手のひら静脈認証による決済ソリューションが世界で最も早く導入された、ソウルのロッテワールドタワー

コロナ禍のショッピングの安全性を高める、カード不要の決済ソリューション

サム・フォースディック:2021年1月

韓国の金融ソリューション企業であるロッテカード社は、手のひらを読み取るだけで買い物ができるシステムを世界で最も早く導入した企業のひとつです。コロナ禍において同社が、富士通の手のひら静脈認証ソリューション『PalmSecure』の適用をどのように進めたのか、デジタルペイメントマネージャーであるシム・グンボ氏に話を聞きました。


新型コロナウイルス感染症の大流行により、この1年間、世界中の小売店が困難な状況に直面してきました。開店が認められていた店舗も、顧客とスタッフを新型コロナウイルスの脅威から守るため、多くの感染対策を講じざるをえませんでした。店内での一方通行、マスク着用の義務化、入店人数の制限はその一例です。

感染対策においては、テクノロジーも大きな役割を果たしています。非接触での決済は、より安全な購買体験を実現しており、場合によっては、クレジットカードや携帯電話を取り出す必要もありません。そんな中、韓国のロッテカード社は、センサーに手をかざすだけで精算が可能な手のひら静脈認証システムが、感染拡大防止に適していると注目を集めていることに気付きました。

グローバルに展開するロッテグループの一員であり、金融サービスを手掛ける同社は小売業界で最も早く、富士通のPalmSecureを店内での決済に取り入れた企業のひとつであり、2017年には試験運用を開始しました。

ロッテカード社のデジタルペイメントマネージャー、シム・グンボ氏

同社でデジタルペイメントマネージャーを務めるシム・グンボ氏は、手のひら静脈認証が、決済ソリューションの合理的な進化形であると考えています。2020年10月に行われたオンラインイベント「Fujitsu ActivateNow」において、シム氏は次のように述べています。「モバイル決済サービスによって、お客様の利便性は現在も向上し続けています。しかし、さらに先を見越し、次なる技術を予測するのであれば、何も持ち歩く必要がない決済サービスこそが答えになるはずです。」

シム氏によると、ロッテカード社は、顔や虹彩、指紋といった各種生体認証を詳しく検討した上で、一人ひとり異なる手のひらの静脈を分析して認証を行うPalmSecureの採用を決めたといいます。

センサーに手をかざすだけで決済ができるロッテカード社の手のひら静脈認証システム

「お客様がもっと快適に決済を行うことができ、かつ、広く受け入れられる方法を探していました。 その結果、最も自然な方法は手をかざすことだという結論に達したのです」とシム氏は説明しています。

未来の技術としての高いポテンシャル

ロッテカード社の決定に影響したもう一つの重要な要素が、認証の精度です。手のひらの静脈は複雑なパターンで構成されていることから、PalmSecureは、他人受入率わずか0.00008%、本人拒否率0.01%というきわめて正確な認証を行うことができます。

シム氏の言葉を借りるならば、「映画でしか見たことのない、ワクワクする技術」であるこの生体認証サービスを、安心して利用することができるのはこのためです。

またシム氏は、カード不要で迅速・安全に決済を行うことができるPalmSecureが、コロナ禍で非常に役立ったことを強調しています。

現在の小売業にとっての受難の時代が、進み始めている生体認証の導入をさらに加速させると彼は予測しており、次のように語っています。「当社では、より迅速で効率的な本人確認が可能である生体認証技術が、既存のIDシステムに取って代わると予想しています。将来的には、日常生活でもっと一般的に目にする技術になるのではないでしょうか。」

※本ページは下記サイトの記事を日本語訳したものです。

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