C-12M 真空管式同軸ケーブル搬送装置(1962年)

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国産技術を確立、海外と同水準へ

電電公社は1954年、「電話局間を結ぶ伝送路に同軸ケーブルを採用する」という思い切った決断を下します。そして関連装置を手がける企業には「外国技術の採用は承認するが使用部品は国産のものとし、装置の外形寸法は公社の規格に適合させること」との厳しい条件を出しました。国産技術によるネットワーク構築の実現に向け、リーダーシップを発揮したのです。

富士通は当時、提携先である独シーメンス社の技術力に全面的に依存しながら「C-4M」「C-6M」などの伝送装置をつくっていましたが、1962年、「C-12M」という2700回線を束ねられる装置を独自に開発し、電電公社に納入します。これはシーメンス社による同製品の開発とほぼ同じ時期にあたり、国内の技術が海外と同等の水準を持つことを証明する象徴的な出来事となりました。この装置はまた、真空管を利用した最後の伝送装置でもあります。

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