和泉市役所様
掲載日:2015年5月11日
業種 | 官公庁・自治体・文教 |
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製品 | 手のひら静脈認証 |

1 | ICカードを忘れた場合の仮カード発行や、紛失した場合のカード再発行が負担となっていた。 | ![]() |
カードを忘れても業務が行え、カード再発行も不要なため、運用にかかる手間やコストを大幅に削減することができた。 |
2 | 定期変更が必要なパスワードを設定していたため、パスワード忘却などの問合せが多かった。 | ![]() |
パスワードの定期変更や忘却がなくなり、職員の利便性が大幅に向上した。 |
3 | 静脈情報の登録作業に手間がかかり、既存の基幹系システムも改修が必要になるのではないかと心配していた。 | ![]() |
職員の協力と静脈センサーの読み取りの速さから、思いのほか導入作業は簡単だった。また、既存の基幹系システムの起動時に、静脈認証とシングルサインオンをセットにすることで、システムをほとんど改修せずセキュリティと利便性を向上できた。 |
和泉市役所様では、情報系基盤システムの契約満了に伴いプロポーザルコンペを実施され、西日本電信電話株式会社と富士通株式会社が共同で更新作業を実施いたしました。認証系については、2015年3月から基幹系と情報系をあわせて全端末1,300台、全職員1, 700名を対象に富士通の手のひら静脈認証システムを導入、2016年のマイナンバー制度開始も見据えて、端末のセキュリティ強化を実現されました。同時に、運用面での負荷やコストを削減、また、現場職員の利便性やセキュリティ意識の向上に貢献しております。
稼動時点で手のひら静脈認証の西日本自治体の最大事例となり、情報系・基幹系端末同時導入は全国でも先進的な取組みです。その背景や効果などについて取材致しました。お話をお伺いしたのは、市長公室政策企画室IT政策担当課長 山下和彦様、本件ご担当の古橋裕悟様です。
(本事例は、2015年3月時点の情報です。)
和泉市について
和泉市は、弥生時代から栄え奈良時代の「和泉の国」の名を今に残し、国宝や重文など多くの貴重な美術品を所蔵する久保惣記念美術館、ふるさと元気寄附記念品でも人気が高い人造真珠・ガラス細工などの産業が有名な「ひと・歴史・文化・産業」があふれる住みやすいまちです。




検討のきっかけは“面白そうだ”
「今回、情報系基盤システム再構築の仕様策定を行っていくにあたり、当初はICカード認証の継続利用を考えていましたが、RFIの段階で富士通から手のひら静脈認証の提案があり、これは面白そうだと思ったことが検討のきっかけでした。今回更改したシステムは基本的に10年間の利用を考えており、今後10年を見据えて考えると、今が導入のタイミングだと考えました」(古橋様)
「静脈認証がカード認証よりも良いことは分かっていました。しかし我々にも費用面などの制約があり、どこか折り合いがつくところで静脈認証が採用できればと思っていました。
実際に、住基ネットの認証にも富士通の手のひら静脈認証センサーが採用されていますし、今後、マイナンバー制度も始まることもあり、この機会にぜひとも導入したいと上司にかけあい、理解してもらうことができました」(山下様)
山下 和彦様 市長公室 政策企画室 IT政策担当課長
セキュリティ以外にも運用面で効果大
「従来のシステムではカード忘れやパスワード忘れの職員がいた場合、人事課やIT政策担当での対応が必要でした。毎日誰かがカードを忘れるので、人事課でカード忘れ用の仮カード発行の作業をしていましたし、カード認証には90日ごとに定期変更が必要なパスワードを設定していたため、毎週数名の職員からパスワード忘却などの問合せがありました。
また、カード紛失の場合、職員が一部の金額を負担して再発行を行うため、人事課だけでなく、職員側にも負担になっていました。
しかし、今回の手のひら静脈認証の導入でカード運用にかかる手間やコストも大幅に削減することができました」(古橋様)
「手のひら静脈認証の導入後は、仮カードを求めて人事課に並ぶ姿もパスワードの問合せもなくなり、運用コストは人件費も含め、削減につながると考えています」(山下様)
古橋 裕悟様 市長公室 政策企画室
現場からも好評“ええやん、これ”
「本当に認証が早いですね。手をかざしたらパッと認証されますから、驚いています。それとセンサーに触れずに認証できる非接触という点も女性職員には好評のようです。実は稼動直後に、庁内の様子を見て回り、現場の職員に使い勝手を聞いてみたのですが、かなり好評でした。従来のICカード認証と比べて、カードを忘れても業務が行える点、パスワードの忘却や定期変更がなくなった点など、現場の職員の利便性が大幅に向上しましたので“ええやん、これ”と言う職員が多かったです」(山下様)
思いのほか、導入作業は簡単だった
「今回導入した手のひら静脈認証システムはシンプルで設定画面も使いやすく、管理側の操作性も良いと感じています。また、基幹系システムも起動時に静脈認証を必須にしつつ、シングルサインオンを活用することで、セキュリティと利便性の両方を向上できたように考えています。シングルサインオンを利用する場合でも、既存システムをほとんど改修しなくて対応してくれたことも、管理者として導入に踏み切る理由のひとつでした」(古橋様)
「作業ボリュームとしては、全職員の静脈情報の登録作業が一番心配でした。実際の登録作業は、本庁勤務者にはこちらの設定した5日間の内で、都合のつくときに会場に来てもらい、保育園などの出先機関には登録責任者に登録用PCを渡し、現地で登録を行ってもらうようにしました。実際には職員の速やかな協力と静脈センサーの読取りの速さから最初の2日間で半分以上の約1,000名の登録は完了していました」(山下様)
手のひら静脈の登録の様子
職員の意識改革にも期待
「今回手のひら静脈認証システムの展開作業を、職員自身に行ってもらう方法を選択しました。もちろん富士通にお願いすれば楽ではありますが、職員に作業を実施してもらうことで、ITリテラシーの向上を図りたいという狙いがありました。作業を通じて、ITに関する知識を身につけてもらい、自身の業務改善に活かしてもらいつつ、IT政策担当への問合せも減っていくことを期待しています。また、ITリテラシーの向上以外では、静脈認証はカードと違い、なりすましのできない、自分しか持ち得ない情報で認証を行いますので、各職員のセキュリティ意識の向上にもつながると期待しています」(山下様)
「一週間の期間を設けて職員にプログラムのインストール作業をしてもらいましたが、問合せは当初の想定よりも遥かに少なく、上手く本稼動につなげることができたと思います。稼動後も静脈認証に関する問合せやトラブル等は少なく、良い感じに安定稼動を実現できています」(古橋様)

- PalmSecure LOGONDIRECTOR
手のひら静脈認証により「不正アクセス防止」や「確実な利用者認証」を手軽に実現できる、PCログオン用ソフトウェアです。規模に合わせてローカル運用/サーバ運用に対応し、業務アプリケーションとの連携も可能です。
今後の期待
「今回、稼動にあたり、和泉市のホームページにも手のひら静脈認証導入のお知らせを出しました。また、大手新聞社や通信社からも取材があり“和泉市さん、なかなか先進的ですね”と言われました。今後は様々な場面での認証が静脈認証に変わっていくだろうと思いますし、勤怠打刻システムへの展開も期待しています。生体認証は、民間企業でも進んでおり、マイナンバー制度が始まれば、自治体での採用も更に増えていくでしょう。今回、和泉市は良いタイミングで手のひら静脈認証を導入できたと思います」(山下様)
和泉市役所様 | |
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所在地 | 〒594-8501 大阪府和泉市府中町二丁目7番5号 |
総人口 | 18万7229人(世帯数:7万5604世帯) |
職員数 | 約1,700人 |
ホームページ | http://www.city.osaka-izumi.lg.jp |
和泉市シティプロモーションサイト | https://izumipr.com/![]() |
和泉市役所様は2016年1月のマイナンバー制度のスタートを前に、全職員を対象に「手のひら静脈認証」を導入、より一層のセキュリティ強化を実現しました。富士通グループは和泉市様の更なる安心感と利便性向上に努めてまいります。取材ご対応ありがとうございました。
和泉市役所様が選んだのは、富士通のPalmSecure-SLです。
富士通が開発した世界初の「非接触型の静脈認証」は、手のひらから静脈パターンを読み取ることで、個人認証を可能にした世界初の「手のひら静脈認証」方式です。安心・安全の生体認証(バイオメトリクス)技術で、お客様の大切な情報を守ります。PalmSecure-SLは机上の省スペース化や狭いスペースへの設置が可能となり、幅広い環境でのご利用が可能となります。また、携行性が向上し、モバイル用途でもご利用しやすくなりました。
お客様はパソコンのセキュリティ機能を低価格かつ短期間に導入でき、なりすましによる業務システムの不正侵入や、情報漏えいの対策を行う環境を迅速に構築できます。
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