PCM-24デジタル伝送装置(1966年)

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「通信のデジタル化」への挑戦

電話が発明されてから長らくの間、電話局の間をつなぐ伝送路には、アナログ回線が使われていました。アナログ回線では、音の強弱・高低を伝えます。この方式には雑音の影響をそのまま受けるという欠点があったため、音声を伝送装置でデジタルに変換してから流す「パルス符号変調(PCM)」という方式が1950年代後半から研究されていました。

PCMに対応した伝送装置には、省電力化が必須です。それに適した部品である「トランジスタ」の実用化とともに装置の研究は加速してゆき、富士通は 1966年、消費電力を従来品の半分程度に抑えた「PCM-24デジタル伝送装置」を電電公社に納入しました。当時は「周波数分割多重」という方式のアナログ伝送装置が主流でしたが、そこに次世代の主役・デジタル伝送装置を登場させたのです。

この製品をきっかけに富士通は「PCM-16M/100M/400M」や「DM12/23/34/45」などさまざまなデジタル伝送装置を手がけ、電話網の長距離化とデータ通信網構築に貢献しました。この技術は後にCD-ROMの信号処理など一般消費者向け製品にも広く使用されることとなります。

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