原田皮フ科クリニック 様

クリニック内を占領していた膨大な紙カルテ
の削減に成功
電子カルテの直感的な操作性により、医師・職員
ともにスムーズな運用開始ならびに残業削減へ

大阪府大阪市に所在する原田皮フ科クリニック(以下、原田皮フ科)は、レセプトコンピュータの更新をきっかけにHOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルを導入し、先代院長の時代から続く紙カルテの業務体制を刷新した。これにより、同クリニックでは医師の残業時間が低減されたほか、以前は受付や倉庫内を占領していた紙カルテの削減も進んだ。この成果に手応えを得た同クリニックは、紙カルテの削減をさらに進め、紙やボールペンを用いたアナログな業務体制からの脱却を図っている。

課題

  • 費用などがネックになり、電子カルテへの移行が困難
  • 1万枚以上の紙カルテがクリニック内のスペースを占領
  • アナログな業務が医師、職員双方の業務負担に

効果

  • 安価な価格が後押しし、電子カルテの導入が実現
  • 紙カルテが削減され、受付などのスペースに余裕が生まれた
  • 医師の残業時間が毎日1時間削減されるなど、業務削減が実現
原田皮フ科クリニック様の外観

施設外観

原田皮フ科クリニック 様
所在地:〒546-0023 大阪府大阪市東住吉区矢田2丁目9-14 アセンドプラザ3階
標榜科目:皮膚科
原田皮フ科クリニックは大阪府大阪市に所在する診療所。大阪府大阪市北区において現院長の実父が開業。約15年前に現住所に移転し、地域の皮膚科クリニックとして大規模病院などへの医療の橋渡し役を担っている。

背景・課題

先代院長の時代から続く紙カルテの体制が課題。電子カルテ導入を検討するも価格がネックに

 大阪湾に流れ込む一級河川・大和川から北に約1km、近畿日本鉄道南大阪線の矢田駅のほど近くに原田皮フ科は位置する。同クリニックがある大阪市東住吉区は、面積の約90%を住宅が占める地域。周辺には戸建住宅やアパート・マンションが軒を連ね、ファミリーや高齢者、学生など幅広い層が居住している。そうした地域における「皮膚科のかかりつけ医」として同クリニックは活動を続けてきた。
 原田正氏は原田皮フ科の2代目院長。実父である初代院長からクリニックを継承し、唯一の医師として現場を切り盛りしている。パート職員は6名雇用しているが、「急な欠勤や欠員が出ると診察に支障が出てしまう」との理由から、レセプト業務などは自身でも担当する。まさに同クリニックの屋台骨を支える存在だ。しかし、そうした業務のあり方は原田氏にとって少なくない負担になっていた。特にネックになっていたのが、初代院長の時代から続く紙カルテの運用だった。紙カルテにまつわる課題について原田氏は説明する。
 「以前は、紙カルテで診察結果を記録し、レセプトコンピュータでレセプトを作成していたため、非効率な作業が数多く発生していました。例えば、診察時に紙カルテに処方を書き込み、その後、同じ内容をレセプトコンピュータにも入力するといった二重入力の作業です。こうした作業は非常に煩わしく、業務負担を増やす要因になっていました。また、職員についても同様です。以前、当クリニックに保管されていた紙カルテは1万枚以上。そのなかから、受付のたびに来院者の紙カルテを探すのは少なくない負担でした。さらに、膨大な紙カルテは、クリニック内のスペースを圧迫し、職員たちの就業環境も悪化させていました。受付の背後には人の身長ほどの大きなキャビネットが設置されており、その周辺で作業するのは窮屈だったと思います」(原田氏)。
 紙カルテにまつわるさまざまな課題を抱えつつも原田氏は電子カルテの導入になかなか踏み出せずにいた。その理由の一つが価格だった。初代院長からクリニックを継承した20年ほど前から原田氏は紙カルテの運用に疑問を感じていた。しかし、当時の電子カルテは高額であり、十分な費用対効果が見込まれなかったことから、導入を保留し続けている経緯があった。

選定・導入

安価な価格に後押しされ、電子カルテの導入を決意。クラウドの特性を活かし、約2週間で導入を完了

 電子カルテの導入に二の足を踏んでいた原田氏だったが、あるとき転機が訪れる。利用していたレセプトコンピュータが更新時期を迎え、それに伴って、日頃から技術サポートを依頼していた、富士通の販売パートナーであるキヤノンITSメディカルから電子カルテの導入を提案されたのだ。提案されたのはHOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデル。診療所向けのクラウドサービスのため初期費用が低額であり、安価での導入が可能だった。さらに、ある「口コミ」が背中を押した。知人の内科医が富士通製品のユーザーであり、システムの利便性を高く評価していたのだ。こうしたなかで、原田氏は電子カルテの導入を決意する。
 とはいえ、導入にあたっては不安も多かった。特に懸念したのがシステムの定着だ。導入前の原田皮フ科にはアナログな業務が数多く残存しており、受付には電卓やメモ帳、ボールペン、ポストイットなどが常時備え付けられていた。こうした業務環境に慣れ親しんだ職員たちからシステムに対する反発が予想されたのだ。しかし、そうした懸念は導入後すぐに払拭される。当時の状況について、原田氏は振り返る。
 「予想と異なり、職員たちは積極的にシステムを利用していました。特に驚いたのが、私も把握していなかった機能を職員たちが使いこなしていたことです。その一つが付箋機能でした。以前、職員間の引き継ぎ事項は、ポストイットのメモを受付のデスクに貼り付けて共有していたのですが、現在はPCの画面上にメモを表示する付箋機能で代用しています。私が指示したのではなく、職員たちが自主的に操作を身に付けて利用していたため非常に驚きました。HOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルの画面は直感的に理解しやすく、操作も覚えやすいため、職員たちも楽しみながら操作を覚えられたのだと思います」(原田氏)。
 また、スムーズな導入も功を奏した。原田氏は日頃から技術サポートを依頼していた、富士通の販売パートナーであるキヤノンITSメディカルの協力を得ながら1週間ほどでシステムの導入を完了。さらに、1週間の伴走期間を経て、計2週間ほどでシステムをオンボーディングさせることができた。クラウド製品の特徴を活かしたスピーディーな導入が、原田皮フ科へのシステムの定着をさらに後押しすることになった。

活用・効果

電子カルテの移行で1時間/日の残業が削減。医療費の計算など受付業務も大幅に効率化

 現在、原田皮フ科ではHOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルを活用した業務体制が確立されている。具体的には、従来の紙カルテが電子カルテに移行され、レセプトの二重入力などが省略されるなど、業務の効率化が大幅に進んだ。
 「以前は来院者の待ち時間を減らすため、紙カルテを診療終了後にまとめて記載しており、それに1時間程度の時間を割いていました。HOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルを導入した現在ではそうした残業はほぼ不要になり、とても助かっています」と原田氏は話す。
さらに、受付業務でもHOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルが活用されるようになった。原田氏は、その効果に手応えを感じていると話す。
 「HOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルの導入により、職員たちは紙カルテを探すために、クリニック内を行き来する必要がなくなりました。また以前は、私が作成したレセプトをもとに受付の職員が電卓で医療費を計算していたのですが、現在は私がレセプトを入力すれば受付に設置したPCに医療費が自動的に表示されます。これによる負担軽減の効果は少なくありません。来院者の年齢によって保険点数の算定要件や医療費の自己負担割合は異なりますし、これらの条件を確認しながら電卓で支払い額を計算するのは煩わしい作業です。そうした業務を削減できたのは大きな成果でした」(原田氏)。
 導入の効果はそれだけに留まらない。職場環境にも変化が現れている。前述の付箋機能などの活用により、受付のデスクに貼り付けられていたポストイットやメモ帳は大幅に減った。こうした変化により、クリニック内の整理整頓が進み、すっきりとした快適な職場環境が実現している。

原田皮フ科クリニック様_先生
5年後を見据えた、より快適な職場環境へ。
電子カルテの活用を進め、紙カルテを削減することで働きやすい環境を実現していきたいですね。

原田皮フ科クリニック 原田 正 氏

製品への評価

5年後を見据え、紙カルテの大幅削減を目指す。電子カルテの活用を進め、より快適な職場を実現したい

 今後、原田皮フ科はHOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルの活用を進め、保管している紙カルテを削減していく方針だ。
 「カルテの保存期間は5年間なので、まだそれほど成果は出ていませんが、このままHOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルを利用し続ければ、クリニック内の紙カルテはほとんど削減できると見込んでいます。直近では、受付の背後に設置しているキャビネットを廃棄することが目標です。そうすればクリニック内のスペースに余裕が生まれ、より働きやすい環境が実現すると思います」(原田氏)。
 小規模なクリニックの場合、保管場所には限りがある。紙カルテの増大は貴重なスペースを埋め尽くし、思いもよらないコストを生む要因にもなるだろう。そうした課題を抱えるクリニックにとって、原田皮フ科の取り組みは大きな参考になるに違いない。

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