生活協同組合連合会東海コープ事業連合様
100万人の食卓を支えるシステムのフルクラウド化に向けた柔軟性ある基盤設計の実現
概要
生活協同組合連合会東海コープ事業連合様は、全システムのクラウド化を順次進められています。計画当初よりフルクラウド化を想定した基盤設計をおこなうことで、既存環境から移行しやすく、運用負荷の少ない環境を実現されています。
お客様のご紹介
生活協同組合連合会東海コープ事業連合様は、組合員と地域の願いや期待に応えるために、東海3生協(コープぎふ、コープあいち、コープみえ)がすすめる食の安全を第一とした、ふだんのくらしに役立つための事業を展開されている組織です。
「未来につながるあんしん生活 東海の豊かな自然と、人と人のつながりを大切にします」を理念に、岐阜、愛知、三重の組合員に食品を中心とした宅配事業等を展開されています。
取り組みの背景
生活環境の変化により宅配事業への需要が増加する一方、原材料の高騰や物流の供給が不安定になるなど、流通を取り巻く環境は大きく変化しています。このような社会環境の変化を受けて、システムの柔軟性や迅速性、拡張性がより一層求められるようになってきています。
生活協同組合連合会東海コープ事業連合様は、2025年の崖に代表されるハードウェアやアプリケーションの老朽化や運用要員の確保等の諸問題を早期に想定し、システムのクラウド化とアプリケーションのモダナイゼーションを早くから進められています。
導入システムの概要とポイント
全システムのフルクラウド化を見据え、移行しやすく、運用最適な設計をおこないました。
ポイント1 移行しやすく運用負荷の少ないインフラ設計
複数システムをクラウドへ移行するにあたり、システムごとにVPC(Virtual Private Network、仮想プライベートネットワーク)を分けました。これにより従来のオンプレミス環境から最小限の設定変更でクラウドへの移行を実現しています。また、特定システムでIPアドレスを大量に使用することがあっても、アドレス枯渇等の影響をVPC毎に局所化することができます。
さらに、複数システム間の連携においては、AWS Transit Gatewayを利用しています。AWS Transit Gatewayは中央ハブとして、AWSにつながるVPNやAWS内の各VPCをルーティングする機能を備えています。従来はVPC毎に個別にピアリングする必要があり、例えば特定システムの環境変更をおこなった場合、関連システムから特定システムへのルーティングも見直す必要がありました。しかし、ゲートウェイとしてAWS Transit Gatewayを指定することにより、個々のピアリング設定が不要となり、運用管理を大幅に簡易化することができます。
VPCとAWS Transit Gatewayの組み合わせにより、今後順次移行されてくるシステムや新規に稼働するシステムに対しても、柔軟かつシンプルなネットワーク構成を設定・管理することができるようになっています。
ポイント2 性能とコストを考慮した設計
クラウド化にあたり、各システムの性能要件を改めて確認し、それぞれのシステムに見合った性能のコンピューティングやストレージの割り当てをおこないました。ブロックストレージからオブジェクトストレージへの移行でコスト削減を進める一方、夜間バッチ処理の高速化が求められるDBに対してはIOPS指定ストレージを採用して処理時間を短縮させています。
適材適所のリソース割り当てをおこなうことで、性能を向上させる一方、全体のインフラコストは低減させることに成功しています。
ポイント3 ワークスタイルの変化に対応したマルチコネクト環境の実現
利用者が使いやすくアクセスしやすい環境を実現するため、FENICS ビジネスマルチレイヤーコネクト(注)を活用されています。クラウド環境とオンプレミス環境を相互に接続し、必要な帯域を確保するとともに、スマートフォンやタブレットに対応したネットワーク環境を実現されています。
- (注)FENICS ビジネスマルチレイヤーコネクトは、マルチキャリア対応による多彩な機能、回線を提供し、信頼性や柔軟性などを実現するデータセントリックに対応したクラウド・データセンター向けネットワークサービスです。
これらの取り組みを通じて、拡張性を確保しつつ運用負荷の少ないシステム環境を実現しています。
AWSを選ばれた理由
生活必需品を消費者に提供し続けるためには、システムの信用性や実績が重要となります。AWSは流通システムにおいてトップシェアの実績および安定した稼働実績を有しています。更に、各種マネージドサービス等の機能の充実により、設計~運用に至る手間・コストを削減できるとともに、今後の新規システムによる新たな取り組みへの活用にも最適であるとお客様にご評価いただきました。
富士通を選ばれた理由
オンプレミス環境のリプレイス計画の初期段階から支援させていただき、将来のフルクラウド化を見据えたシステム全体のあるべき姿の提案をさせていただきました。
移行しやすく、運用負荷の少ない環境を実現するため、AWSの知見を元にシステム全体の設計をおこないました。
今後もクラウドに関する知見とお客様システムに対する全体最適の観点をもち、お客様事業の発展にご協力させていただきます。
本事例に関するお問い合わせ
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富士通コンタクトライン (総合窓口)0120-933-200(通話無料)
受付時間:9:00~12:00および13:00~17:30(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)
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