株式会社ステーションネットワーク関西様

新型ATMでさらなる安定稼働を実現!
拡大を続ける駅ナカATMサービス「Patsat」

駅ナカのATMサービス「Patsat(パッとサッと)」を展開する、株式会社ステーションネットワーク関西様には富士通製ATMを採用いただいており、2019年3月からは、「FACT-V X180NS」が稼働しました。
まもなくサービス開始20周年を迎えるPatsatの現在と、FACT-V X180NSの導入に至った経緯などについて、株式会社ステーションネットワーク関西様にお聞きしました。

Patsatのサービス開始当初、株式会社ステーションネットワーク関西様では、様々な課題をお持ちでしたが、それらの課題解決のため、富士通製ATM FACT-V X100を採用いただきました。また今回のFACT-V X180NS導入により、さらに改善効果があったとの声をいただいています。
まずはPatsatにおけるATM運用の課題と、富士通製ATMの2機種が実現してきた効果についてまとめます。

ATM運用における課題

  • お客様が移動中の利用となるので、処理の速さと安定稼働が重要
  • 電車の発車時間を気にしながら利用するため、取り忘れが発生しやすい
  • 駅での設置は、人通りが多く常にホコリが舞う、ATMにとって過酷な環境

FACT-V X100導入時の効果

  • 処理スピードが速まり、お客様の列ができることがほとんどなくなった
  • 紙幣出口がシャッター式になり、お客様の利便性向上、取り忘れが減少
  • 過酷な設置環境下でも安定稼働

FACT-V X180NS導入の効果

  • サイズや設置構造の継承により、スピーディな入替え作業が実現
  • フロントの曲面フォルムにより清掃がしやすくなり、清掃作業にかかる手間が削減
  • FACT-V X100稼働状況のフィードバックにより、さらなる安定稼働を実現

背景

「Patsat」の事業内容と拡大戦略

池田銀行様(当時。現:池田泉州銀行様)と阪急電鉄様がATM共同運営会社「ステーションネットワーク関西」を設立。2000年9月19日にPatsatのサービスは開始されました。駅ナカにATMを設置するというサービスは、どのような経緯で誕生したのでしょうか。ステーションネットワーク関西 代表取締役副社長 藤川成久様にお話を伺いました。

株式会社ステーションネットワーク関西
代表取締役副社長 藤川成久 様

「阪急電鉄さんは、ラガールカードというカードを使って自動改札機を出入りできる、当時としては画期的な「ラガールスルー」というサービスを1992年から始めました。このラガールスルーの普及により券売機や精算機の台数削減となりました。そうして余裕のできたスペースを有効活用したいというのが、課題として挙がりました。
一方で池田銀行(当時)は、周りの多くの銀行が合併する中、いわゆる独立系の地方銀行としての営業を続けており、独自のサービスを地元の人たちに提供したいと考えていたんです。

そのような中、元々親交の深かった阪急電鉄さんと池田銀行(当時)とがアイデアを出し合った中で、例えば駅にATMやマルチメディア端末を展開できないか?という発想が生まれてきたのです。これがPatsat誕生のきっかけです」

今では、阪急電鉄のみならず、北大阪急行電鉄、阪神電車、南海電鉄、神戸市営地下鉄、泉北高速鉄道と、関西圏の多くの鉄道にPatsatは導入されています。

「Patsatは、わざわざ銀行に行かなくても、コンビニに入らなくても、毎日通勤通学で利用している駅でパッとサッと使っていただけるのを一番の魅力としています。鉄道会社としても、鉄道を利用されるお客様へ付加価値が与えられる存在です。
徐々にではありますが、Patsatは地域の皆様にも浸透してきて、阪急大阪梅田駅での1ブース3台からのスタートから、現在は108カ所130台にまで拡大しました。
今後も鉄道への設置拡大を目指すと共に、沿線の魅力を高める、地域のお役に立つという意味で、商業施設や病院などへの設置も進めています。
例えば2019年にも、イオンモール大阪ドームシティ、オアシスタウンキセラ川西に新たにPatsatを設置しました。」

経緯

FACT-V X180NS採用に至る道のり

Patsatが拡大を続ける中、FACT-V X180NSをご採用いただいた理由について、ステーションネットワーク関西 業務管理部長 辰巳昌弘様へお伺いしました。

株式会社ステーションネットワーク関西
業務管理部長 辰巳 昌弘 様

「FACT-V X100の更新時期が来ているかなという中で、大きな障害もなく安定稼働を続けてきた実績から、FACT-V X180NSへの更改を決定しました。
PatsatのATM設置条件は、場所にもよりますが、ブースなしのむき出しで入口もない、駅構内・駅施設内にあるため埃・鉄紛をかぶるなど、ATMにとっては過酷だとも言えます。FACT-V X100の時点でもこの条件下での安定稼働を実現していましたが、さらに性能を上げた後継機ということで安心感がありました」

実はFACT-V X180NS開発にあたっては、ステーションネットワーク関西様からのご意見も反映されています。

「毎月富士通さんとは定例会を行っていて、テンキーをもっと大きくしてほしい、ホコリや手垢など、清掃に時間のかかる要素をどうにかしたいといった希望を出していましたが、しっかり改善いただけました。結果、ATMの利用者様にとっても、これまでより清潔な機器に触れられるということで好感度アップにつながっていると感じています」

深夜から早朝にかけてのATM入れ替え作業

終電後、始発までという制約がある中行われた入れ替え作業。しかしFACT-V X180NSへの入れ替えはスムーズに完了できたとの感想をいただきました。その理由をお聞きしましょう。

「鉄道施設内なので、鉄道側の夜間メンテナンス、停電作業、清掃作業などの日程を避けてスケジュールを組むのは大変でした。

しかし、FACT-V X180NSはFACT-V X100とサイズ、装置固定箇所の寸法が同一でしたから、入れ替え作業はスムーズに完了させることができました。富士通さんには、事前に機器の設定や調整などを実施いただき、現場では必要最小限の作業ですむように対応いただいたのも、作業時間の短縮につながったと考えています。そして翌朝には全く支障なく稼働開始ができました。

警備会社の方や駅員さんは入れ替えとあって不安なところもあったようですが、機械内部の操作方法が変わらず、事前の研修などにも問題がなく、トラブル対応や現金装填、回収作業などの運用面においても、特段問題ありませんでした」

システムの特長

Patsatのビジネスモデルについて

ステーションATM “Patsat” は、池田泉州銀行様と阪急電鉄様との異業種協業(ATM専用運用会社の設立)による共同ATMビジネスを展開。提携金融機関のお客様の時間内手数料無料化を実現。また利便性アップを図り鉄道会社サービス向上にも貢献。

Patsatの特長

提携金融機関手数料無料(楽天銀行、新生銀行を除く)

  • 手数料無料(平日8:45~18:00)
  • 提携金融機関(池田泉州銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、但馬銀行、紀陽銀行、滋賀銀行、イオン銀行、京都信用金庫、大阪シティ信用金庫、JAバンク兵庫、楽天銀行、新生銀行)

関西地区広域ネットワークの実現

  • 関西(2府1県):大阪府・京都府・兵庫県
  • 阪急電鉄、阪神電車、北大阪急行電鉄、南海電鉄、神戸市営地下鉄、泉北高速鉄道、コンビニ、病院など、主要80駅 108ヶ所、計130台稼働中(2020年1月現在)

生活に密着したキャッシュサービス

  • 顧客利便性の高い『駅』+利用シーンの高い『コンビニ・病院』にも展開

Patsatシステム概要

ステーションATM Patsatは、池田泉州銀行様稼働中のATMシステム(勘定系システム・ATMアプリケーション・運用システム等)を活用することで、運用・開発コストの削減と「銀行ATM」としての信頼性の確保を実現いたしました。

運用コスト削減

  • ATM本体アウトソーシングサービスにより、初期投資コストを仰制、コスト平準化を実現
  • 自動機監視/リモメンシステムを銀行様ATM運用と共有することで省力化を実現

開発コスト削減

  • 稼働実績のある池田泉州銀行様自動機アプリケーションをベースにシステム構築し、銀行様アプリケーションと共通化することで開発コストを低減

信頼性の確保

  • ATM内部構成を二重化することにより、万が一の障害時の長時間休止を防止

効果

FACT-V X180NS稼働後の評価

入れ替え作業が無事に終わってFACT-V X180NSが稼働開始。実際に運用が始まってから、どのように評価されているかをお聞きしたところ、藤川様が3つのポイントを挙げてくださいました。

その1:やわらかいフォルムと清掃のしやすさ

「全体的にフォルムが曲線になり新しいデザインで、清潔感がありますよね。利用者様からも、明るくなった、見た目が良くなったと高い評価をいただいています。こちらの希望通り、清掃もしやすくなっています」

※FACT-V X180NSは、なめらかなやわらかいフォルムで、すべての人をやさしくお迎えします。ホワイトの筐体色と、アクアブルーの光を基調とした清潔感のあるイメージです。

その2:操作性の良さ(Smooth Operation)

「テンキーは大きく、間隔も広くなって、押し心地がいいですよね。利用者様からは、前よりも使いやすくなったとのお声を頂いています」

※FACT-V X180NSは、操作手順に合わせ、操作部を集約。最小限の視線や手の移動によって、より安心快適でシンプルな操作を実現しています。

その3:センターCEによる迅速な対応

「FACT-V X100の頃から継続してセンターCE(多拠点を一元管理し、お客様対応を行っている上級技術者)を配属いただいているので、安心して運用できています。どこの駅のブースでこういったトラブルが発生したといった情報は、すぐにセンターCEに連絡を入れています。これまでのトラブルはきちんと原因究明され、部品交換などもしっかり行っていただいています。ホームドクター的な存在でもありますね」

※富士通では、CE拠点(8拠点)とパーツセンタ(4拠点)による迅速な障害復旧を実現しています。

今後の展望

「Patsat」がこれから進む道と、富士通への期待

設置数、利用者数が順調に増え続けているPatsatですが、これからどんな展開を見せるのか、今も何か課題をお持ちなのか藤川様に伺ってみました。

「Patsatを一度使っていただいたら、その便利さをわかっていただけると考えています。
ただ一般的な感覚として、取引銀行のATMではなかったら手数料がかかるはずというのがどうしてもありますよね。提携金融機関は平日の昼間手数料かかりませんというのを、もっと周知していきたいです」

最後に、今後富士通に期待することを聞きました。

「現段階では、パッと来てサッと使えるというコンセプトに則して、キャッシュディスペンサーの機能に特化してスピードを重視し、お客様のニーズにお応えしていきたいです。しかし今後時代の流れの中で、違ったニーズも出てくるかもしれません。富士通さんでは様々な情報、開発力をお持ちなので、新しい分野でもフランクなディスカッションをしながら、お力を貸していただきたいですね。ビジネスモデルの変革といったことも、今後起こる可能性はあるでしょう。
富士通さんは我々と同じくらいPatsatのヒストリーを把握してくれていますし、本当に心強いパートナーです。いや、ひとつのチームと言えるでしょうね」

設置例

「Patsat」におけるFACT-V X180NS設置例

阪急電鉄 大阪梅田駅 3階改札内

Patsatで最初に設置されたATM。阪急大阪梅田駅には1日50万人を超える乗降人員があり、ひっきりなしに利用される中、まさにパッとサッと完了して人が入れ替わるので、余計な待ち時間が生まれることはほとんどありません。

阪急電鉄 大阪梅田駅 茶屋町口改札外1階

大阪梅田駅には計9カ所ATMを設置。その内のひとつ茶屋町口改札外は、お客様の導線に合わせ使いやすくなるよう設置場所を見直し、利用者数が増えたそうです。

株式会社ステーションネットワーク関西 様

本社所在地大阪市北区芝田1丁目4番8号(北阪急ビル8階)
設立2000年(平成12年)6月29日
概要ATMの設置、運用、保守管理
ホームページhttp://www.patsat.co.jp/

[2020年3月掲載]

Patsatに採用いただいた
富士通「FACT-V X180NS」のご紹介

国内最高クラスの紙幣処理性能を持つ高速コンパクト型ATMです。青色LEDを採用した独創的な光と音で、媒体出入口や各種操作部へお客さまを丁寧に誘導します。新たな高信頼性設計により、止まらない、復旧が早いATMを実現し、ATMの利用が混雑する時間帯でも、お客さまをお待たせしません。また、コンパクトな筐体なので、駅やショッピングセンターなど限られた設置場所への導入に最適です。
生体認証や、携帯電話のNFC機能を使ったカードレス対応など将来に向けた拡張性も備えています。

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