JA兵庫情報センター株式会社 様

兵庫県内JAにおける管理・経済システム基盤を、クラウドとOSSデータベースで構築

システム運用基盤の充実・強化を図り、最新のITを活用できる環境を整えるため、兵庫県内JAの管理・経済システム基盤の更改に取り組むJA兵庫情報センター様。従来のオンプレミス環境からクラウド・ハウジング環境に移行するとともに、OSS(オープン・ソース・ソフトウェア)を軸に運用管理機能を加えた富士通のデータベースを導入しました。同社の担当幹部に、開発の背景や経緯、稼働後の感想などを伺いました。

課題
効果
課題事業継続性を向上させたい
効果より堅牢な施設であるクラウド・ハウジング環境へ機器を移設
課題トラブル発生時に迅速に対応できるか不安がある
効果OSSをベースとした運用管理により、従来の安定稼働を継続

導入の背景

兵庫県内JAの「管理・経済システム」を更改

2021年3月に農林水産省が発表した「農業DX構想」に象徴されるように、人手不足や後継者不足、競争力強化といった農業分野の課題解決に向けて、デジタル技術を駆使した業務革新が急務となっています。全国のJA(農業協同組合)で検討が進められる中、兵庫県内のJAで共同利用する電算システムの維持・運営管理業務を受託し、兵庫県内JAに向けた電算システムによるサービスを提供するJA兵庫情報センターでは、新たなインフラ基盤を検討されていました。

今回、検討対象となったのが、生産者が生産した農畜産物の出荷・販売やその生産資材・生活に必要な商品などを供給する経済事業、および日計・人事給与をはじめJA内部の管理業務を支えている「管理・経済システム」です。「従来はオンプレミス環境で更新してきましたが、近年、災害などに際しての事業継続性確保の強化や、日々のメンテナンスなど運用負荷低減の観点から、クラウド環境への移行を検討してきました」と、同社の担当幹部は語ります。クラウド活用を前提に、最適なインフラ基盤を検討する中で、データベースについても移行・保守などの観点から改めて検討されました。その結果、データ移行の実績があり、オープンソースの課題であるサポート体制についても、富士通のサポートが受けられることから選定されたのが、Fujitsu Enterprise Postgres(以下Enterprise Postgres)でした。

導入経緯

世界で豊富な導入実績があるOSSデータベースを、富士通が付加価値を高めて提供

Enterprise Postgres は、OSSデータベースとして世界的な実績のあるPostgreSQLをベースに、富士通がセキュリティや性能、信頼性、さらにはサポートなどの付加価値を加えて提供する製品です。
PostgreSQLは、クラウド環境との親和性が高いのはもちろん、OSSだけにハードへの依存度が低く、開発の自由度が高いのが特徴です。また、他のOSSシステムと連携するためのインターフェースが豊富に公開されているため、データ連携やシステム拡張が容易といったメリットがあります。

富士通による事前アセスメントを経て、2022年1月に導入プロジェクトがスタートしました。システムの規模やストレージ容量などを考慮し、クラウドとデータセンターへのハウジングを併用するクラウド・ハウジング環境を採用。富士通データセンター内にEnterprise Postgres搭載のデータベースサーバーを構築し、富士通のクラウドサービスFJcloud-Vを経由して利用する構成としました(図参照)。
業務アプリケーションについては、従来どおり社内で対応されました。事前アセスメントにより、既存環境と互換性のない項目・箇所を絞り込みましたが、マイグレーションにおいて予期せぬ問題が数多く発生し、移行体制の強化や新たなツールを開発するなどのリカバリ対策を講じたことで、何とか乗り切ったといいます。

データ移行については、OSSとして一般に公開されている複数のデータ移行ツール、および、それらをベースに作成したツールを検討。移行リハーサルにより移行手順を確立し、予定どおりに実施できました。

効果と今後の展望

安定稼働を実現しつつ、地域ごとのニーズに応じた高度なデータ活用を追求

稼働開始から約1年を経て、新しい環境での運用にも慣れ、システムは順調に稼働しています。「クラウド・ハウジング環境になったことで、法定点検への対応など、定期的なインフラ停止・起動によるハード故障やシステム障害のリスクを回避することができました。また、24時間365日常時稼働による公開系サービスの提供もこれまでどおりにできている状況です。今後も安定的な運用を期待しています」と同社は語ります。

同社は今後、安全で安心な管理・経済システムの運用を継続しつつ、より高度なデータ活用としてAIなど有用な先端技術も取り入れながら、デジタル化によるJA の将来の成長と競争力を確実なものとするためのシステム開発に取り組んでいきます。

JA兵庫情報センター株式会社 様

県庁所在地 兵庫県神戸市西区学園東町2丁目1-1
設立 2008年2月
ホームページ https://www.ja-hyoinf.co.jp/
事業概要 兵庫県内JAを対象とした情報システムの開発および運用

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[2025年3月掲載]

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