損害保険ジャパン日本興亜株式会社 様
CRMサイト「SOMPO Park」の認証基盤にSYNCDOT SecureAuthを導入
会員数2,000万人へ、フルクラウドでスケーラブルな環境を短納期で実現
国内損害保険市場をリードする損害保険ジャパン日本興亜。同社は、2,000万人の顧客情報を有効活用するべく、自社顧客コミュニケーション基盤としてCRMサイト「SOMPO Park」をオープンしました。同サイトの根幹を担う認証基盤には、富士通の認証基盤ソリューション「SYNCDOT SecureAuth」を採用。その理由は、豊富な実績を有するソリューションに加え、大規模認証基盤の開発経験、短納期をやりとげるプロジェクト体制、コストなど総合評価が高かったことにあります。また、同社の要望に応えて追加開発によりセキュリティを徹底追求。2019年7月、同サイトのオープン以来、安定稼働を続けており、現在会員数が350万人を突破しました。今後、グループ会社との連携も進め、顧客コミュニケーション基盤を広げていきます。
<SOMPO Park URL>https://park.sjnk.co.jp/
導入製品
製品 | FUJITSU Security Solution SYNCDOT SecureAuth |
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導入の背景
自社顧客コミュニケーション基盤として
会員規模2,000万人を目指す「SOMPO Park」
SOMPOホールディングスの中核を担い、国内損害保険市場を牽引する損害保険ジャパン日本興亜(以下、損保ジャパン日本興亜)。MaaS(Mobility as a Service、移動のサービス化)などデジタル革命により社会や産業の構造変革が急速に進む中、同社は様々なパートナーとの提携やデジタル技術を戦略的に活用し、新たなお客さま接点の創出や価値ある商品・サービスを提供できる体制づくりを進めています。
保険の枠組みを超えて「安心・安全・健康に資する最高品質のサービス」の提供に取り組む同社にとって、大きな強みとなるのが約2,000万人という国内最大規模の顧客数です。
しかし、これまで顧客情報を有効活用するプラットフォームがなかったと、同社 ビジネスデザイン戦略部 課長 清水廣臣氏は話します。「当社は契約を管理しますが、顧客の管理は保険サービスを販売する代理店さんにお任せしています。従来型ビジネスモデルでは問題はありませんでしたが、モノからコトへ、体験に価値を見出す消費傾向が強まる中で、既存事業に捉われない新たなビジネスモデルを創造するためには顧客情報の活用が不可欠です。『真のサービス産業への進化』を目指す当社において顧客コミュニケーション基盤の役割を担うのが、『楽しい、得する、役に立つ』をコンセプトにユーザーとコミュニケーションをとるためのCRMサイト『SOMPO Park』です」。
「SOMPO Park」は、無料会員登録で誰でもゲームやクイズを楽しめて、貯まったParkポイントでプレゼントに応募することができます。顧客情報収集の観点では、保険の契約内容などを確認できる同社サイトの「マイページ」を利用するIDと、「SOMPO Park」のIDを共通化しているという点が重要です。その狙いについて清水氏はこう説明します。「保険ビジネスでは、契約時と更新時がお客さまとの大きなタッチポイントとなりますが、契約期間中、お客さまの生活環境の変化に関してリアルタイムには何も知る術がない状況でした。IDを共通化することで、『SOMPO Park』のコンテンツやアンケートを通じて、お客さまが興味を抱いていることやライフスタイルの変化などを把握することができます」。
2018年6月、「SOMPO Park」の根幹を担う認証基盤における構築パートナーの選定を開始。同社が提示したRFP(提案依頼書)では、会員規模2,000万人を目標とするためフルクラウドでスケーラブルな環境の実現と、約一年という短期間構築が重要なポイントとなりました。
導入のポイント
豊富な実績を有するパッケージの採用、
4,000万ID規模の開発・構築の経験を高く評価
当社の要件にしっかりと応えている提案はほとんどなかったと同社 ビジネスデザイン戦略部 特命課長 武本昌代氏は振り返ります。「2018年8月キックオフ、2019年7月カットオーバーと納期が決まっていました。約1年で、スクラッチ開発でシステムを作り上げるのはハードルが高かったと思います。富士通は唯一、認証基盤ソリューションとしてパッケージを利用する提案で、非常に魅力的でした」。
富士通を評価したポイントについて武本氏はこう話します。「パッケージの豊富な実績に加え、4,000万ID規模の認証基盤を開発・構築した経験、実際にパッケージ開発を通じてノウハウと技術力を備えたメンバー中心のプロジェクト体制などを評価しました。また、様々なサービスやアプリを利用する際の認証を1つのIDでシームレスに実行できるOpenID Connectの基本機能が実装されていたこともポイントとなりました」。同社はコスト、工期、実績、技術力などを総合的に判断し、富士通の認証基盤ソリューション「SYNCDOT SecureAuth」の採用を決めました。
マルチベンダーで短期間のプロジェクトを推進していく上で、課題の迅速な解決は重要だったと武本氏は話します。「毎週、プロジェクト横断的に方式検討会を開催し、週ごとに課題を解決する場を設けました。富士通の場合、 課題に対し 各拠点と電話会議を行うなど、その場で解決していく体制がとれていました。文字通り『One Team』を体現できていたと思います」。
導入のプロセス
AWSによるスケールアウトのPoC(概念実証)を実施
パッケージ + 追加開発でセキュリティを徹底追求
導入プロセスで重要なテーマとなったのが、スケールアウトの実現性とセキュリティの強化でした。同社は富士通の技術支援のもと、AWSによるスケールアウトのPoCを実施し、本番を想定して定義した条件で拡張できることを確認しました。また、認証基盤では個人情報を含む顧客の重要データを扱うため、パッケージに機能をプラスすることでセキュリティを徹底追求しました。「botによる機械的な攻撃(ブルートフォース攻撃と呼ばれる総当たり攻撃)などに対処するために画像認証の仕組みや追加認証時のワンタイムパスワードなどをプラスしてもらいました。またリスクベース認証機能のカスタマイズを行い、通常利用しないブラウザや海外のIPからアクセスした際にお客さまに確認メールが送信されるようにしました。さらに、お客さまがログイン履歴を確認できる機能をつくっていただきました」。
同社は「SOMPO Park」の認証基盤だけでなく、管理者用のシングルサインオン機能にも「SYNCDOT SecureAuth」を採用しました。武本氏はこう話します。「顧客の認証と管理側の認証で同じパッケージを導入することにしました。会員情報を閲覧する管理面のセキュリティ強化として、セキュアルームのデスクにロックされた端末でしか利用できないように、クライアント証明書による認証機能を追加開発していただきました」。
認証基盤と一体となった運用が必要となる会員管理基盤も、富士通がスクラッチで構築しました。「大規模認証基盤の構築において、会員管理基盤も合わせて構築した実績があることを高く評価し、お願いすることにしました」(武本氏)。
今後の展望
他のサービスとのID連携により付加価値を拡大
IDを軸にタイムリーなレコメンドで事業に貢献
2019年7月、予定通りに「SYNCDOT SecureAuth」を認証基盤とする「SOMPO Park」はオープンしました。現在、会員数350万人を超え、シニア層を中心に順調に会員数を伸ばしています。今後の展望について清水氏はこう話します。「SOMPO Parkのコンテンツ拡充やキャンペーン連動などはこれからもテーマとなります。またお客さまのことをより深く理解するためにもIDを様々なサービスと連携していくことが非常に重要です。そのために、自社内のBtoC向けのサービスとのID連携をはじめ個人間カーシェアサービス『Anyca』と提携した『DeNA SOMPO Mobility』、駐車場のシェアリングサービス『akippa』など他のグループサービスともIDを連携し、IDを通じてお客さまの情報を収集できるシーンを拡大していきます。さらに蓄積した情報を分析しIDを軸にお客さまに最適なタイミングで最適なレコメンドをするなど、事業に貢献する取り組みを本格化していきたいと思います」。
システム面では富士通に対し、「他のサービスとのID連携の強化をお願いしています」と武本氏は付け加えます。「今後、富士通には安定稼働の支援はもとより、顧客コミュニケーション基盤活用範囲を拡大できるような先進的な提案も期待しています」。
ブランドスローガン「保険の先へ、挑む」のもと、お客さま視点で新たな価値を創造し続ける損保ジャパン日本興亜。富士通はこれからも先進技術と総合力を駆使し、社会を支える同社の取り組みと、その挑戦を支援していきます。
損害保険ジャパン日本興亜株式会社 様 概要
本社所在地 | 〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1 |
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創業 | 1888年(明治21年)10月 |
資本金 | 700億円 |
取締役社長 | 西澤 敬二 |
従業員数 | 26,108名(2019年3月31日現在) |
事業概要 | 損害保険事業
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ホームページ | https://www.sjnk.co.jp/ |
[2020年3月掲載]
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