CP-12M トランジスタ式同軸ケーブル搬送装置(1967年)

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「トランジスタ」をキーデバイスに小型化・高性能化・高信頼化に挑戦

1962年の「C-12M」開発成功により国産の技術レベルが外国に並んだ頃、電電公社は「全国ダイヤル自動即時網計画」を発表します。当時はまだすべての電話が自動的につながるわけではなく、交換手を介さなければならない部分も残っていました。電電公社の計画は、これをすべて自動化しようとするものです。

この計画のもと、伝送装置には小型化・高性能化・高信頼化が求められましたが、当時の伝送装置に使われていた真空管では技術上の限界が見えていました。そこで富士通は新たな部品「トランジスタ」にその将来を託し、1963年のCP-4Mを皮切りに新たな伝送装置を発表していきます。1967年に納入した「CP-12M」はその代表格です。

こうした独自の伝送装置を開発する過程で富士通は他社と激しい競争を繰り広げ、フィルタや等化器の分野では世界トップレベルの技術力に達し、「信頼と創造の富士通」ブランドを築きあげました。この成果は1972年、世界最高速・10,800回線を誇った「C-60M」に結実します。

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