PRIMEHPC アプリケーション関連情報

スーパーコンピュータPRIMEHPCで利用可能な商用アプリケーションとOSSについて、ご案内します。
(本ページに掲載された情報は、見出し等に更新時期の記載がある場合を除き、2021年11月時点の情報です。)

PRIMEHPCと商用アプリケーション

富士通のPRIMEHPCでは、産業界で広く活用されている商用アプリケーションを利用可能です。自動車、航空機などのものづくり、化学の解析などの分野において、さまざまなニーズで実現したいことに対応できます。大規模かつ高精細な解析を高速に行えるのが、PCサーバのクラスタを用いたシミュレーションと違う、PRIMEHPCの特徴です。

  • PRIMEHPCに対応する商用アプリケーションの分野(2023年10月時点)

PRIMEHPCは、流体解析、構造解析、電磁界解析、化学などの分野で使用される商用アプリケーションに対応しています。富士通は、ニーズが高い商用アプリケーションについて、各社と協働して動作検証や性能チューニングを実施しながら、順次提供しています。

商用アプリケーションの活用例

商用アプリケーションの活用例として、航空機の設計では「Cradle CFD | scFLOW」による熱流体解析が、安全性に影響を及ぼす機体の振動現象を予測することに用いられています。大規模なLES(Large Eddy Simulation)解析によって、機体の震動予測につながる翼表面上の圧力振動や、細かい渦を捉えることができます。

翼表面上の圧力係数分布

自動車産業では、CAE構造解析(衝撃解析)ソフトウェアの「Ansys LS-DYNA」により、自動車衝突解析の結果を収集する取り組みを実施中です。

自動車衝突解析のイメージ

化学の分野では、量子化学計算プログラム、分子構造計算などで活用される「Gaussian 16」や分子力学の解析ソフトウェア「Amber」も利用できます。
その他、流体現象を解決する「Ansys Fluent」、流体解析アプリケーション「CONVERGE」、汎用三次元電磁波解析ソフトウェア「Poynting」などが利用可能になっています。

商用アプリケーション一覧(2023年10月時点)

下記はPRIMEHPC FX1000・FX700における商用アプリケーションの、各ベンダーからの提供状況。11本のアプリケーションは「富岳」で動作確認済*。

カテゴリ アプリケーション名 ベンダー 提供状況 備考
ものづくり
(流体解析)
Ansys Fluent ANSYS, Inc. 提供可能
(βバージョン)
ソルバー機能のみ提供
COLMINA CAE 粒子法鋳造解析 富士通株式会社 提供可能 「富岳」で動作確認済
CONVERGE Convergent Science
(東アジア販売代理店: 株式会社IDAJ)
提供可能 ソルバー機能のみ提供
「富岳」で動作確認済
Cradle CFD | scFLOW 株式会社ソフトウェアクレイドル 提供可能 「富岳」で動作確認済
Simcenter STAR-CCM+ Siemens Digital Industries Software 提供可能 「富岳」で動作確認済
ものづくり
(構造解析)
Ansys LS-DYNA ANSYS, Inc. 提供可能 「富岳」で動作確認済
ESI Virtual Performance Solution(VPS) ESI Group 提供可能 衝突安全関連(陽解法)のみ提供
「富岳」で動作確認済
ものづくり
(電磁界解析)
COLMINA CAE 磁界シミュレータ 富士通株式会社 提供可能 「富岳」で動作確認済
Poynting 富士通株式会社 提供可能 「富岳」で動作確認済
化学** Amber University of California, San Francisco 提供可能 「富岳」で動作確認済
Gaussian 16 Gaussian, Inc. 提供可能 「富岳」で動作確認済
VASP VASP Software GmbH 提供可能 「富岳」で動作確認済
その他 NAG Fortran Compiler Numerical Algorithms Group Ltd 提供可能

*「富岳」における商用アプリケーションの情報はHPCIのWebサイトより参照できます。(https://www.hpci-office.jp/新しいウィンドウで表示
**協力:オーストラリア国立大学
全ての商用アプリケーション名は、各ベンダーの商標または登録商標です。

PRIMEHPCとOSS

PRIMEHPCは、OSS(Open Source Software)にも対応し、高い性能で使用することができます。流体解析、材料設計、気象予測、分子動力学などのアプリケーションを利用可能です。計算性能、電力効率でも優れた能力を発揮していることが特徴で、シミュレーションにかかる時間も短縮できます。

対応しているOSSには、非線形材料を含むさまざまな非線形解析を並列計算機上で実行できる「FrontISTR」、熱伝導解析や乱流解析といった豊富な解析機能を有する「OpenFOAM」などがあります。

OSS一覧(2021年11月時点で移植・チューニング情報を公開しているもの)

以下のOSSは、移植・チューニング情報をGithub.com新しいウィンドウで表示で公開しています。

カテゴリ アプリケーション名 バージョン情報 備考
ものづくり
(流体解析)
OpenFOAM 1812
ものづくり
(構造解析)
FrontISTR 5.0,5.2 チューニングコードのforkリポジトリを公開しています
化学
(第一原理計算)
ABINIT 8.10.2 spackでのビルド方法となります。詳細は下記を参照ください
SALMON 1.2.1
QUANTUM ESPRESSO 6.4.1
分子動力学 LAMMPS version 7Aug19
気象 MPAS 6.2
地震 SPECFEM3D 7.0.2

PRIMEHPCを利用する上で、「OSSの性能が出ない場合の解決策(実施例)が知りたい」という課題に対しては、「コンパイラオプション設定」や「コードチューニング事例」も提供しています。各分野の用途に最適化して、すぐに高い性能で使い始めることができます。

PRIMEHPC FX1000/700 アプリケーション関連情報

PRIMEHPCシリーズで利用可能な商用アプリケーションやOSSの取り組み状況、性能情報など掲載しています。PRIMEHPC導入検討などにご利用ください。

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