情報通信業 G社 様
公共向けSaaSの段階的モダナイズにより、
運用コスト削減、可用性向上と
お客様ニーズへの早期対応による競争優位性向上を実現

公共分野のSaaSにおいては、近年のデジタル化の普及に伴い、より安価で、より可用性が高いサービスが求められている。また法改正への対応など、お客様ニーズに迅速に対応できることも必要となる。
本事例では、アプリケーション運用が最適化されたプラットフォーム上でアプリケーションのモダナイゼーションを段階的に実施することで、これらのニーズに対応。本SaaSの競争優位性の向上を実現した。
- 課題運用改善によるコスト削減も限界
- 効果システムのモダナイズにより運用プロセスを抜本的に変革することで、従来の運用改善では実現が難しいレベルの運用コスト削減を実現、技術者不足も解消
- 課題可用性を向上したい
- 効果コンテナプラットフォームのもつ可用性を実現する機能の活用で、システム運用に負荷をかけることなく可用性を向上することにつながった
- 課題アプリケーションに依存関係や密結合が多く、スピーディーにアップデートが行えない
- 効果アプリケーションのアーキテクチャ変更により迅速柔軟にアップデートができるアジャイル開発に対応したことで、お客様ニーズへの早期対応を実現
導入の経緯
より安価で・より可用性が高く・より迅速な機能エンハンスが可能なサービス実現に向け、コンテナを活用したモダナイゼーションを実施
近年のデジタル化普及により、スマートフォンなどを使って簡単に最新のサービスが利用できるようになってきている中で、公共分野のサービスにおいても、利便性の向上がエンドユーザーから求められている。さらに、公共サービスの提供者からは、こうしたエンドユーザーのニーズへの対応に加えて、更なる可用性向上と法改正への迅速な対応、そして低コストでのサービス提供が求められるようになってきている。このような背景から、本事例の公共向けSaaSにおいても 同様のニーズが求められるようになった。これらのニーズを実現するためには、3点の課題があった。1点目は運用コスト削減、2点目は可用性向上、3点目はお客様ニーズへの早期対応である。本SaaSでは、これらの課題解決を低コストで早期実現するために、既存アプリケーション資産を活用してデジタル化に最適な形態のシステムへモダナイゼーションすることが検討された。
導入のポイント
アジャイル開発や運用自動化に最適なプラットフォームが
マネージド型サービスとして提供され、環境構築や運用をお任せ。
「運用コスト削減」「可用性向上」「お客様ニーズへの早期対応」を段階的に実現
本SaaSが求められるニーズに対応するためには、既存のアプリケーション資産を利用して、コストをかけずにクラウドの回復性(レジリエンス)などの特性を最大限に活かした「クラウドネイティブ型」 に変更することがポイントになる。クラウドネイティブ型アプリケーションへの変更を実現するプラットフォームには、既存アプリケーションで利用しているミドルウェアのサポートと、運用コスト削減に向けたアプリケーションの自動化が求められる。この要件を満たすプラットフォームとして、課題である「運用コスト削減」「可用性向上」「お客様ニーズへの早期対応」の3点において検討が行われた。
「運用コスト削減」の面では、インフラ基盤の運用・保守の見直しがポイントとなる。インフラ基盤を運用するためには、アプリケーションが動作するプラットフォームや、その周辺のモニタリングなど複数のサービスの組み合わせを考慮する必要がある。各サービスやそれらの組み合わせに精通した技術者も必要となるため、プロジェクト自身で体制を組むとコストがかかる。マネージド型のサービスとして提供されているDigital Application Platformでは、インフラの運用・保守をサービス側に任せることができ、運用コスト削減、及び技術者不足の解消が可能となる。
また、クラウド上のシステムの「可用性向上」の面では、可用性の高いプラットフォームを運用するには負荷がかかるという課題があった。Digital Application Platformのコンテナプラットフォームでは、ノード障害時の自動回復機能(オートヒーリング)などを活用できるため、運用負荷を上げずに可用性を向上させることが可能となる。
加えて、「お客様ニーズへの早期対応」の面では、アプリケーションのアーキテクチャをクラウドネイティブ型に変更することでアジャイル開発に対応できるようになり、スピーディーな開発が可能となる。しかし、アプリケーション開発にあたって、CI/CDパイプラインやモニタリングなどのスキルを持つOSS技術者を集めて技術を導入しようとしても、それらのスキルを持つ技術者は少なく簡単に集めることはできないという課題があった。そこで、Digital Application Platformで構築済みの開発基盤を利用することで、CI/CDパイプラインやモニタリングをサービス側に任せることができ、技術者をプロジェクト自身で集めることなく、すぐに開発を始めることが可能となる。
効果と今後の展望
コンテナを活用したモダナイゼーションによる効率化と可用性向上により、
本格的なアジャイル開発に取り組める土台を確立
導入のポイントにある通り、今回のモダナイゼーションによってお客様の課題であった「運用コスト削減」「可用性向上」「お客様ニーズへの早期対応」の3点に段階的に対応している。
「運用コスト削減」の面では運用削減を実現し、更なる運用自動化によるコスト削減の見込みが立てられるようになった。さらに、「可用性向上」の面では、Digital Application Platformで構築済みのコンテナプラットフォームを導入して、その可用性を高める機能を活用し信頼性を確保することができた。併せて、プロジェクト側でのセットアップなどの工程をスキップできたことで、自前で構築した場合と比較して数週間程度早く環境を導入できた。また「お客様ニーズへの早期対応」という面では、既存のアプリケーション資産を利用しつつ、段階的なアーキテクチャ変更によってアジャイル開発に対応し、柔軟かつ迅速にアプリケーション変更できることで、効果を見据えながら段階的に投資することが可能になった。さらに、開発基盤の構築や運用をサービス側に任せられることで、プロジェクトではSaaS利用者の満足度向上に向けたアプリケーションの開発に専念できるようになった。
今回の対応でモダナイゼーションの効率的な進め方が具体化できたことから、今後も段階的にモダナイゼーションを進め、本SaaSのお客様へ利便性の向上と業務ニーズの変化への早期対応を実現していく。更に、本SaaSをより多くの人にご利用いただくことで、利便性の向上によるデジタル化のメリットを誰一人取り残さない形で社会全体に広くいきわたらせることに貢献していく。
システム構成図
[2022年6月掲載]
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