インターンシップ生を支えたい!
ノベルティ企画制作プロジェクト
掲載日 2023年8月1日
掲載日 2023年8月1日
富士通デザインセンターでは、例年、夏と冬に学生向けの短期インターンシップを実施しています。最近のインターンシップはオンラインで行われていたため、離れた場所から参加するインターン生に、デザインセンターから歓迎の気持ちを込めてノベルティをお送りしています。2023年2月に行われた冬期インターンシップでは、ノベルティの企画、制作を入社1~2年目の若手社員4人が担当しました。企画、制作を担当した4人に、ノベルティのコンセプトなどについて話を聞きました。
インタビュイープロフィール
——— インターン生向けにノベルティを制作することになった経緯を教えてください。
坂井: デザインセンターでは新卒採用のリクルート活動の一環としてノベルティを制作しており、今回が3回目です。若手社員がコンセプトづくりからデザインを届けるまで一貫して関わりました。
佐藤: インターン生に、インターンシップのワクワク感やモチベーションを届けることが目的の一つです。私も数年前、富士通デザインセンターのオンラインインターンシップに参加したので、その経験を活かして、数年前の自分たちに向けてデザインするような気持ちで制作を行いました。
高橋: 若手に声が掛かり有志で集まったのがこの4人です。全員が当時入社1~2年目で、そのうち入社2年目だった坂井さんがリーダーの立場でした。2月のインターンに向けて昨年11月ごろからプロジェクトを開始しました。
——— ノベルティグッズのコンセプトは何ですか?
川村: 私たち自身のインターンの経験から、オンラインでは作業と休憩の切り替えがしにくく、1日中緊張していたことを思い出し、「心と身体を労り、最大限のパフォーマンスを発揮してもらう」をノベルティのコンセプトにしました。
高橋: 他社のインターンでノベルティをいただいたことがあるのですが、会社の宣伝グッズが多かったんです。我々が企画するノベルティは、それよりもインターン生に寄り添って歓迎の気持ちや会社の雰囲気を伝えるものにしようと考えました。
——— このプロジェクトも主にオンラインで進めたそうですね。
佐藤: オンラインで検討することと、対面で検討することを分けてプロジェクトを進めました。例えば、アイテムのアイディア出しやキービジュアルの検討は、多くのアイディアを一覧・記録できることを重視して、クラウド上のホワイトボードである共有ツール「miro」を使ってオンライン中心で作業しました。一方で、グッズのボリューム感やアイテムの使用感、ワクワク感は対面の方が共有しやすいと考え、オフィスに集まって相談しました。現物を目の前にし、手で触れたときどう感じるか、試作した箱や各アイテムを私たち自身がリアルに見て触れてみることで確認していきました。
高橋: オンラインでも進捗状況を共有し、つまずいたときにはチャットで「これを見て意見が欲しい」とメンバーに依頼していました。必要な時には集まって話し合っていたので、効率的に進められたと思います。
川村: 学生時代にもグループで課題を行った経験はありますが、当時は分担を決めたら担当者に任せきりで、締め切りの前にそのまま合体させて提出することが多かったです。今回のように、共有ツールを使って話し合いながら意見をすり合わせてプロジェクトを進行する経験は新鮮でした。
佐藤: メンバーそれぞれの「学生に良いものを届けたい」というこだわりが強く、意見が衝突することもありました。オンラインでも頻繁に意見交換しましたし、オフィスに集まって紙に印刷して切ったものを並べ、良い点、悪い点などを整理して話し合ったこともあります。最後はメンバー全員が納得する仕上がりになったと思います。
——— 出来上がったノベルティについて教えてください。
坂井: スマホスタンドは、ゼロから設計した特注品で完全なオリジナル製品です。ほかにドアプレート、ペン、チョコ、クッキーの4点が既製品にプリントを施したオリジナルグッズで、これに市販のアイマスクと野菜ジュースを加えた計7点をセットにしました。私は全体構成とスマホスタンドを担当しました。スマホスタンドは、最終日にプレゼンを行う際に使ってもらえればと企画しました。プレゼン時にスマホでタイマーをかける人が多いのですが、時間を確認するためによく目線が下向きになってしまうのです。スタンドがあれば目線が少し上向きになり、聞いている人の印象が大きく変わります。
佐藤: 私は坂井さんと共にスマホスタンドを担当し、置いてあるだけで目を引くものを目指して作りました。スマホスタンドはインターンシップ終了後も大学訪問の際にプレゼントとして使われ、デザインセンターの持つマインドや文化を伝える役割も担っています。ほかに、ドアプレートとクッキーを担当しました。ドアプレートは、オンラインインターンならではのグッズとして、「家族とのコミュニケーションもノベルティでケアしたい」と考え企画しました。
川村: 私はキービジュアルとカード類、チョコなどを担当しました。キービジュアルは相談しながら何十種類も試作しました。インターン生を支えるイメージで積み重なるような形をメインに構成し、そこからインターン生がパフォーマンスを発揮して飛び出していく様子をデザインしています。色は、「デザインセンターには温かいイメージがある」という高橋さんの意見に賛同し暖色を採用しました。デザインセンター長宇田さんのアイディアで、宇田さんの直筆サイン入りのメッセージカードも制作しました。
川村が制作を担当したキービジュアル
高橋: 私が担当したのは、ボールペンと箱に貼るシールなどです。ボールペンはパターンが限られていたのですが、箱に貼るシールは自由度が大きく、ロゴの向きや大きさを変えて何度も試作しました。また、見積もりや社内の精算手続きなども中心となって担当し、初めてのことで右も左もわからない中、事業推進部の方に教えていただきながら1つずつ覚えていきました。
坂井: 全体のブランディングのために細部までこだわり、今回初めて箱内の構成を設計し、内箱も製作しました。川村さんがグッズの一覧を描いたカードを作ってくれたので、箱を受け取ったときから、箱を開けカードを見て、ノベルティを取り出して使い、インターンシップ期間が終わるまでの一連の体験をデザインしました。
——— インターン生からどのような感想がありましたか?
高橋: 「インターンが始まるワクワク感を感じられました」「差し入れされて嬉しいものが多かった」「デザインセンターの温かい雰囲気を感じることができた」などの感想をいただきました。
川村: 特に印象に残ったコメントが「会社のことを忘れないでいて欲しいというノベルティが多い中、富士通デザインセンターのノベルティは『今回のインターンを最大限有意義に過ごせるもの』が集められていたのが印象的だった」というものです。私たちが考えたコンセプト文を丸々写したような感想をいただき、ここまで想いが伝わるのかと驚いたと共にとても嬉しかったです。
坂井: 次回の夏期インターンシップは、オンラインとオフィスでのハイブリッド開催を予定しています。ノベルティも制作予定ですが、ハイブリッドという形態のため新たな検討材料が多くやりがいを感じています。すでにプロジェクトはスタートしていて、我々4人とも継続して関わっています。
——— プロジェクトを振り返って一言お願いします。
坂井: 自分たちも数年前まで学生だったので、デザインされたグッズを受け取る学生の気持ちが想像できました。仕事でも対象となるユーザーの体験をすることはとても大事だと改めて思いました。今後、可能な限り自分でも実際に体験して感じたり考えたりしたいです。
高橋: このプロジェクトでは同年代のメンバーと意見を交わして一歩一歩進めたので、学生に戻ったような楽しさと充実感がありました。また、私は普段の業務ではサービスデザイン領域に携わっているので、「形あるものを作り上げる」という経験は貴重でした。今後もユーザーの視点に立って観察し、ユーザーにどう寄り添えるかを考えてデザインをしていきたいです。また、通常は新入社員が主体的に行うことがない事務手続きも良い経験になりました。
川村: 新入社員でありながら、プロジェクトの初期からグッズをインターン生に届けるまでの一連の流れを経験できました。スケジュール管理、コンセプト設計、タスク管理などの経験も貴重でした。俯瞰的な視点を持ちつつプロジェクトを推進した今回の経験を、今後の仕事でも活かしていきたいです。
佐藤: 純粋にとても楽しいプロジェクトでしたし、作っている自分たちが楽しんだことで、良いものができたのではないかと考えています。今後も直感的な面白さやワクワク感を大切に、デザインに取り組んでいきたいです。また今回できた横のつながりを、今後の業務に活かしてまいります。