朝日生命保険相互会社 様
クラウド共通基盤をAWSに構築し、開発・運用の効率化を実現
背景
朝日生命保険相互会社(以下、朝日生命)様は、DX戦略を成長ドライバーの一つと位置付け、それを下支えする次世代システムの構築を検討していました。
また従来はオンプレミスで構築したハードウェアの5~6年毎の保守切れに伴い、各業務システムをリプレースする必要がありました。
これら2つの背景から、朝日生命様ではAmazon Web Services(以下、AWS)を採用し、各業務システムのインフラ機能を統合的に管理する「クラウド共通基盤」を構築しました。
今後、各業務システムをクラウド共通基盤上に順次移行していくことで、ハード保守切れ起因でのリプレース対応からの脱却と、DX領域へのリソースシフトを実現し、さらなるDXを推進する成長ドライバーとしていくことを目指しています。
システム全体像イメージ
- AWS上に各業務システムのインフラ機能を統合的に管理する「クラウド共通基盤」を構築し、各業務システムを順次クラウド共通基盤上に移行することにより、業務固有のアプリケーション開発のみに特化することが可能となり、開発・運用の効率化が見込めます。
- クラウド共通基盤構築にあたってはプラットフォームベースラインを構築しAWSのベストプラクティスを採用することで、システム利用者のニーズとシステム・ガバナンスを両立する共通基盤を実現しました。
図1 朝日生命様クラウド共通基盤概要イメージ
ポイント1
ガイドラインによる作業品質標準化
クラウド共通基盤 開発・利用ガイドラインを作成することで開発の標準化を図りシステム開発者個人のスキルに依存せず、高い品質のシステム構築が可能となりました。また、クラウドの特長である俊敏性を活かした設計を採用し、開発スピード向上とコスト削減を実現しました。
図2 ガイドライン
ポイント2
多様化するシステム利用者ニーズへの対応とガバナンス確保の両立
ガバナンスと設計・運用の自由度に配慮した共通基盤設計・ガイドラインとすることで、セキュリティを担保しながら、システム利用者ニーズへの素早い対応を実現しました。
ガイドラインでは、プラットフォームベースライン(注1)を策定し、AWSを利用する上でのベストプラクティスを採用しました。
また、マルチアカウント構成を採用することで、開発・運用におけるガバナンスの確保と、開発の自由度・拡張性を両立する構成としました。
(注1)プラットフォームベースラインは「アカウント構成を行うベースアーキテクチャ」と「ガバナンス方法を定義するセキュリティガードレール」で構成。
ポイント3
AWSサービス採用によるコスト効率の向上
AWSのマネージドサービスを積極的に採用した運用とすることで、高いコスト効率と柔軟性の高いシステムを支えるクラウド共通基盤を実現しました。
✔ カスタムAMI(注2)を使用することで、最適なマシンイメージを素早く簡単にシステム展開可能
✔ Amazon EFS で共有ファイルシステムを提供
✔ AWS Transfer for SFTPを利用して、FTPのみ利用可能なサーバに対して、Amazon S3(注3)へのデータ移行機能を提供
✔ AWS Configで、構成管理機能を提供
✔ 今後、他のマネージドサービス(Amazon ECS、AWS Fargate、AWS Lambda など)を利用して更なる開発効率化を実現予定
(注2) AMI
仮想マシンを起動するのに必要なソフトウェア構成 (オペレーティングシステム、アプリケーションサーバ、アプリケーションなど) を記録したテンプレート
(注3) Amazon S3
データを格納・管理できるオブジェクトストレージサービス
本事例に関するお問い合わせ
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