Jakarta EE 8のリリースに向けて
富士通技術者ブログ~Javaミドルウェア~
2019年8月2日
数村 憲治
2018年4月に、Jakarta EE ワーキンググループが発足して以来、Java EE技術のEclipse Foundationへの移管が進められてきました。特に、昨年末より、Jakarta EE 8のリリースに向けた準備が加速しています。
- 2018年11月にEclipse Foundation Specification Process(EFSP) v1.0を制定
- 2019年1月にEclipse GlassFish 5.1のリリース
- 2019年4月にJakarta EE Specification Process(JESP) v1.0を制定
以下に、Jakarta EE 8リリースに関する2019年7月現在の状況と、今後の予定について、簡単に紹介します。なお、ワーキンググループとEclipse Foundationの関係は以下の図のようになっています。
Jakarta EE 8 仕様策定状況
Jakarta EE ワーキンググループでは、Jakarta EE 8 仕様リリースに向けて、現在、次の作業を行っています。
- Jakarta EE 仕様プロジェクトの作成
- Jakarta EE 8 仕様書の作成
- Jakarta EE 8 TCKの作成
Eclipse Foundationでは従来からOSS開発プロジェクトを運用するための『EDP』というプロセスがありましたが、今回のJava EEの移管にともない、仕様策定プロセスを決める必要がでてきました。そこで、従来のOSS開発プロジェクトの運用に加えて、仕様策定にあたっての必要なプロセスを、EFSPとして策定しました。EFSPの主な内容は、仕様と仕様承認プロセスの定義です。
EFSPでは、「仕様」の定義を以下の3点セットとしています。
- APIなどのドキュメント
- 互換テストセット(TCK)
- 互換実装(Compatible Implementations)
2019年7月現在、作成している「Jakarta EE 仕様プロジェクト」とは、『JCP(Java Community Process)』で策定された各『Java EEの仕様(JSR:Java Specification Request)』に対応し(必ずしも1対1ではない)、EFSPで定義された3点セットの仕様をリリースするプロジェクトです。
Jakarta EE 8のAPIなどのドキュメントでは、Java EEの各仕様に対して、Jakarta EEで決められた新しい仕様名に変更するといった作業が必要です。例えば、「Java™ API for JSON Binding」は「Jakarta JSON Binding」に変更します。
「互換実装」は、JCPでは「参照実装(Reference Implementations)」と言われていたものに近いです。ただし、参照実装は各仕様に対して一つだけでしたが、EFSPでは一つの仕様に対して複数の互換実装が認められます。
今後の予定
Jakarta EE 8の仕様は、Java EE 8と完全互換であり、2019年9月10日にリリースの予定です。Jakarta EE 8互換実装は、2019年1月にリリースされたEclipse GlassFish 5.1がその一つです。富士通では、Eclipse GlassFish 5.1をベースにした製品の提供を検討しています。
また、リリース日の2019年9月10日には、1日間だけのバーチャルイベントですが、世界初のJakarta EEに特化したカンファレンス『JakartaOne Livestream』も開催される予定です。
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