西松建設株式会社 様 導入事例

Boxでセキュアなデータ利活用基盤を構築
業務プロセスのデジタル化で業務改革を実現

西松建設株式会社 様 導入事例

道路やダムなど公共施設の建設、都市開発、不動産事業などを通じて価値ある建造物とサービスを社会に提供し、安全・安心な社会基盤の整備と快適な環境づくりに貢献している西松建設株式会社様。デジタル技術を活用した業務改革にも積極的に取り組み、2022年6月にはDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応を強力に推進すべく「西松DXビジョン」を策定。同年7月には経済産業省「DX認定事業者」の認定を取得している。2018年からデータ利活用の基盤としてコンテンツクラウド「Box」を導入しており、国内外で円滑に利用できるデータ共有環境を整備すると共に、業務プロセスのデジタル化やペーパーレス化を実現してきた。

課題
効果
課題本社および全国拠点で運用しているファイルサーバの空き容量が不足し始めたため増強が必要
効果Boxの採用により、容量無制限で利用できるクラウドストレージ環境を構築
課題国内・海外の建設現場では各々NASを運用しており、データ共有や横断的な検索など全社的な利活用が困難
効果NASのデータをBoxへ移行させることで、各現場のデータを一元的に収集・保護し、共有・検索・閲覧など利活用しやすい環境を実現
課題外部のコラボレーターとのセキュアな情報共有と業務プロセスのデジタル化やペーパレス化の推進が必要
効果Box RelayやBox Signの利活用、富士通の継続的な技術支援によるDX推進の実現

導入の背景

年々増大するデータでファイルサーバがひっ迫
データ利活用の基盤となる新たなストレージ環境を検討

西松建設様では、本社および全国の支社支店で運用していたファイルサーバの空き容量に余裕がなくなりはじめたことから、新たなストレージ環境を検討する必要に迫られた。保守契約が満了する時期も近づいていたため、速やかな検討と移行が求められたという。DX戦略室 ICTシステム部 部長の堀泰久氏は、当時の状況を次のように話す。

「ファイルサーバの容量はすべて合わせると70TBほどでしたが、空き容量がなくなってきたので増強もしくは入れ替えをしなければいけないというのが、当時挙がっていた第一の課題でした。ストレージとしてはOffice 365の導入に合わせてOneDriveも利用していたのですが、OneDriveは人(利用者個人)に紐づくので、その人が退職したりするとそこで情報が途切れてしまいます。誰と誰がデータを共有しているかがわかりづらいことも懸念としてあったので、新しいストレージ環境は容量のみならず、使い勝手やセキュリティなどの観点も交えて検討することになりました。」

「弊社はメインフレームやオフィスコンピューターの時代から富士通の製品を利用しており、長きに渡る信頼関係を築いていました。今回のシステム構想は2017年末頃から始まり、2018年初頭に富士通からの提案を受け、ハイブリッドストレージ、Microsoft Azureと連携したストレージ環境、そしてクラウドストレージなどいろいろな選択肢を基に検討を進めました。その時点ではクラウドのみの利用は考えていませんでした。」とDX戦略室 ICTシステム部 ICTインフラ課 副課長の脇真人氏は話す。

西松建設株式会社 DX戦略室 ICTシステム部 部長 堀 泰久 氏の写真 西松建設株式会社
DX戦略室
ICTシステム部 部長
堀 泰久 氏
西松建設株式会社 DX戦略室 ICTシステム部 ICTインフラ課 副課長 脇 真人 氏の写真 西松建設株式会社
DX戦略室
ICTシステム部 ICTインフラ課 副課長
脇 真人 氏

導入に向けた取り組み

単なるファイルサーバに留まらないデータ利活用の基盤であるBoxを採用
移行と共に利用者への理解浸透を図る

ファイルサーバの容量確保に加え、全国各地の建設現場で利用しているデータの集約と保護、今後に向けてデータの利活用を促進できる環境の実現などを踏まえた検討の結果、西松建設様はクラウドサービス「Box」の採用を決定した。2018年半ばからICT部門で試験運用を行い、同年10月から全社ライセンスで展開するというスピーディな対応となった。

「富士通から、単なるファイルサーバとしての利用に留まらない、データ利活用の基盤としてBoxを活用するロードマップの提案がありました。これから先のことを考えたら、容量無制限で使えることも含めて、Boxを選択するのが良いのではないかと考えて選定しました。」(堀氏)

各部署・部門のファイルサーバからBoxへのデータ移行は段階的に進められ、およそ6ヵ月かかると予想された作業は富士通の支援を受けて4ヵ月で完了した。西松建設様ではこの期間に並行して、本社や全国の支店支社で今後のスケジュールやBoxの使い方などを説明する機会を10回以上設け、利用者への理解と浸透を図っていった。

「これまでファイルサーバへのアクセスはWindowsのエクスプローラーで行っていました。Boxにも同様の使い方を実現するBox Driveという機能がありますが、2018年の導入当時は十分なレベルではなく、Webブラウザ経由の操作に変える必要がありました。慣れ親しんできた使い方が変わることに抵抗を感じる人は少なくなかったと思います。そこで、まずは本社の各部門から責任者の方々を集めて説明会を行い、その後社内全体への説明、全国の支店支社を訪れての勉強会、というふうに半年ほどかけて取り組んでいきました。」(堀氏)

Boxへの切り替えを進める取り組みに加えて、建設現場で運用していたNASとのデータ連携にも苦労したと脇氏は話す。

「全国に300ほどある建設現場や拠点にあるNASとBoxを同期させて、データをすべて収集、保護することにしました。現場の人は難しいことを考えずにデータを更新し、関係者がすぐに見られるようにしたいと思っていたのですが、当初は双方向の同期が想定通りにうまく行われないというトラブルが起きて大変でした。NASのデータはMicrosoft Azureでバックアップしていて、そのデータもすべてBoxへ移行させました。現在は600TBを越えています。」

導入の効果

Boxにデータを集約して現場業務のビジネスプロセスを変革
いつでもどこでも情報共有・保護できる環境を実現

導入から3年ほどが経過し、社内でのBox利用の度合いは着実に向上してきた。利用者からの反応はさまざまだが、おおむね好評だったと堀氏は話す。

「営業や新規事業部門のように社外で営業活動される方々からは、どこでも資料が共有でき、移動中の書類作成もしやすくなってすごく便利になったと聞きました。建設現場では写真を数百枚近く撮影して、サムネイルを見ながら整理するといった作業が多いので、やはりエクスプローラー的な操作のほうが快適だという声は依然あります。これは今後より改善されていくことに期待しています。」

現在、西松建設様では日々のお知らせや会議の報告、種々のマニュアルなど社内の情報は極力Boxに集めて共有するようにしており、利用者が意識しなくてもBox上のデータを参照できる仕組みを整えている。案件管理に用いているSalesforceの添付ファイルもすべてBoxに保存し、案件に紐づく契約書などの情報もシームレスに参照、共有できる環境を実現した。

さらに、Boxが備えている機能を活用した業務改善にも取り組んでいる。その1つがワークフローを自動化できる「Box Relay」を使った社内承認プロセスのデジタル化だと、DX戦略室 ICTシステム部 情報システム課の越智雄士氏は話す。

「弊社では社長印や支店長印が必要な手続きは多めで、昨年(2021年)度は1万件ほどありました。現在、最後の捺印自体は紙に行っているのですが、そこまでの社内回覧はBox Relayで電子化しています。

Box Relayの設定は、社内で定めている文書管理規定のフローをそのまま適用することでスムーズに展開できました。また、人事の異動通知は完全にペーパーレス化を実現して、即座に情報を展開できるようになっています。」

堀氏は、今回のBox導入が昨今のコロナ禍の中でも大きなメリットをもたらしたと話す。

「この2~3年、弊社でもコロナ禍の情勢を踏まえて在宅勤務を行うようになりましたが、Boxを活用することで情報共有や在宅での作業をこれまでと変わらずに進められたと思います。事前にこうした仕組みを導入しておいてよかったという実感がありますし、多くの利用者からも同じように評価している声を聞いています。」

西松建設株式会社 DX戦略室 ICTシステム部 情報システム課 越智 雄士氏の写真 西松建設株式会社
DX戦略室
情報システム課
越智 雄士氏

社内承認プロセスのデジタル化

今後の展開

さらなるビジネスプロセス改革・DX推進の基盤へ富士通の継続的な支援にも期待

西松建設様ではこれからもBoxを活用した業務効率化やデータ利活用を進めていくとしている。DX戦略室 ICTシステム部 ICTインフラ課 課長の鈴木岳史氏は、すでに取り組んでいることとしてコンテンツのセキュリティを強化できる「Box Shield」を使った安全な文書管理を挙げる。

「情報資産を機密の度合いに応じて分類し、アクセス管理できるようにしたいと考えています。社内だけでなく、外部の方々との情報共有における情報漏えいの防止という観点も含めて、DX戦略室でテスト運用しているところです。私たちだけで使ってみても、あまり厳しく設定するとかえって運用しづらくなると感じているので、全社展開の際にはどこまでやるかを検討しながら進めています。」

また、今年から日本でも利用可能になったセキュアな電子署名「Box Sign」の活用も検討していると越智氏は話す。「例えば、図面の最終承認を誰が行ったのか、承認の見える化ができるようになります。全社での展開に加えて、協力会社の方々を含めた外部のコラボレーターとの情報共有、ペーパーレス化の促進を図っていきたいです。」

今回のBox導入について、提案から導入、利活用支援まで富士通の一貫した対応を西松建設様では高く評価している。現在も定例会などを通じて双方の意見交換がなされており、今後の活用促進でもよりよい提案や支援に期待していると堀氏は話す。

「富士通の皆様にはしっかりと対応いただいて、本当に感謝しています。導入当初から一緒に取り組んでいただいたご担当の方が、今も定着支援という形で携わっていただいており、安心感も強いです。サポート対応や技術支援を含め、今後のご提案、ご支援にも期待しています。」

西松建設株式会社 DX戦略室 ICTシステム部 ICTインフラ課 課長 鈴木 岳史氏の写真 西松建設株式会社
DX戦略室
ICTインフラ課 課長
鈴木 岳史氏

西松建設株式会社 様

事業分野 建設事業、開発事業、不動産事業等
所在地 東京都港区虎ノ門一丁目17番1号虎ノ門ヒルズビジネスタワー
代表者 髙瀨 伸利
設立 1937年(昭和12年)9月20日
従業員数 2,762人(2021年3月末現在)
ホームページ 西松建設株式会社様ホームページ新しいウィンドウで表示

[2022年10月掲載]

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

本事例に関するお問い合わせ

Webでのお問い合わせ
お電話でのお問い合わせ
ページの先頭へ