一般社団法人 富田林医師会 村田医院 様
医院継承を見据え、紙カルテの電子化に挑戦
クラウド製品の利点を活かし、スムーズな導入と医師の働き方改革を実現
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大阪府富田林市に所在する一般社団法人富田林医師会村田医院(以下、村田医院)は、医院継承の懸念材料であった紙カルテから脱却するためHOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルを導入。1ヶ月ほどの短期間で導入を完了し、電子カルテを用いた業務体制を構築した。これにより、同医院では過去の診療情報などを引き継ぎやすい体制が築かれたほか、場所や時間を選ばずに業務を行えるようになるなど、医師の働き方改革を推進している。
課題
- 長年利用してきた紙カルテが医院継承の懸念材料に
- 紙カルテの付随業務が医師の体力的な負担に
- 再来院時の紙カルテの検索に多くの時間を浪費
効果
- 短期間で電子カルテを導入し、医院継承の懸念を払拭
- 電子カルテでの情報管理により、毎年の紙でのサマリー作成が不要に
- 優れたUIで診療情報を即座に検索・確認可能に
施設外観
背景・課題
医院継承を目の前に紙カルテの課題が表面化。地域医療の拠点を守るためにも電子カルテの導入が求められた
大阪の中心地から南に約20km、南海電鉄「大阪狭山市駅」のほど近くに村田医院は所在する。周辺には『日本書紀』にも記述のある日本最古のため池「狭山池」が位置し、古来からの暮らしの面影が残る土地だ。戦後には隣接する金剛地区でニュータウン開発が進み、大阪大都市圏を支えるベッドタウンとしての機能を果たした。1970年代半ばに開院した村田医院は、そうした地域の人々の健康と医療を約50年にわたって守り続けてきた。
現在の院長は村田貴史氏。2005年に先代院長である実母の跡を継いだ。以来、20年ほど同医院唯一の医師として、日々の診療活動にあたっている。実子も医師であり、地域における医療拠点を守るためにも、今後は医院継承を見据えているという。しかし、医院継承にはいくつかの懸念材料があった。その一つが、長年にわたって利用し続けてきた紙カルテだった。紙カルテにまつわる懸念について、村田氏は説明する。
「インターネットのセキュリティへの懸念から、当院はインターネットの回線を敷かず、紙カルテを長年使い続けてきました。紙カルテは使い慣れていましたし、電子カルテの必要性を感じていなかったのが正直なところです。しかし、医院継承を考えるようになってからは、その状況に危うさを感じるようになりました。過去の紙カルテには走り書きで記載したものも多く、私以外が判読できるかは疑問でした。特に、当院には長年通院している地域の患者さんが多く、5年前や10年前のカルテを閲覧することもあります。医院継承を行うのであれば、診療情報を引き継ぎやすい体制が必須でした」(村田氏)。
実際に、村田医院の院内には膨大な量の紙カルテが保管されている。診療前には事務職員が過去の紙カルテを検索し村田氏に手渡していたが、この作業に要する時間や手間は決して少なくなかった。
また、紙カルテは村田氏の業務負担にも繋がっていた。膨大な紙カルテを管理するため、村田氏は年1回患者サマリーを作成していたが、煩雑な作業には頭を抱えることも多かった。さらに、紙カルテにまつわる業務は院内でしか行えないため、休日に医院に出向いて残務を処理することもあった。村田氏は「私も年齢を重ねているので、仕事の負担はできる限り減らしたいと思っています」と話す。業務の持続性を確保するためにも、紙カルテからの脱却が必要不可欠だった。
選定・導入
オンライン資格確認の導入に併せて、電子カルテへの移行を決意。導入の決め手は「互換性」と「クラウド」
紙カルテに関連する課題に頭を悩ますなかで、村田氏はある出来事をきっかけに電子カルテへの移行を決める。オンライン資格確認システムの導入だ。従来、紙カルテの利用を続けていたのは医療情報の漏えいを防ぐためだったが、オンライン資格確認システムの導入にあたってはインターネット環境の整備が避けられない。そのため、村田氏は高度なセキュリティ対策を施したインターネット回線を引き、オンライン資格確認システムとともに電子カルテを導入することに決めた。
そして、その際に選定されたのがHOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルだった。選定の理由について、村田氏は二つのポイントを挙げる。一つは「レセコンとの互換性の高さ」、二つ目は「クラウド」だ。
「このシステムを選んだ理由としては、富士通のレセコンを以前から利用していたのが大きかったです。当初からレセコンとの連携は想定していたので、互換性の高い富士通の製品を選ぶべきだと考えました。また、操作性も共通した部分が多く、導入時の混乱を抑えられそうな点も魅力でした。さらに、重要なのが、クラウド製品である点。クラウド製品であれば、自宅など離れた場所からも電子カルテを操作できますし、システムのアップデートも自動的に行われます。これらが実現すれば、大きな業務負担の軽減が期待できました」(村田氏)。
2023年夏ころ、村田氏はHOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルを選定し、導入に向けて動き出した。インフルエンザの予防接種や健診などの予約が重なって多忙期となる10月までの運用開始を目指し、導入はスピーディーに進められた。日頃から技術サポートを依頼していた、富士通の販売パートナーであるキヤノンITSメディカルの支援を受けながら、システムの構築や操作のハンズオンを実施。その結果、導入開始から1ヶ月ほどで電子カルテは運用開始に至る。クラウド製品であるHOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルの利点が活かされ、短期間での導入が実現している。さらに、2023年にグッドデザイン賞も受賞した、洗練されたUIにより、電子カルテを初めて導入したにもかかわらず、操作にはスムーズに習熟することができた。
活用・効果
充実した機能が業務効率化を後押し。紙でのサマリー作成も不要になり、医師の働き方改革が実現
現在、村田医院では紙カルテの作成が廃止され、すべての診療に電子カルテが用いられている。従来は、村田氏が紙カルテに診療結果を記載したのち、診療室に置いたレセコンに処方薬などを入力。その内容が受付端末に連携され、事務職員が処方せん作成や会計事務を行っていた。しかし、現在では、診療結果や処方薬を電子カルテに入力することで、その内容が自動的に受付端末に連携される。カルテ作成とレセコンが一体化されることで、院内スタッフとのタイムリーな情報連携が可能となり、作業時間が大幅に削減された。村田氏は、こうした変化を好意的に受け止めているという。
「慣れ親しんだ業務の流れを変えることで手間が増えることを懸念していたのですが、実際にはそうしたことは一切ありませんでした。機能も充実していて『こんなこともできるのか』と驚くこともしばしばです。例えば、シェーマはとても充実していて、紙カルテよりも簡単に記載できます。以前は、シェーマのスタンプを紙カルテに押す作業が煩わしかったのですが、現在は画面内から選択してタッチペンで症状を書き込むだけです。電子カルテの利用は今回が初めてだったのですが、医師の診察の流れや診察時に行うことをよくわかっている設計で、画面や操作に迷うようなことはほとんどありませんでした。当院のような電子カルテを利用したことがない医院でも、導入しやすいシステムなのではないでしょうか」(村田氏)。
電子カルテの導入により、村田氏の働き方にはいくつかの変化が現れている。その一つが、場所や時間を選ばずに業務を行えるようになったことだ。HOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルは、ノートPCやタブレッドなどの携帯端末からシステムを閲覧できる。そのため、従来のように医院に出向かずに自宅から残務処理などが可能になった。また、即座に過去の診療情報を検索できるため、年1回行っていたサマリーの作成も2023年度から取り止めた。村田氏は「業務は目に見えて楽になっていますね。体力的な負担も減っています」と導入の成果を満足気に語った。医師の働き方改革が取り沙汰される昨今、HOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルは業務負担の軽減に着実に成果を出していた。
自院の存続を望むのであれば業務のデジタル化は必須
です。医院継承を検討している診療所の方には、
まず電子カルテの導入をおすすめしたいですね。
一般社団法人富田林医師会村田医院 院長 村田 貴史 氏
製品への評価
地域の診療所が存続するためにはデジタル化が必須。電子カルテを導入し、円滑な医院継承を
さらに、村田氏は医院継承に向けた体制を構築できたことに手応えを感じていると話す。そのうえで、今後、地域の診療所が存続していくには、デジタル化は避けて通れないと語った。
「後継者の不在やデジタル化への対応などを理由に閉院を選択する診療所が増えています。それも選択肢の一つではあると思いますが、存続を望むのであれば業務のデジタル化は必須です。特に、電子カルテは診療情報を蓄積することでより利便性が高まります。その意味では、導入は早ければ早いほど効果が大きいといえるでしょう。医院継承を検討している診療所の方には、まず電子カルテの導入をおすすめしたいですね」(村田氏)。
医院継承にあたって、過去の診療情報をいかに引き継ぐかは重要なポイントだ。本事例では、村田医院を次世代に繋ぐ重要な役割をHOPE LifeMark-SX Cloud エントリーモデルが担うことになった。
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