クラウドネイティブとは?
クラウドネイティブNow

クラウドネイティブという考え方を採用する動きが広がりを見せています。このクラウドネイティブという考え方について説明します。


【目次】

  • クラウドネイティブとは
  • クラウドネイティブの活用
  • 回復性とは
  • 回復性が求められる背景
  • 管理力・可観測性・堅牢な自動化の必要性

クラウドネイティブとは

クラウドネイティブとは、さまざまなクラウド技術を利用して「より素早く簡単」に、「スケーラブルで柔軟」で「障害が発生しても継続利用できる」ようなシステムやサービスを構築・リリースするための“ベストプラクティス”とされている考え方です。
ただし、どうやってそれを実現するかという事に厳密な定義はありません。利用する要素技術は実現したいことによって異なったり、技術の発展によって新たな要素技術が生まれる可能性もあるためです。

クラウドネイティブの活用

変化の激しいビジネス環境で戦っていくために、クラウドネイティブの要素技術や考え方を活用して実現したシステムとはどのようなものになるでしょうか。
利用する主な要素技術としては、「コンテナ」をはじめ、「サービスメッシュ」、「マイクロサービス」、「イミュータブルインフラストラクチャー」、「宣言型API」 といったものがあります。また、システムを実現する上で重要な考え方として、「回復性」、「管理力」、「可観測性」、「堅牢(けんろう)な自動化」が挙げられます。
それらを活用して実現するシステムは、インパクトのある変更であっても、「最小限の労力」で「頻繁」にかつ「予測通り」に実行することができるようになります。そのシステム構成の代表例が疎結合システムです。

クラウドネイティブの活用

回復性とは

クラウドネイティブを理解する上で重要となる考え方の一つに、「回復性」というものがあります。
回復性は、障害から回復し、引き続き機能する能力の事です。障害の回避ではなく、障害は発生するという事実を受け入れ、ダウンタイムやデータの損失を回避します。
これまでのシステム構築では、「信頼性」を高めることで障害を発生しにくくすることに加え、「可用性」を高めることでいつでもサービスを利用できる状態にし、障害を極力発生させずにシステムを安定稼働させるという考え方が主流でした。

それに対し、クラウドネイティブでは「回復性」により重きを置くことが主流となっています。
これにより、障害が発生することを前提と考えます。これは品質が低くても良いということではなく、障害は発生するものとして過度な期待をしないという考えです。たとえ発生したとしても、システムやサービス全体として継続的に利用できる状態とします。

回復性の考え方

回復性が求められる背景

なぜ、クラウドネイティブでは回復性が求められるようになったのでしょうか。
その理由として、クラウドは基本的に提供ベンダーのSLA(サービス品質保証)に従うことになるため、単独の環境ではそれ以上のサービスレベルを望めないという事が挙げられます。

回復性が求められる背景

単独環境でのコントロールが難しいことから、複数環境を束ねることでサービスレベルをコントロールする必要があると考え、従来の「信頼性」+「可用性」ではなく、サービス全体として継続的に運用するための「回復性」が求められるようになりました。
サービスレベルのコントロールは、分散技術の発展による複数環境へのアプリケーションの分散、冗長化や自動切り替え、復旧処理などを組み合わせることで可能となっています。この技術はパブリッククラウドだけではなく、プライベートクラウドでも重要です。

管理力・可観測性・堅牢な自動化の必要性

クラウドネイティブでは回復性を高めるため、マルチクラウドや複数のサービスを使用するといった分散アーキテクチャーを採用する傾向にあります。
分散アーキテクチャーを採用する場合、これまでのようにサーバー「一個を管理」することから、複数のクラウド環境やサービス「n個を管理」することとなり、そのための仕組みへシフトする必要があります。そこで重要とされる考え方が、「管理力」、「可観測性」、「堅牢な自動化」です。
「管理力」は、多くの異なるプラットフォームやサービスを管理できる能力です。
「可観測性」は、どこにどのサービスがあるか見つけることができたり(サービスディスカバリー)、どこで何が起きたかを知ることができる(分散トレーシング)能力です。
可観測性を確保するためには、モニタリングやロギングの仕組みを考慮する必要があり、多くのプラットフォームやサービスがそれらの仕組みを提供しています。
「堅牢な自動化」は、n個を管理するための作業は大量となるため、人手での実施は無理があり、継続的に運用可能な自動化が必要になるということです。
自動化の取り組みはこれまでも行われてきましたが、一度作ると塩漬けになってしまっているものも散見されます。
それでは変化し続けることを基本的な考えとしているクラウドネイティブには対応できないため、継続的に運用できる自動化がより一層必要です。

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