研究者の夢 Researcher's Dream

AIの開発からコンサルティングまでこなせる専門家へ

オルワタミロレ・オー・オロジョOluwatamilore O. Orojoコンバージングテクノロジー研究所

Article|2024-11-28

情熱という名の光

大学で金融数学を学ぶ前、私には世界銀行で働くという夢があり、その夢を父と共有していました。その夢は、私が深く感銘を受けた著名な女性の姿にインスピレーションを受けたものでした。しかし、大学生活を送る中で、私の興味は変化していきました。金融の世界よりも、コンピュータサイエンスに惹かれるようになったのです。博士課程への進学を決意した背景には、父の惜しみない励ましがありました。父はいつも私の可能性を信じ、挑戦を後押ししてくれました。その後、博士号を取得し、いくつかの実務経験を経て、幸運にもFujitsu Research of Europeのソーシャルデジタルツイン(*1)の研究チームに参画する機会を得ました。デジタルツインという新しい分野を切り拓く先進的なチームです。

複雑な技術を分かりやすく説明する力

ソーシャルデジタルツインは、現実世界のデータをもとに、人や物の状態だけでなく、経済・社会の活動もまるごとデジタル空間に再現する技術です。私の役割は、ソーシャルデジタルツインの様々なユースケースと社会課題解決の実装事例(*2)を開発することです。例えば、事業で社会や環境に関わる全てのステークホルダーに良い影響を与えるネット・ポジティブの実現や、脱炭素化への貢献を目指しています。この業務は、お客様との対話と技術的なデータ分析の両方を必要とします。お客様との直接対話を通じて、お客様のニーズを理解し、適切なユースケースを探求することにやりがいを感じています。また、社内の研究開発メンバーとも連携し、お客様の望むことと技術の橋渡し役となり、私たちのソリューションがお客様のニーズを確実に満たせるように努めています。

ソーシャルデジタルツインやデジタルリハーサル(*3)のような複雑な技術の概念を、その分野に詳しくないお客様に分かりやすく説明することは、とても難しいことです。この技術がどのように役に立つのか、お客様に興味を持ってもらうため具体的な例を用いて分かりやすく説明する必要があります。現在、私は効果的に説明するために、お客様の言葉に耳を傾け、お客様に合わせて伝え方を工夫する方法を積極的に学んでいます。

Fujitsu Research of Europe のオフィスにて

好奇心を原動力に、信仰を糧に

仕事以外では、スカッシュやジムで汗を流したり、日本語を学んだり、様々なことに興味を持って取り組んでいます。音楽は私の人生に欠かせないもので、日曜日には地元の教会で歌うこともありますが、いつか地元の合唱団にも参加したいと思っています。また、最近、日本へ旅行し、豊かな文化と最先端技術が融合した魅力的な国だと感動しました。以前はシンガポールに住んでみたいと思っていましたが、今は日本やカリブ海での生活に魅力を感じています。家族や友人と一緒にいる時間を大切にし、このつながりを何よりも優先してきました。私はキリスト教徒で、地元の教会に通い、様々なバックグラウンドを持つ人たちと交流しています。こうした人々との繋がりは、私は、人とのつながりから、たくさんの支えと喜びをもらっています。イエス・キリストを信じることで、私は導かれ、人生の目的を追い求める力をもらっています。

最近、カリブ海へ旅行に行きました

尊敬するリーダーたちから感銘を受けた

誰かに刺激を受けるということは、興味深いことだと思います。ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ氏は、10代後半から20代前半の私にとって、まさに刺激を与えてくれる存在でした。女性として、アフリカ人として、初めて世界貿易機関(WTO)の事務局長に就任した彼女の功績は、本当に素晴らしいものです。彼女の歴史的な成功は、黒人、アフリカ人、そして女性が世界の舞台で何を成し遂げられるのかを力強く示す例となっています。

もう一人、私にとって身近な存在では、現在の上司である久富真紀子さんも、私の大きな目標となっています。彼女のリーダーシップスタイルは、思いやりがあり、チームを力づけ、深い洞察力に満ちており、感銘を受けます。彼女はチームメンバーの声に耳を傾け、成長を促し、協調を重視したリーダーシップを発揮しています。私も彼女のように、技術とビジネスの両方に精通し、深い洞察力を持ったリーダーシップと、効果的なマネジメントスキルを発揮できるようになることを目指しています。

テクノロジーを活用し、人間の創造性を解き放つ

私の目標は、AIが様々な分野でどう役立つのかを深く理解したAI専門家とコンサルタントになることです。特に、AIを効果的に活用することで、効率性を向上させ、人々がより創造的な活動に集中できるようになることに関心を持っています。これが現実になりつつある分野の一つとして、飲食業界があります。AIは、テーブル管理や清掃などの作業を効率化することで、スタッフが料理の腕前を存分に発揮し、独創的な料理を生み出すなど、より良い食事体験を提供できるようになります(ちなみに、私は料理が大好きです!)。これはシンプルな例ですが、この考え方が医療や教育など他の分野にも応用されたらどうなるか想像してみてください。既に様々な分野でAIは活用されていますが、その可能性は無限大です。AIの研究と応用を進めることで、人間の創造性と革新性を解き放ち、新たな時代を切り開けると信じています。

関係者からのメッセージ

オルワタミロレは、データから現実の問題を特定し、研究開発技術を用いて解決する能力など、応用研究に必要なあらゆるスキルを備えた貴重な人材です。彼女はデータに基づいたアプローチで共創活動を推進し、顧客の関心に寄り添いながら、ソーシャルデジタルツイン研究の成長に大きく貢献しています。(コンバージングテクノロジー研究所 小林 左千夫)

オルワタミロレ・オー・オロジョ
Oluwatamilore O. Orojo
コンバージングテクノロジー研究所
コンピュータサイエンス研究科 博士(Ph.D.)
2023年入社
私のパーパス
目的があり、意義深く、価値のある人生を送りたい

本稿中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものです

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