医療法人 神吉産婦人科 様

HOPE LifeMark-SXを導入し、「脱・紙カルテ」を達成

妊婦健診記録等の業務を電子化する支援システムfカルテットLightとの連携で、カルテ作成業務の大幅な効率化にも成功

外観写真

紙カルテの利用による業務効率の低下を課題としていた、大阪市旭区の医療法人神吉産婦人科(以下、神吉産婦人科)は、富士通Japanの電子カルテシステム 「HOPE LifeMark-SX」 を導入し、「脱・紙カルテ」を推進。紙カルテの保管や取り出しにかかる手間を削減し、医師、看護師ともに大幅な業務効率化を実現した。さらに、同院は妊婦健診記録など一部の業務を電子化する支援システム「fカルテットLight」も同時導入し、両システム間を連携させることで、周産期特有の業務効率化も行っている。

課題
効果
課題紙カルテの保管場所確保や取り出しによる業務効率の低下 
効果脱・紙カルテにより、取り出しなどにかかる手間を大幅削減 
課題周産期特有の業務対応にかかる負担の軽減 
効果 fカルテットLightとLifeMark-SXの連携により、周産期特有の業務効率化を実現 

導入の背景

看護師が院内を行ったり来たり…業務効率化を妨げていた紙カルテ

医療法人 神吉産婦人科
院長
神吉 一良 氏

大阪市の北東部に位置する旭区。複数の商店街が連なり、ファミリー層も多く居住する、下町情緒あふれるエリアだ。神吉産婦人科は、その旭区で25年以上に渡って、新たな命の誕生をサポートしてきた。同院は1994年、初代院長の神吉秀一氏が設立。「女性の生涯のライフサポートができるクリニック」を掲げ、産前・産後を問わない、長期的なサポートを信条としてきた。そうした姿勢に惹かれる女性は多く、口コミや紹介を通じて、鶴見区や城東区など幅広い地域から患者が訪れている。

 2021年6月、神吉産婦人科は同院として初めての電子カルテシステム「HOPE LifeMark-SX」を運用開始した。さらに、ニューウェイブ社が提供する産婦人科専用の妊婦健診記録などの業務を電子化する支援システム「fカルテットLight」を同時導入し、両システムを連携することで、周産期特有の業務の大幅な効率化を実現している。初代院長の実子であり、現院長の神吉一良氏は、HOPE LifeMark-SXを導入した理由を「時代の要請」だと話す。

 「電子カルテが普及し始めて、もう10年以上が経ちます。ちょうど10年ほど前、私はとある大学病院で勤務していたのですが、そのころにはすでに、ほとんどの大学病院で電子カルテが導入されていました。また、最近では個人病院でも電子カルテを使うのが一般的です。そうしたなか、当院では紙カルテを使い続けていたので、『いずれ電子カルテにしなくては…』という焦りはありました。ただ、どうしても踏ん切りがつかず、導入を先延ばししていたのが正直なところです」(神吉氏)。

 事実、紙カルテは業務効率を落とす要因にもなっていた。その一例が、患者からの問合せへの対応だ。アットホームな雰囲気の神吉産婦人科には、様々な患者から悩みや相談が寄せられる。その対応の際には患者のカルテが必要となるが、紙カルテの場合、そのたびに保管場所である事務室に赴き、膨大な紙カルテのなかから該当のものを探し出さなければならなかった。

 また、同院は15床を設置する三階建ての有床診療所であるため、ラウンド時にカルテが必要になると、一階の事務室までカルテを取りに戻らなければならなかった。こうした状況は、業務効率を低下させ、看護師などへの業務負担となっていた。

導入の経緯

導入における課題は「教育」。ベンダー側の熱心なサポートでシステムの定着が加速

    2020年、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本政府は各業界に補助金交付をはじめとする支援策を実施。医療機関に向けても、感染拡大防止対策に要する費用を一部補助する制度を設けた。 

神吉氏は、この制度が電子カルテシステム導入のきっかけになったと話す。紙カルテは、医師や看護師など、複数の人の手に渡るためウイルスの媒介物になり得る。「脱・紙カルテ」は新型コロナウイルスの感染対策を強化するうえでも重要だった。

 そこで、神吉氏は従来より医療事務システムの導入・サポートを担当していたキヤノンITSメディカル社の担当者にコンタクトを取り、補助金制度を活用した電子カルテシステム導入に取り掛かる。そのなかで、担当者から候補として提示されたのが HOPE LifeMark-SX だった。神吉氏は大学病院時代に富士通Japan製の電子カルテシステムを利用した経験があり、富士通Japan製品のUIに好感を抱いていた。また、神吉産婦人科ではすでに富士通Japan製の医療事務システム「HOPE SX-R」を導入していたため、患者情報など一部データは流用が可能だった。

    こうした経緯から神吉氏は HOPE LifeMark-SX を選定する。さらに、fカルテットLightを同時導入し、両システムのデータ連携も行うことにした。fカルテットLightは妊婦健診記録や超音波診断装置データの管理など、産婦人科向けの機能を豊富に備えたシステム。そのデータをHOPE LifeMark-SXに自動連携することで、二重入力の削減など、様々な業務削減効果が期待できた。

 HOPE LifeMark-SXとfカルテットLightの導入は2021年3月ごろからスタートする。看護師長の森永利美氏は、導入において、最も苦労したこととして「操作方法の教育」を挙げる。

 「当院の看護師や医療事務のスタッフで、電子カルテを使ったことがあるのはごく一部でした。そのため、当初は『本当に使えるようになるのかな…』と不安になることもありました。また、勤務はシフト制ですので、全スタッフが一堂に会する機会はほぼありません。どうすればスタッフに操作方法を定着させられるのかが、一番の悩みどころでした」(森永氏)。

 システムの導入に、神吉産婦人科では戸惑いが広がっていた。そこで、ベンダー側は打ち合わせを重ね、無理のない教育体制を構築する。富士通Japan、キヤノンITSメディカル社、ニューウェイブ社の3社が協力し、導入ロードマップを策定。全スタッフが複数回レクチャーを受けられるよう、綿密なスケジュールを組み、導入研修会を何度も実施した。こうした熱心な取り組みにより、操作方法は次第に定着していき、導入開始から約3ヶ月後にはシステムの運用開始が実現することとなった。

医療法人 神吉産婦人科
看護師長
森永 利美 氏

導入効果

システム導入で「脱・紙カルテ」が実現。医師、看護師ともに大幅な業務効率化を達成

  HOPE LifeMark-SX とfカルテットLightを同時に運用開始した神吉産婦人科は、脱・紙カルテを強力に推進していく。当初は、既存の紙カルテと併用しながらの運用だったが、システム上にデータが増えていくごとに紙カルテを閲覧する機会は減っていき、運用開始から約3ヶ月後には紙カルテを取り出すことはほぼ無くなった。こうして、同院における脱・紙カルテは実現。森永氏は「システムが定着してからは、紙カルテを探す手間が大きく削減されました」と、導入の効果を語る。

 「看護師のスタッフはノートPCでシステムを利用しています。IDを入力すれば、患者さんの情報がすぐに表示されるので、外来や電話での問合せにその場で対応できます。また、先生は内診時にタブレットでシステムを利用しており、PCのない場所でも情報を確認できるなど、様々な場面で業務の効率化が進んでいます」(森永氏)。

 他にも、HOPE LifeMark-SX とfカルテットLightの連携による効果も生まれている。fカルテットLightの特徴は、妊婦健診時のエコー画像や計測値の管理ができることだ。こうしたデータをLifeMark-SXに連携し、エコー画像や計測値をカルテに貼り付けておくことで、診療結果などを入力する手間が削減されている。神吉氏は「超音波の画像をHOPE LifeMark-SX 側のカルテに添付しておけば、赤ちゃんの状況はひと目で分かりますし、診療結果を事細かに入力する必要もありません」と話し、データ連携による効果を実感しているという。

 

今後の展望

人材確保を強化するためにも、産婦人科にはデジタルの力が必要  

神吉氏は、電子カルテの導入など、産婦人科におけるデジタル化の必要性は、今後、ますます高まっていくだろうと話す。その背景には、産婦人科医が減少し続けている現状がある。

 「実は、産婦人科の医師のなり手は年々、減少しています。妊婦さんはいつ産気を催すか分かりませんから、深夜や早朝に呼び出されることは珍しくありません。そのため、労働負荷が高く、医学生の多くが産婦人科医になるのを避ける傾向にあります。特に、お産を取り扱う産科での勤務は医師に負担が集中しやすく、人材の確保はなかなか難しいのが現状です。しかし、新たな命を紡ぐためにも産婦人科医はなくてはならない仕事です。持続的に人材を確保し、地域にお産の場所を残していくためにも、業務を効率化するデジタルの力は必要だと思います」(神吉氏)。

 神吉氏は、自身の仕事について「誰かがやらなければならない」という使命感を感じていると語る。事実、周辺の産婦人科の閉院や婦人科への移行が相次ぐなかで、神吉産婦人科は産科の機能を維持し続け、旭区で唯一お産のできる産婦人科となった。そして、現在も、地域の女性たちの悩みや心配に向き合い、新たな命の誕生をサポートし続けている。そうした重責を担う同院が、効率的かつ生産性の高い業務を実現するうえで、HOPE LifeMark-SX とfカルテットLightは大きな役割を果たすこととなった。  

集合写真 

お客様プロフィール

医療法人 神吉産婦人科 様

医長 神吉 一良 氏
住所 〒535-0022  大阪府大阪市旭区新森5丁目4-10
診療案内 産科、婦人科、各種教室
ホームページ https://www.kanki.or.jp/ 

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