社会保険診療報酬支払基金 様

データヘルス改革の未来像とその基盤となる「オンライン資格確認等システム」の構築

患者の医療情報を有効に活用して、安心・安全でより良い医療を提供していくための医療DXの基盤として、「オンライン資格確認」が令和3年10月から本格運用開始しました。オンライン資格確認では、マイナンバー制度のインフラを活用し、マイナンバーカードを健康保険証として利用することができます。さらに、国民の健康状態や服薬履歴等の情報について、マイナポータルを通じて情報提供を実現する基盤の中核になる重要なシステムでもあります。本システム開発では、アジャイルソフトウェア開発とクラウドネイティブなシステム環境構築など、当社DX力により、国民等・医療機関・薬局にとって利便性の高いシステムを構築しました。また、特定健診・医療費・薬剤情報連携、レセプト振替等の後続開発システムを見据えた拡張性も確保しています。

課題
効果
課題国民等・医療機関・薬局にとっての利便性向上と利用促進
効果アジャイルソフトウェア開発と実地検証により、医療機関・薬局の運用に即した操作性・機能性を実現
課題後続開発システムとの連携による保健医療データ活用の仕組みの整備
効果疎結合なアプリ構築とコンテナ/オートスケールにより拡張性確保

オンライン資格確認等システム

  • 国民の保険資格履歴を一元化し、健康・医療情報を個人単位で紐づけます。
  • 1700保険者と23万医療機関等とリアルタイムに連携し、資格情報をオンラインで照会できます。

富士通がDXで社会課題解決を支援

背景

社会保障政策・医療サービス高度化のためにデータ利活用を積極推進

国はより良い医療の提供、医療の質の向上のために、国民の健康・医療データをICT分析し、政策活用する方針を策定。

データ利活用のためのナショナルプラットフォームを構築

データ利活用のため、様々な団体に分散している健康・医療データの収集基盤と、データ分析基盤を順次構築。

「オンライン資格確認等システム」を国民のデータ一元化の基盤として構築

ナショナルプラットフォームの中核として、「オンライン資格確認等システム」による国民の健康・医療データ一元化と医療機関・薬局からのリアルタイムな保険資格確認サービスの実現が必要。

ポイント

「国民等・医療機関等の利便性向上」「後続開発を見据えた拡張性・柔軟性確保」「ランニングコスト適正化」を実現

  1. アジャイルソフトウェア開発と実地検証によって国民等・医療機関等にとって利便性の高いシステム

    アジャイルソフトウェア開発で早い段階から動くソフトウェアを社会保険診療報酬支払基金様に確認していただき、目的と期待する効果に沿った合理的なアプリケーション開発を実施。医療機関・薬局に実地検証していただくことで利便性を確認し、システムに反映。

  2. 疎結合なアプリ構築とコンテナ/オートスケールによって後続開発への拡張性を具備

    後続開発機能との連携を見据え、疎結合なアプリケーション開発、将来的な業務量拡大を見据えたシステム構築により、拡張性を確保。

  3. クラウドネイティブなシステム環境構築とアプリ保守の効率化によって適正な運用コストでの運用と高い保守性

    マネージドサービスを徹底活用することで、自動化による運用コストを最適化し、構築効率化、作業自動化を促進。開発で使用した環境を引き継ぐことで、運用・保守期間も作業を効率化。

効果

オンライン資格確認等システムではじまる『つながる』社会保障

国民等・医療機関・薬局にとって利便性の向上が実現

医療機関・薬局の運用に則した操作性・機能性を実装することで、医療機関・薬局の円滑な受付・資格確認業務を実現

今後のデータヘルス基盤として順次機能が拡大

今後、データヘルス基盤として、特定健診・医療費・診療情報等の確認だけではなく、対象となる情報が順次拡大予定

  • 電子処方箋により紙の受け渡しが不要になり、薬剤情報共有のリアルタイム化(重複投薬の回避)
  • 生活保護受給者に対する医療扶助の医療券等のオンライン資格確認
  • 訪問診療等におけるオンライン資格確認  など

[2022年11月24日掲載]

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