医療法人 桜木記念病院 様

創立130年以上の地域に根差した病院が
紙カルテからの脱却に挑戦
過去診療情報を活用しやすい体制を築き、
医療の質向上を実現

三重県松阪市に所在する60床の医療法人桜木記念病院(以下、桜木記念病院)は、業務効率化や医師間の情報共有の壁となっていた紙カルテから脱却するため、HOPE LifeMark-SX 病院版を導入。地元ベンダーである株式会社ミエデンの支援を受けながら約2ヶ月で導入を完了し、スムーズな電子カルテ運用を定着させた。これにより、同病院では診療情報の共有や同時閲覧などが可能になり、医師や看護師らの業務負担が大幅に削減。さらに、過去の診療情報を活用しやすい環境も築かれ、医療の質の向上も実現している。

課題

  • 医師間での診療情報の共有や継承が困難

  • 職員間でカルテを同時に閲覧できず、業務の効率化に苦慮
  • 紙カルテの保管や検索に要する手間が数多く発生

効果

  • 診療情報を正確かつ長期に渡って共有できる体制が確立
  • カルテを複数人が同時閲覧可能になり、業務が効率化

  • カルテの保管や検索にかかる手間が一切不要に
桜木記念病院様の外観

施設外観

桜木記念病院 様
所在地:〒515-0034 三重県松阪市南町443-4
標榜科目:内科・小児科・皮膚科・乳腺外科・リハビリテーション科、人間ドック・各種健康診断、居宅介護支援事業・訪問看護ステーション・訪問介護(ホームヘルパーステーション)、グループホーム(多気、明和、第二明和)、サービス付き高齢者向け住宅(明和・松阪)、リハビリ付きデイサービスセンター(明和・松阪)
医療法人桜木記念病院は三重県松阪市に所在する病院。創立は明治23(1890)年と古く、長年に渡って松阪市とその周辺の医療を支えてきた。60床の病床を有し入院機能を備えるほか、近年では在宅医療も手がけている。

背景・課題

130年以上の歴史を誇る医療機関。蓄積した診療情報を活用しにくい状況が続いていた

 三重県松阪市に所在する桜木記念病院は明治23(1890)年に創立。初代院長である志田亀次郎氏から3代に渡って松阪市とその周辺の医療と健康を支えてきた。地域からの信頼は厚く、市内では「桜木さん」の愛称が定着しているほどだ。現在の病床数は60床。近年では、訪問診療や訪問介護を提供するなど、少子高齢化に伴う医療ニーズの変化にも熱心に対応している。
 そうした訪問診療を支えているのがHOPE LifeMark-SX 病院版だ。桜木記念病院は2023年にHOPE LifeMark-SX 病院版を導入し、従来利用していた紙カルテを電子カルテに一部移行している。なぜ、同病院は電子カルテの導入を決めたのか。内科医長の志田幸太氏は従来の課題を振り返る。
  「例えば、診療情報の共有や継承の問題です。当院は松阪市に長らく根付いているため、何十年と通院している患者様もいらっしゃいます。さらに、その患者様のご家族も通院しているケースもあり、一人の患者様に関する診療情報が膨大に蓄積しています。しかし、それらの情報は紙カルテで保管されているため、すべてを包括して管理・閲覧するのは困難でした。紙カルテにはさまざまな医師が手書きで記載するため、文字の判読が難しいこともありますし、保管庫のなかからすべての診療情報を取り出すのにも多大な手間がかかります。長年、貴重な診療情報を蓄積しているにも関わらず、それを医師間で共有・継承しにくいというのは大きな課題でした」(志田氏)。
 また、志田氏は「紙カルテを同時に閲覧できないことも課題でした」と話す。患者の入院準備の際には、医師のほか看護師など、複数の職員が紙カルテの情報をもとに作業を進める。そのため、一つの紙カルテを取り合うように閲覧しなければならず、それが業務効率を低下させる要因になっていた。

選定・導入

信頼性が高く導入しやすいHOPE LifeMark-SX 病院版を選定。地元ベンダー(株式会社ミエデン)の支援が後押しに

 こうした課題に直面するなかで、桜木記念病院は電子カルテの導入に向けて動き出す。取り組みの中心人物だった志田氏は各部門から電子カルテを過去に利用した経験のある職員を招集し、「電子カルテ委員会」を発足。各部門へのヒアリングや製品に求める要件の抽出を進めていった。
 その結果、選定されたのがHOPE LifeMark-SX 病院版だった。選定の一番の決め手になったのは、製品の信頼性。志田氏は前任地でも富士通製の電子カルテを利用しており、以前から製品の安定性や安全性、利便性に高い信頼を寄せていた。さらに、導入のしやすさも決め手になった。HOPE LifeMark-SX 病院版は、診療所向け製品であるHOPE LifeMark-SXに病院向けの機能を追加した製品。入院業務に必要な機能をコンパクトに提供しているため、病院向けの電子カルテよりも手軽に導入可能で、スムーズに運用を開始できる。志田氏は、拙速なデジタル化は院内に混乱をもたらすと考えており、当初からスモールスタートによる導入を検討していた。その点、HOPE LifeMark-SX 病院版は病院向けの機能と導入しやすさを兼ね備えているため、デジタル化の第一歩として最もふさわしい製品だった。
 こうしてHOPE LifeMark-SX病院版の導入を決めた桜木記念病院。実際の導入にあたっては株式会社ミエデンからの導入支援が大きな後押しになった。当時の状況について志田氏は説明する。
 「当院は職員の平均年齢が比較的高く、これまで電子カルテを利用したことのない職員も数多く在籍していました。そのため、当初はシステムの定着に不安もあったのですが、地元のベンダーである株式会社ミエデンのサポートもあり、導入開始から2ヶ月ほどでシステムの運用を開始することができました。導入後は、職員の間に多少の戸惑いもありましたが、そのたびに操作方法や運用などについて支援を受け、システムの定着を推進。結果として、運用開始から数ヶ月後には多くの職員が問題なく電子カルテを利用できるようになっていました」(志田氏)。

活用・効果

医師間、職員間で診療情報をリアルタイムで共有可能。保管の手間もほぼゼロに

 現在、桜木記念病院では外来診療と訪問診療にHOPE LifeMark-SX 病院版が用いられている。システムを利用する職員は約30名。医師に限らず、看護師、事務職員、ソーシャルワーカー、薬剤師など、幅広い職員が利用している。これにより、同病院では紙カルテが大幅に削減され、さまざまな導入効果が生まれた。
 その一つが情報の活用だ。従来、同病院では蓄積した診療情報を活用しにくい体制が続いていたが、現在は電子カルテで作成した診療情報については、システム上で即座に検索・閲覧可能になった。さらに、既存の電子カルテの情報をコピーして新たなカルテを作成できるため、過去の診療情報を引き継ぎやすくなっている。例えば、患者が不定期で行っている検査の結果を紙カルテで引き継ぐ場合、診療のたびに新たなカルテに検査結果を転記しなければならない。しかし、現在はコピー機能を活用すれば、手間を要することなく過去の診療情報を新たなカルテに引き継ぐことができる。また、電子カルテは複数のユーザが同時に閲覧できるため、職員たちがカルテを取り合って診療情報を確認する必要もなくなった。
     同時に閲覧できることは大きな特徴の一つなので、インタビューで聞けていればですが、事例なんかを記載いただけると助かります。

電子カルテの画面
病院向けにも機能を追加搭載した、進化した「HOPE LifeMark-SX 病院版」
「閲覧モード」を活用すれば、他ユーザがカルテ作成中も、同時に閲覧可能。



そのほか、紙カルテの保管や検索に要する手間も大幅に減少している。その変化について事務長の今井由紀氏は語る。
 「当院は本年度分の紙カルテを事務室の裏に、過去5年分の紙カルテを別室の保管庫に保管しています。以前は、患者様の診察のたびにカルテを探し出し、場合によっては保管庫のなかを歩き回ることも多かったのですが、最近ではそうした苦労がめっきり減りました。それ以外にも、会計時や紙カルテを保管する際の業務負担も減っていますし、電子カルテの導入効果は確実に表れています」(今井氏)。

先生と事務長のお写真
先生と事務長のお写真
130年間、地域の医療を支え続けてきた桜木記念病院の「これから」を支えるツールとして、HOPE LifeMark-SX 病院版が大きな役割を果す。

医療法人 桜木記念病院 内科医長 志田 幸太一 氏
医療法人 桜木記念病院 事務長 今井 由紀 氏

製品への評価

過不足ない機能が職員たちへの定着を加速。今後は全部門への導入を進める

 今後、桜木記念病院では電子カルテのさらなる展開を目指す。当初、一部の部門に限定して導入したHOPE LifeMark-SX 病院版だったが、当初の想定以上の効果が表れていることから、今後は他部門への導入も進めていく方針だ。
 今回の導入を振り返って、志田氏は「導入前に感じていた不安のほとんどは杞憂でした」と話す。事前に予想していた以上に職員間へのシステムの定着はスムーズだったという。
 「デジタル化に対する忌避感や戸惑いは確かにありましたが、システムを利用するうちに職員たちはすんなり操作方法に習熟していきました。HOPE LifeMark-SX 病院版は機能も過不足なく、操作も覚えやすいのだと思います。電子カルテ導入の第一歩としては非常に優れた製品ではないでしょうか」(志田氏)。
 130年以上の歴史を誇る桜木記念病院。明治、大正、昭和、平成、令和と地域の医療を支え続けてきた同病院の「これから」を支えるツールとして、HOPE LifeMark-SX 病院版が大きな役割を果たしている。

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