

[2023年7月掲載]

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