クラウド型データベース利用のメリットと活用パターン
クラウドネイティブNow
出口 雅一
背景
クラウドを利用において、クラウド型データベースの利用検討するケースは少なくありません。しかし、そのほとんどがオンプレミスのデータベースのリプレイスで終わっていないでしょうか。結果、運用等の負荷が少し軽減されただけで、効果を出せていないのではないでしょうか。また、DX実現への取組に繋がっていますか?
ここでは、クラウド型データベースのメリットとその活用についてご紹介します。
クラウド型データベースとは
この記事で述べているクラウド型データベースとは、以下の要件を満たすデータベースサービスです。
- 利用したいときにすぐに利用できる (As a Service)
- 構築作業、保守作業、エンハンスなどクラウドサービスで実施されるManaged Service
- 細かくカスタマイズ可能なSubscription Service
クラウド型データベースのメリットと活用方法
クラウド型データベースの利用は以下のようなメリットがあります。
利用したいときにすぐに利用可能で容易なPoC実現
オンプレミスにおけるデータベース環境は、考慮すべき設計項目が多く構築作業も複雑な手順を必要とするため、アプリケーション開発者が新規のアプリケーション開発のためにPoCを実施することが難しい状況でした。しかし、クラウドではベストプラクティスなデータベース環境をインフラ構築などせずに利用できるため、アプリケーション開発者にとってPoCを簡単に実施することができます。
容易な可用性対応で信頼性を向上
可用性の高いデータベースは、障害時の切り替えや復旧対応などが複雑なため、運用費用などが高価でした。しかし、クラウドでは可用性に対応済のサービスを簡単、かつ容易に利用できるため、可用性の高いデータベースを利用しやすくなりました。そのため、オンプレミスで可用性の高いデータベースを諦めていた業務でも簡単に可用性を向上できるようになっています。
保守・運用負荷の軽減で運用効率化
オンプレミスでは、データベースのソフトウェアをアップデートしようとするとOSや監視環境などの関連するソフトのアップデートまで必要になり、複雑かつ慎重な対応が必要でした。そのため、複雑なデータベース運用は運用コストに影響していました。クラウドではクラウドサービスの仕組みを利用してアップデートするため、運用が簡単になり運用コスト削減が図れます。
他サービスとの容易な組合せでデータ活用を促進
オンプレミスでは、既存データを他システムで利用したりセキュリティ強化をするには、専門技術者が設計し追加でソフト、ハードを導入する必要がありました。クラウドでは、組合せ検証済のデータ連携機能やセキュリティ対策機能を簡単に試し、利用することができます。そのため、既存のデータに対し新しいアプリケーションを利用して業務のデジタル化を行ったり、データ分析に利用したりすることが容易にできます。
容易なシステム展開でITサービスを拡張
利用者向けのITサービスなどを利用者拡大やサービスの展開で同じシステムを展開する場合に、オンプレミスではデータベース環境の構築が問題になるケースがありました。要因は、これまで述べた構築や運用の複雑性によるものです。このようなシステムにはクラウド型データベースの利用で構築や運用の負荷軽減を図ることができますが、コンテナ型データベースを利用すると更に効果を発揮できます。コンテナ型データベースは、コンテナのポータビリティのメリットを活かすことができるため同じシステムの展開作業には効果を発揮します。また、OperatorというOSSを活用することで自動化、アップデートなどの運用もマネージドのデータベースと同じように実施できるため運用・保守の負荷も軽減できます。
今回は、クラウド型データベースのメリットと活用方法について概要を紹介しました。次回以降は、データベース選定のポイント、具体的な活用例、採用技術の具体的な解説などをご紹介していきます。
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