富士電機ITソリューション株式会社 様
統合CRM「CSStream」のデータベースをリプレース。
全社システムの基盤発展を見据え、PostgreSQL搭載製品導入でコスト削減と安定稼働を実現

富士電機ITソリューションが顧客の各種業務をサポートするソリューションとして注力しているのが、統合CRMソリューションパッケージ「CSStream(シーエス ストリーム)」だ。そのデータベースを「FUJITSU Software Symfoware Server(Postgres)」にリプレースしたことで、導入コストを大幅に削減すると共に、フロントシステムとしてのCRMから営業部門や開発部門でも活用できる全社的なシステム基盤に必要なパフォーマンスと信頼性の向上を実現した。
- 課題既存の外資系データベースの導入費高騰によるお客様負担への対応が必須
- 効果導入コストが従来のデータベースと比較して約3分の1に
- 課題OSS版のデータベースではサポートが得られず、トラブル時の対処が不安
- 効果富士通サポートで迅速な対処とデータベース起因のトラブル0を実現
- 課題将来のミッションクリティカル要件に対応可能なデータベースが必須
- 効果将来必要となる暗号化や冗長化などの機能を標準搭載
背景
よりコストパフォーマンスの優れたデータベースへのリプレースが急務に
富士電機総設の情報事業が分割独立する形で2004年に設立された富士電機ITソリューション。製造業や金融業、流通業を中心とした民需分野、官公庁を中心に自治体を含めた公共分野、小中学校や高等学校、大学、専門学校などの文教分野を3本柱とするソリューションサービスを展開している。
ICTインフラ構築がビジネスの主力となっているが、近年は顧客の各種業務をサポートするアプリケーションパッケージビジネスの成長も著しい。このビジネスをさらに拡大すべく注力している製品の1つが、統合CRMソリューションパッケージ「CSStream」である。カスタマーセンターなどに寄せられた問い合わせやクレームなどの情報を全社レベルで共有し、迅速でスムーズな対応を実現するもので、食品業界を中心とした企業のフロント業務に広く使われている。
だが、さらに幅広い業種にソリューション展開していくには大きな課題も抱えていた。同社 インテグレーションサービス本部 開発ソリューション統括部の統括部長を務める松田 真氏は、「CSStreamで利用してきた外資系データベースのライセンス制度が改定され、導入コストが実質的に値上げとなったのです。このままではお客様の負担が大きくなってしまうことから、よりコストパフォーマンスに優れたデータベースへのリプレースを行う必要がありました」と語る。
まず注目したのは、オープンソースソフトウェア(OSS)のPostgreSQLである。もっとも、基本的に無償で利用できるのがOSSのメリットとはいえ、商用製品と比べるとどうしてもサポート面で不安があった。そうした中で出合ったのが、「FUJITSU Software Symfoware Server(Postgres)」(以下、Symfoware)である。PostgreSQLをベースとしつつ、富士通が信頼性や手厚いサポート体制などOSSに足りない部分を強化したデータベースだ。

インテグレーションサービス本部 開発ソリューション統括部
統括部長 兼 品質管理部 部長 松田 真氏
ポイント
OSSのPostgreSQLをベースとしつつ富士通のサポートを得られる大きな安心感
CSStreamはカスタマーセンターなどで受けた情報を関連部門に流通させるケースも多く、利用範囲が広がる可能性が高いことから、データベースにはエンタープライズクラスの処理性能が要求される。
「Symfowareは、お客様のコスト負担を増やすことなく、パフォーマンス要件を高度なレベルで満たすことができる最適なデータベースと判断しました」と語る松田氏は、「もともと当社と富士通はビジネスパートナーです。なおかつ富士通はPostgreSQLコミュニティにも積極的に貢献しているので、そういう企業からサポートを得られるという点でも、非常に大きな安心感がありました」と強調する。
さらに、同社 インテグレーションサービス本部 開発ソリューション統括部 第一ソリューション開発部のマネージャーを務める穴井 達郎氏が言及するのが、ミッションクリティカルな運用にも耐えられる信頼性だ。「今後のお客様のご要望に応じて、冗長構成やデータベース暗号化などの機能を提案できる点も、Symfowareを選定した重要なポイントです」と語る。

インテグレーションサービス本部 開発ソリューション統括部 第一ソリューション開発部
マネージャー 穴井 達郎氏
システムの特長
想定よりはるかに移行が容易
データベース構築もWebAdminでスムーズに行える
ただ、既存の外資系データベースからSymfowareへのリプレースに対して、まったく懸念がなかったわけではない。データ移行に多大な工数が発生し、想像以上のコストがかかってしまうという不安があったのだ。
しかし、これは杞憂にすぎなかった。「実際に進めてみると、想定より移行ははるかに容易でした。既存の外資系データベースでバージョンアップを行うよりも、むしろSymfowareへ移行するほうが問題は少なく、楽に作業が完了すると実感したほどです」と松田氏は振り返る。
「データベースの構築作業そのものも、Symfowareで標準提供されているセットアップ支援ツールのWebAdminを利用することで、非常にスムーズに行うことができます」と穴井氏も語る。
こうしたメリットを高く評価し、同社はCSStreamのデータベースエンジンを全面的に切り替えた。これまでは既存の外資系データベースとSymfowareを並行利用していたのだが、AI技術によりフロント機能を強化したCSStream V4を2019年3月にリリースしたのを機に、データベースエンジンをSymfowareに一本化したのである。
システムの概要
効果と今後の展望
従来の外資系データベースと比較して導入のコストパフォーマンスを3分の1に低減
実際に導入を進めた結果、「データベースの導入コストは、従来の外資系データベースと比較しておよそ3分の1に抑えられています」と松田氏はコストパフォーマンスの高さを訴求する。
さらに、すでにSymfowareへの移行を終えたCSStreamでは、データベースを起因とするトラブルはゼロで、現在に至るまで安定した稼働を続けている。これも同社と富士通がビジネスパートナーとして長年かけて培った信頼関係があったからこそ実現できたものだ。
また、同社 インテグレーションサービス本部 開発ソリューション統括部 第一ソリューション開発部の藤間 魁人氏も「SymfowareのSQL文は非常に書きやすく、わかりやすいのもメリットです。結果として、アプリケーション開発やメンテナンスの生産性が向上しています」と語る。
同社は、データベースエンジンをSymfowareへリプレースしたことで得られたこれらの効果を踏まえつつ、CSStreamのさらなる拡販と利用拡大を進めていく考えだ。
「現在のところ、CSStreamが主に使われているのはカスタマーセンターですが、このアプリケーションの基本機能として搭載されたワークフローエンジンを介して業務プロセスやデータを共有し、営業部門や企画部門、品質保証部門などとの連携利用を進めていくことも可能です。この特長を活かして、CSStreamを本当の意味での全社システムの基盤に発展させていきます」と松田氏は、今後のビジネス展開を見据えている。
こうしたCSStreamの利用拡大にあわせ、先述のSymfowareの冗長化やデータベース暗号化といった機能も積極的に実装していく構えだ。「特にIaaSなどのクラウドや外部データセンターでCSStreamを運用することを考えているお客様にとって、これらの機能の活用が強く求められるようになると想定しています」と松田氏は語る。同社は今後もCSStreamの強化を進め、ニーズを先取りした提案で顧客満足度をさらに向上させ、新たな需要拡大にもつなげていく考えだ。

インテグレーションサービス本部 開発ソリューション統括部 第一ソリューション開発部
藤間 魁人氏
富士電機ITソリューション株式会社様
富士電機ITソリューション株式会社 様
所在地 | 東京都千代田区外神田6-15-12 |
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設立 | 2004年4月1日 |
代表取締役社長 | 及川 弘 |
従業員数 | 675人(2019年3月31日現在) |
ホームページ | https://www.fujielectric.co.jp/fsl/ |
事業概要 | 「その想い、未来をつくる。」をスローガンに、社会に貢献するICTソリューションを提供。顧客は教育機関、公共機関、民間企業と多岐にわたっている。 |
[2019年11月掲載]
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