モントリオール市様

AI分析を用いた交通流の円滑化

モントリオール市は、富士通のスマートシティAIソリューションを導入しています。このソリューションにより、市は約2,500の信号機周辺の交通流を分析し、十分な情報に基づいた意思決定を行うことで、交通に関する問題を未然に防ぐための迅速かつ的確な行動を取れるようになっています。その結果、交通の流れが円滑になり、渋滞が減り、大気汚染が減少しています。また、除雪車などのメンテナンスルートを効率的に計画するのにも役立っています。

富士通のソリューションは、自動化と機械学習によって市民サービスを向上させ、行政サービス提供にかかる時間、環境への影響、運用コストを削減します。

モントリオール市

背景

近代都市における交通の整流化

モントリオール市は、あらゆる近代都市と同様に、ますます渋滞する道路を巧妙に管理しなければなりません。特に、毎日何百トンもの貨物が通過する港湾周辺では喫緊の課題となっています。市は、AIのより広範な戦略的推進施策の一環として、交通を含むいくつかの最も差し迫った問題に対する解決策の提案をベンダーに求めました。

モントリオール市はAI開発の中心地として知られており、AIがどのようにして都市環境を変えるのかを検討するのも当然な流れでした。市は、厳正なRFPプロセスを経て、深い経験、地元での存在感、競争力のある価格提案に基づき、AIパートナーとして富士通を選定しました。

富士通が最初に取り組んだプロジェクトは、AIを活用した動的な信号機管理の導入でした。富士通とモントリオール市は、港湾地域だけでも2,500以上ある信号機、センサー、カメラから生成される1日あたり8 Gバイトのリアルタイムデータを収集、保存、分析することを目指しました。この情報はAI活用ソフトウェアプラットフォームによって処理され、交通を整流化して移動をスムーズにする最善の方法を決定するために活用されます。

経緯

AIを活用した分析の導入

富士通は、モントリオール市のローカルチームとパリに拠点を置くAI Center of Excellenceの共同チームで専用のAIプラットフォーム構築に取り組みました。このソリューションには、プロセスを最適化するCCTVと画像AI分析、渋滞の検出と交通流の分析、交通流に基づくリアルタイムな信号機の同期、除雪車やごみ収集車など行政サービスを行う車両への最適な走行ルートの提供が含まれています。

富士通は、5カ月という厳しいスケジュールのもと、新しいAIソリューションを港湾地区で試験的に展開しました。このソリューションは、配置されたセンサーや検出装置から収集したデータを、中央のデータベースに無線で送信し、AIを使用して解析、次の15分間の交通流を予測します。モントリオール市は、これらの予測に基づいて、半自動的に信号機の同期を調整して交通の流れを円滑にすることが可能となります。

このソリューションにより、市は交通の流れをより良く把握し、車が占めるスペースや渋滞度合いを分析することで、いかに車両の流れを改善し、整流化するかを計画することができるようになります。

効果と今後の展望

交通流の円滑化、大気汚染の低減

新しいAIソリューションにより、モントリオール市は十分な情報に基づいた意思決定を行うことができ、交通に関する問題の発生を事前に先を見越して抑えるための、迅速かつ的確な行動を取れるようになります。これにより、移動時間、渋滞、燃料消費、大気汚染が削減されます。

さらに、富士通のソリューションにより、市は行政サービスにおける走行ルートをより効率的に計画できるようになり、除雪作業時間を最大1時間短縮させることができます。つまり、モントリオール市の頻繁な降雪時にも、歩道をより素早く安全で利用可能な状態にすることができるのです。

「富士通のソリューションは、自動化と機械学習によって市民サービスを向上させ、行政サービス提供にかかる時間、環境への影響、運用コストを削減します」とモントリオール市は言います。

モントリオール市は、港湾地区プロジェクトの成功を受けて、今後12カ月で首都圏全域に展開することを目指しています。富士通のソリューションには拡張性があるため、展開はシームレスに実現できると考えられています。ほかにもAIと富士通が主導的役割を果たすことができるプロジェクトが検討されています。

モントリオール市

業種公共部門
所在地カナダ
職員28,000
Webサイトhttps://montreal.ca/Open a new window

[2021年掲載]

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