AI導入の課題を解決するMoBagelとの革新的な共創
2024年9月5日
English富士通が2024年1月に15か国800人のCxOを対象に行った調査(注1)では、約9割の企業が、昨年よりもAIの投資を増強すると回答しました。また、今後3年間の計画を見ると、8割近くの企業が、商品・サービスの機能強化や経営意思決定支援など、これまでAIでは難しかった複雑な意思決定を伴う領域への活用を計画していることが分かりました。
顧客のAIに求める要求が高度化していく中で、多くの企業やスタートアップがAIの精度や品質の向上を目指して技術開発を行っています。しかしながら、1社のみで優れたAIモデルを構築し、迅速に導入するのは困難で、技術的なブレークスルーを起こすには、様々な技術を融合させることが必要です。
富士通も最先端の技術やサービスを生み出すスタートアップとの共創を重要戦略の一つに位置づけ、事業提携の支援や投資機能を含む多面的な体制を整えています。その中で、技術戦略本部のビジネスインキュベーション統括部は、イノベーションの創出に重要な役割を果たしています。富士通の先端技術とスタートアップなど社外の企業の技術との融合をとおしたイノベーションの創出を推進しています。
MoBagelと富士通とのAI技術でのコラボレーション
MoBagel(注2)はノーコードAI/機械学習(ML)プラットフォームの主要ベンダーです。同社が提供するノーコードAI/MLプラットフォームである「Decanter AI」は、データサイエンティストと各分野の専門家が共同でAIソリューションを設計・構築することを可能にします。
2022年12月、MoBagelはマーケティング分析に自社開発のAIを導入し、大きな失敗をした企業から相談を受けていました。顧客の要望を満たすには高度なAIのアルゴリズム推奨システムが必要で、解決策を模索していたところ、Plug and Play(注3)のイベントを通して富士通の技術を知り、協業が始まりました。
Decanter AIの機能を強化するために、2つの主要な富士通のAI技術であるFujitsu AutoMLと説明可能なAIであるWide Learningが組み込まれました。
- 主な機能
- Fujitsu AutoMLによる超高速モデリング:データ検証システムとアルゴリズムの推奨を実装し、モデルの精度と展開速度を向上させると同時に、計算リソースの使用を最適化。
- Wide Learningによる説明可能なAIの最適化:説明可能なAIであるWide Learningの技術を組み込むことにより、説明可能性を高め、お客様との信頼と理解を促進。お客様は安心してAIを導入、運用することができる。
MoBagelは、これらの2つのAIテクノロジーをDecanter AIプラットフォームに統合し、AIモデルを正確かつ費用対効果の高い方法で構築し、データ分析とモデリングを合理化する、高度なデータ分析ツールを提供することが可能になりました。
その結果、AIモデル構築の処理速度を4倍に向上させ、コンピューティングのコストを60%削減しました。このコラボレーションは、顧客が、わずか1か月でデジタルマーケティング向けの最初のAIエージェントをリリースすることに貢献しました。
MoBagelと富士通とのコラボレーションについては、以下のストーリーをご覧ください。
- ※Plug and Play社のレポートです。
MoBagelとのパートナーシップをリードしたオープンイノベーションリーダーのコメント
このコラボレーションは、優れたパートナーを見つけ、共にイノベーションを起こしていく取り組みの例です。この取り組みが、富士通の技術の強みを活用した数多くのパートナーシップの1つとなることを期待しています。
技術戦略本部 ビジネスインキュベーション統括部 Open Innovation Manager
ザカリー・レイニー Zachary Rainey
関連情報
- (注1)
- (注2)
- (注3)
本文でご紹介しているFujitsu AutoML、Wide LearningはFujitsu Research Portalでお試しいただけます。