コンテナが注目される背景
クラウドネイティブNow

コンテナ導入の必要性を理解いただくために、まずコンテナが注目されることになった背景について説明します。


【目次】

  • はじめに
  • ビジネス環境の変化
  • ITシステムの変化
  • コンテナ活用の事例

はじめに

現在、ビジネス環境は急速に多様化・高速化しています。この"先が見えない"状況下では、ITシステムは「素早く改善できること」、「柔軟に変化できること」、「トラブルの影響を受けずに動き続けられること」が必要です。
そういったITシステムを実現するアプローチの一つとして「クラウドネイティブ」という考え方があり、その要素技術である「コンテナ」という仮想化技術が今注目を集めています。この技術はクラウドのみならず、昨今のシステム構築全般において非常に重要な要素になっており、これからのビジネスを勝ち抜くために積極的に活用していく必要があります。

ビジネス環境の変化

変化が激しく先行きが不透明な現代において、急速に多様化・高速化しているビジネス環境に対応するには、まずビジネスの考え方を変える必要があります。
これまでは、精度の高い計画立案や長期計画に基づく投資、想定リスクの周到な準備などによる「安定性の確保」に重きが置かれてきましたが、今後は社会の変化に迅速に対応するために、短期間の成果を積み上げる「俊敏性」、ビジネスの状況変化に対応できる「柔軟性」、予測に頼らず想定外のことが起きてもすぐ復旧できる「回復性」がより重要です。

  Before After
俊敏性
  • 失敗は許されない
  • 精度の高い計画立案
  • 成功するまで失敗してよい
  • 短期間の成果を積み上げる
柔軟性
  • 長期計画にもとづく投資
  • トレンドの変化が速い
  • ビジネス状況の変化に柔軟に対応できるよう備える
回復性
  • 想定リスクに対して周到に備える
  • 想定できないことが起こる
  • 何が起きてもすぐに立ち直れるように備える

ITシステムの変化

ITシステムにおいても、長い期間をかけてリリースした大規模で密接に連携したモノリシックで壊れないシステムでは、想定した効果が得られない場合に迅速な対応がとれない可能性があるため、以下のような変化が求められます。

  Before After
俊敏性
  • 確実な要件定義で大規模システムを構築
  • 短期間のサイクルで素早いリリースを繰り返す
柔軟性
  • 最大業務量を想定したインフラ確保
  • 密接に連携したモノリシックシステム
  • 状況に応じた基盤変更を容易に
  • クラウドベンダーロック回避
  • 機能で分割した疎結合なシステム
回復性
  • 冗長化、エラー検知による壊れないシステム
  • 障害は起こるものと考えて、壊れても影響ない仕組みに
  • 素早い回復によりサービスを止めない

これらを実現するための技術的なアプローチの一つが「クラウドネイティブ」であり、その基幹となる要素技術が『コンテナ』です。ビジネス変革という言葉から連想されるDX(Digital Transformation / デジタルトランスフォーメーション)を推進するシステム、および従来システムが持つ課題に対して、コンテナ適用による効果が期待できます。

コンテナ活用の事例

コンテナを活用して、多くの企業がすでに効果をあげています。ここでは、ほんの一例をご紹介します。

継続的なシステム改善を実現 A社 従来の仮想マシンでは2週間ごとのデプロイであったものが、コンテナでは1時間30分ごとにデプロイできるようになり、アプリケーションの配備にかかる時間を95.5%短縮
B社 システム変更時のシステム停止が不要となり短期間に素早いリリースを繰り返し実行できるため、継続的なシステム改善を実現
運用コストの削減 C社 従来は、物理サーバー1台あたり20の仮想マシンを運用していたものが、物理サーバー1台あたり600のコンテナに集約してリソースの効率的な利用を実現することで、運用コストで30倍の集約効果を実現
D社 数十万コアのサーバーで管理しているOSの数を45種類から4種類に減らすことで、リソース使用率数%の状態からインフラコストを1,000億円(従来比80%)削減
開発コストの削減 E社 数秒単位でのテスト環境の払い出しと、ビルド・テストの自動実行対応により、テスト工数50%削減と共に開発者が開発作業に専念できるように
マルチクラウドに対応 F社 500以上のシステムをコンテナで稼働させ、あらゆるクラウドにて実行可能にし、CI/CDとInfrastructure-as-Codeパイプラインを実装してDevOpsを実現

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