ローカル5Gが「切れない無線技術」の要となる!
- サイレックス・テクノロジーの実証施設「THE BASE」構築を富士通が支援 -

「切れない無線技術」を追求し、機器をネットワークにつなげるハードウェア・ソフトウェアを提供する研究開発型企業のサイレックス・テクノロジー株式会社。輸送・物流、工場、医療・ヘルスケア、教育、リテール、ワークプレイスなど、さまざまな分野に対し、無線LANモジュール、アクセスポイント、ワイヤレスブリッジ、デバイスサーバなどの提供を行っている。今年の2月には、京都・けいはんな地区の本社に、ローカル5Gなど最新ワイヤレス技術の実証が可能な環境「THE BASE for 5G and Wireless」を設立。設立までのストーリーとともに富士通の支援内容を紹介します。

技術の進展に伴い多様な分野での
無線技術の活用を推進

サイレックス・テクノロジー株式会社では、あらゆる分野へ快適な無線を提供している。たとえば、輸送・物流分野では、倉庫やフォークリフト、トラック車両を無線化し、物流システムの高度化・自動化に貢献。工場では機械の無線化によって配線やレイアウト変更のコスト削減に貢献。医療現場では心電図計や輸液ポンプなどの計測・測定データの安全な無線転送を実現。さらに、教育現場やショッピングモールなど、あらゆる場所で機器の無線利用を支援する技術を開発・提供している。

サイレックス・テクノロジー グローバルマーケティングセンターの柿野朋子氏は「Wi-Fiを中心に、組み込み無線モジュールや、産業向け・文教向けのアプリケーションを開発してきており、日本だけでなく北米やヨーロッパ、中国に無線製品を販売しています。近年注力しているのは、IoTの導入が今後最も進んでいく物流輸送や工場、そして医療のフィールドです」と業況を説明した。

そして、2022年2月にはローカル5GやWi-Fi 6、802.11ah対応の製品開発を担うエンジニアを支援する拠点「THE BASE for 5G and Wireless(以下、THE BASE)」をオープンした。その狙いについて、サイレックス・テクノロジー グローバルマーケティングセンター ディレクターの三浦秀和氏は「ローカル5Gも含めた最新のワイヤレス技術に対応した製品開発を後押しするのが狙いです。全国的にもローカル5Gを使って検証できる設備があまりないこともあって、自社製品の開発が難航することがありました。そこで自ら基地局を設けました。『THE BASE』は、お客様やパートナー企業様との共創の場としても機能している」と語った。

「THE BASE」という名称は、エンジニアたちが集う秘密基地のような意味も込めた。柿野氏は、「『共創スペース』といった名称よりも、親しみのある名称のほうがブランディング面でも非常にインパクトがあります。実際、社内でも『じゃあ、THE BASEで実験しよう』という話になったり、パートナー様からは『THE BASE行ってみます』と言ってくださったりと好評で、この名前をつけた甲斐があったと思っています」と述べた。

これまでWi-Fiを中心とした製品・ソリューションを展開してきたサイレックス・テクノロジーだが、それだけでは実現できないワイヤレス技術を提供するべく、ローカル5G環境の構築に至ったという。三浦氏は「オフィス空間ではWi-Fiで十分対応できるのですが、産業用途ではシームレスにつながる制御された無線空間が必要になり、Wi-Fiだけでは要件を満たせない場合があります。さまざまな無線を使い分けることが今後必要になります。ローカル5Gは免許が必要な周波数帯でセキュアな通信が行えるため、より安全で高度な利用方法を提案できると考えています」と設立の背景を話した。

「THE BASE」では、ローカル5Gの特性を活かした超低遅延映像伝送でロボットを遠隔操作したり、長距離の映像伝送デモンストレーションなどが体験でき、顧客やパートナーは自社の事業への応用を具体的に検討することができる。施設のオープン後、IoTや5G関連の展示会などに参加したこともあって、顧客の注目は高まっており、デモンストレーションや実証の相談が多数寄せられるようになっている。

富士通が示した共創の姿勢と実績が導入の決め手に

サイレックス・テクノロジーがローカル5Gの実証環境導入を検討しはじめたのは2019年。ワイヤレス事業のパートナー企業であるQualcomm社に相談したところ、富士通の紹介を得る。三浦氏は「企業規模の異なる富士通さんが私たちの相談を受けてくれるかが心配でしたが、担当の方とのコミュニケーションは良好で『一緒にやっていきましょう!』と真摯にご対応いただけたことが、構築を依頼する第一歩となりました」と振り返った。

サイレックス・テクノロジーでは、富士通のローカル5Gパートナーシッププログラムに加入。三浦氏ほか、技術メンバーの面々は富士通の5G実証施設「FUJITSUコラボレーションラボ」も訪問し、さまざまな技術的なアイドバイスを得た。富士通のローカル5Gの実績に加え、エンジニアたちの前向きな姿勢にも好感を持ったという。

基地局の設置で生じた課題にも速やかに対応

サイレックス・テクノロジーでは、2021年の春ごろ、新川崎にある「FUJITSUコラボレーションラボ」とも連携可能なローカル5G基地局を自社に設置するという議論をし、同年の夏前には本格的に動き始める。同時に免許取得のために総務省 近畿総合通信局への届出も行った。「総務省からは提出した資料の不備をいろいろ指摘され、何度も差し戻しがありましたが、富士通さんの支援があって2021年の9月半ばには認可を取ることができました。同時期に、けいはんな本社に基地局の設置も行いました」(三浦氏)

基地局の設置にあたっては、いくつかの課題も生じた。ローカル5Gの電波は、敷地外へ影響を及ぼさないように調整する必要があるが、サイレックス・テクノロジーの本社ビルは、オープンなイメージの建物のため、ガラス面が多く、電波が外に飛びやすいという環境であった。対応にあたった富士通の担当者は「電波伝搬シミュレーションの結果、敷地外への電波放射が大きくなることが分かり、何パターンものシミュレーションを行ったことが記憶に残っています。アンテナ設置位置の変更は『THE BASE』のデザインに大きく影響してしまうので、最終的に出力調整のみで対応できたのは非常に良かったですね」と話す。

5G環境の調整について三浦氏は「弊社のエンジニアは、ワイヤレス技術を深く追求していますので、結構マニアックな検証をします。すると基地局との接続で問題が生じたり、基地局がダウンしてしまったり、思うような速度が出なかったりすることもありました。それを富士通の担当の方に報告すると、すぐに対処するべく、基地局のバージョンアップを実施していただきました。その後、安定して稼働するようになり、デモンストレーションの設備も整えて、無事に2022年2月のオープンを迎えることができました。富士通のエンジニアの皆さんにも非常に細かくケアしていただいて、大変感謝しています」と話した。

あらゆる顧客の期待に応える
無線ソリューションの実現へ

「切れない無線技術」の追求のための環境は、「THE BASE」へのローカル5G基地局の導入によってより完成度を高めた。サイレックス・テクノロジーでは今後もさまざまなユースケースを想定した実証と開発を進めていく。

今後の支援について富士通の担当者は「サイレックス・テクノロジー様の強みと、富士通が強みとしているローカル5G基地局システムおよびエッジ&クラウドシステムと組み合わせることで、製造現場などで必要となる低遅延かつ安定した映像伝送を活用したAI分析基盤などを作ることが可能です。THE BASEおよびFUJITSUコラボレーションラボでの共同検証を進め、協業ビジネスを立ち上げていきたいと考えています」と述べた。

柿野氏は「現在でも、富士通さんが提供する工場の最適化のダッシュボード『COLMINA』と当社の工作機械向けコンバータ製品の連携は可能です。製造業のお客様の環境下でローカル5G基地局が導入されれば富士通さんとのクラウドエッジ連携がより現実的になると思います」と話す。

最後に三浦氏は、ローカル5G・Wi-Fiなど、さまざまな無線技術を組み合わせた製品・ソリューションを展開していくとし「お客様にとって、ローカル5GもWi-Fiも同じ無線と思われるかもしれませんが、しっかり使い分け/組み合わせができるアプリケーションを、『THE BASE』から実現していきます」と抱負を述べた。

  • サイレックス・テクノロジー株式会社
    グローバルマーケティングセンター ディレクター
    三浦秀和氏

  • サイレックス・テクノロジー株式会社
    グローバルマーケティングセンター
    柿野朋子氏


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