株式会社セキノサイトネット 様

膨大な治験データをクラウドで管理
社外からの安心・安全なアクセスを可能とし、業務効率を大幅向上

新薬の臨床試験(治験)を実施する医療機関を支援する株式会社セキノサイトネット様(以下、同社)。膨大な治験に関するデータを管理・保管するために「FUJITSU Cloud Service AZCLOUD IaaS ファイルサーバ」を導入。社外からデータへのアクセスを可能としたことで、業務効率を大幅に向上しました。同社の取り組みを紹介します。

課題
効果
課題治験に関する膨大なデータを社内サーバで管理していたが、老朽化で動作が不安定となり業務が滞ることがあった
効果データを安定的な稼働を実現するクラウドで管理、社外からアクセスも可能になり、業務効率が向上
課題社内サーバの運用におけるデータのバックアップや、情報管理など運用負荷が増大していた
効果クラウド化でサーバ運用が不要になり、詳細なアクセス権限の設定や暗号化機能などによりセキュリティ強化を実現
課題毎月、治験審査委員会(IRB)の実施にあたり、膨大な資料やデータの整理・出力などの準備に時間と手間がかかっていた
効果AZCLOUD IaaS ファイルサーバの導入で業務が効率化でき、将来的にペーパーレス会議を実現する基盤を構築

導入の背景

治験に関する膨大な資料の準備を効率化し
治験支援業務により注力できる環境を

同社は、新薬開発の臨床試験(治験)を実施する医療機関を支援する「治験施設支援機関」です。同社 代表取締役社長の那須 義輝氏は、「当社は関野病院を母体として、2004年に設立されました。新薬による医療の発展への貢献を目指し、治験支援に取り組んできました」と説明します。

同社では治験支援業務の一環として、治験審査委員会(IRB)の支援も行っています。IRBとは、病院等の治験実施機関に設置されており、医師や法律・倫理の専門家、有識者などが治験の倫理性や安全性、科学的妥当性などを審査する委員会です。同社のIRB事務局では、委員会で必要な膨大な資料の準備が大きな業務負荷でした。同社 IRB事務局長 サイトサポート部 部長代理の畠山 浩幸氏は「資料は、毎月、厚さ約10cmのリングファイルで13冊ほどにもなります。社内サーバで管理していましたが、老朽化もあって動作が不安定になり業務が滞ってしまうなど、運用負荷が増大していました」と振り返ります。

また、同社 IRB事務局 治験コーディネーター 主任の青木 奈々氏は、「社内にあるデータの編集や修正をしたいとき、会社に戻るか翌日に出社してから対応するしかなく非効率的でした」と説明します。

      

こうしたことから、同社ではICTシステムのリプレースを検討。「業務を効率化し、スタッフが資料準備ではなく本来の治験支援業務に集中できる環境の構築が不可欠でした。その第一弾としてサーバの刷新を決断しました」(那須氏)。

株式会社セキノサイトネット
代表取締役社長
那須 義輝 氏
      
株式会社セキノサイトネット
IRB事務局長
サイトサポート部 部長代理
畠山 浩幸 氏
株式会社セキノサイトネット
IRB事務局
治験コーディネーター 主任
青木 奈々 氏
株式会社セキノサイトネット
IRB事務局
和田 はる香 氏

導入の経緯

機密文書を扱うだけに「信頼性」を重視
エクスプローラーと同じ操作性も決め手に

同社では、オンプレミスのファイルサーバのクラウド化を検討。複数のICTベンダーのシステムを検討する中で、重視したのは「信頼性」でした。那須氏は「クラウド化することは、機密文書などのデータをICTベンダーに『預ける』こと。システムの安定稼働やセキュリティレベルとあわせて、そのICTベンダーが『信用できるかどうか』を重視しました」と説明します。

きっかけは、富士通グループが主催した展示会で那須氏が「FUJITSU Cloud Service AZCLOUD IaaS ファイルサーバ」(以下、AZCLOUD IaaS ファイルサーバ)のブースを訪問したことでした。「担当者に技術面に踏み込んだ質問をいくつもしました。その全てにその場で即答いただいたことで、富士通グループのソリューションを具体的に検討しはじめました」(那須)。

提案時にも、同社からの疑問点に富士通グループの営業担当者が、的確かつ真摯に対応したことも高く評価いただいています。那須氏は「営業担当者が製薬や医療業界に関する専門知識を備えていたことも、導入後もサポートしてもらえる安心感につながりました」と語ります。

      

また、社内に「ITの専門家」がいなくても導入でき、直感的で使いやすいことも決め手になったようです。「簡単に導入でき、Windowsのエクスプローラーと同じ使い方ができます。一般的なパソコンのスキルがあれば、操作マニュアルがなくても『すぐに設定して、すぐに使える』ところもポイントでした」(畠山氏)。

導入の効果

外出先からでも社内のデータにアクセスでき業務効率が大幅向上

同社ではAZCLOUD IaaS ファイルサーバを導入後、さまざまな効果を感じています。ひとつは、インターネット環境さえあれば、社外からでも社内のファイルにアクセスできるようになったことです。事務所でしかできなかった作業が、外出先や移動中にできるようになりました。畠山氏は「半日程度の時間短縮です。生み出された時間を治験支援のために有効活用でき、このツールは欠かせないと感じています」と語ります。

また、同社 IRB事務局の和田はる香氏は、「詳細なアクセス権限を設定でき、アクセスできる人を限定することで治験データを安心・安全に管理できるようになりました」と効果を示します。さらに、ファイルの「暗号化機能」やアクセス履歴を確認できる「監査証跡機能」など、「高いセキュリティで安心感があります」(和田氏)。

一方、製薬会社から届く膨大な紙の資料の管理にもAZCLOUD IaaS ファイルサーバが効果を発揮しています。これまでは、紙の資料をスキャンして保管する際、一度、自分のデスクトップにダウンロードしたり、サーバのファイルサイズの上限に達するとファイルを分割したりと、時間と手間がかかっていました。「AZCLOUD IaaS ファイルサーバは複合機と連携でき、スキャンしたデータをそのままクラウドのサーバにアップロードできます。ファイルサイズも気にせず、業務が大幅に効率化されました」(和田氏)

加えて、青木氏はファイルの更新状況が一目瞭然でわかる機能により、書類作成の時間が大幅に短縮されただけでなく、「IRBの資料作成の正確性が高まりました」と説明します。

     

また、クラウド化したことで、サーバのメンテナンスや保守にかかる時間も「実質、ゼロになりました。これも導入効果の一つです」(那須氏)。

今後の展望

2日かかっていた作業が2時間に
ペーパーレス化によるさらなる作業効率化へ

AZCLOUD IaaS ファイルサーバには、社外ユーザーとのセキュアなデータ共有や操作ミスで消去してしまったデータの復元機能など多彩な機能が実装されています。同社では、今後、こうした機能を活用し、さらにタブレット端末を利用したペーパーレス化を実現する「FUJITSU Enterprise Application AZCLOUD SaaS Discussion」の導入も検討。紙の資料をなくしていく考えです。「リングファイル13冊にもなる資料の準備に現状、2日ほどかかっています。会議参加者がタブレット端末からこれらの資料を確認できるようになれば、さらに大幅な業務効率化が期待できます」(畠山氏)。

AZCLOUD IaaS ファイルサーバの導入をきっかけに、同社ではさらなるICT活用を視野に入れています。「当社のスタッフは、みな医療や医薬品に関する高度な専門知識や経験を備えています。その能力は治験やIRBの支援業務という『本来の業務』で発揮されるべきです。その環境を整えるにはICTの活用が不可欠です。富士通グループには今後ともサポートをお願いしたい」(那須氏)。同じ目標に向かって両社は最初の一歩を踏み出したところです。

担当営業の声

このたびはファイルサーバ刷新に際しまして「FUJITSU Cloud Service AZCLOUD IaaS ファイルサーバ」をご採用頂き、誠にありがとうございます。貴社の業務効率化・働き方改革・ICT運用負荷軽減に向けた取り組みを、システム面からサポートできることを大変嬉しく存じます。今後もお客様の発展にお力添えができるパートナーとして、ご支援を続けさせていただきます。

富士通Japan株式会社
産業ビジネス本部
新部 信一

株式会社セキノサイトネット 様

所在地 東京都豊島区池袋二丁目51番14号 池袋飛翔ビル4F
代表者 代表取締役社長 那須 義輝
設立 平成16年(2004年)6月1日
資本金 2000万円
従業員数 25名(2020年度)
事業内容 治験実施施設支援業務・セントラルIRB支援業務・労働者派遣事業
ホームページ https://sekino-site.net/新しいウィンドウで表示

[2020年12月掲載]

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