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経験や勘に頼っていた課題解決にさよなら
「ビジネスの課題は量子コンピューティング技術で解ける」は本当か

  • この記事はFujitsu Insight2019のセミナーの内容を元に再構成したものです

ビジネスで発生する問題はさまざまだ。時間に関するものだったり、容量に関するものだったり。それらは「最小のコストで最大の成果を得る」ことを目的としている。例えば「運送コストを削減するために、運送トラックを必要最低限にする」などだ。

運送トラックの数を必要最低限にするには「どういう経路をたどって全国の支店に荷物を運べばいいか」という問題を解かなければならない。しかし、これが難しい。トラックが移動する経路は無数にあるし、「必要最低限」「全国を回る」といった制約条件があるためだ。

このように「制約条件」がある中で「膨大な選択肢」からベストな選択肢を探索する問題を「組合せ最適化問題」という。有名な例ではナップザックに荷物を詰める場合の最適な組み合わせを考える「ナップザック問題」や、セールスマンが複数の顧客先を訪問する際の最適なルートを導き出す「巡回セールスマン問題」などがある。

配送トラックの例もそうだが、この組合せ最適化問題は一部の研究者のものではなく、ビジネスにおける課題につながっていることがある。そのため組合せ最適化問題に素早く対処できれば、企業のビジネスに貢献できる、とも言える。

だが、この組合せ最適化問題を厳密に解こうとすると膨大な計算が必要になる。組合せ最適化問題を解くソフトウェアは存在するが、ビジネスの現場では従来、ベテランの勘や何となく並べた数式で割り出すといった方法を取る場合が多かった。近年、この組合せ最適化問題を「アニーリングマシン」で解決しようとするアプローチがある。アニーリングマシンは、特定の処理に特化して性能の向上を図る「ドメイン指向型コンピューティング」という考え方から生まれたもので、組合せ最適化問題の高速、高精度処理実現に有効だという。

この「アニーリングマシン」は実ビジネスにどういったメリットをもたらすのか。有識者に話を聞いた。

いち早く新しい「デジタルアニーラ」を理解して応用範囲を広げる取り組み

組合せ最適化問題には、選択肢が「膨大」で「制約条件」を満たす「ベストな選択肢」を探索する、という3つのキーワードがある。全ての条件を満たして最適なルートを導き出すには、従来型コンピュータでは膨大な時間がかかる。これに対し膨大な選択肢から精度の高い選択肢を素早く選択できるのが富士通の「デジタルアニーラ」だという。

デジタルアニーラは、「量子コンピューティングを参考にしたデジタル回路」で構築したアニーリングマシンだ。量子コンピュータではない。

早稲田大学は、富士通および富士通研究所とデジタルアニーラに関し「包括的連携活動協定」を結び、アニーリングマシンの実用、応用に向けた共同研究を進めている。早稲田大学のグリーン・コンピューティング・システム研究機構 主任研究員(研究院准教授)である田中 宗氏は次のように語る。

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