神吉医院 様
電子カルテシステムをスマートデバイス上でも活用して診療時間外でも柔軟かつタイムリーな対応を実現
滋賀県草津市の神吉医院では、循環器内科を標榜し、社会的な関心が高まる睡眠時無呼吸症候群(SAS)にも早くから対応している。循環器系の疾病は症状が昼夜を問わないため、同院では診療時間外の問い合わせにも対応すべく、スマートデバイス上でも操作可能な富士通の診療所向け電子カルテシステム HOPE LifeMark-SX を導入。院長が自宅や外出先などで、患者さんから電話で問い合わせを受けた場合でも、携帯するタブレットを通じてカルテを参照しながらのきめ細かな対応を可能にしている。
- 課題診療時間外の問い合わせにも的確に対応したい
- 効果外出先での患者さんからの電話にも、スマートデバイスでカルテを参照しながらの対応が可能に
- 課題診察室以外でのカルテ入力を可能にしたい
- 効果外出先はもちろん、感染症の患者さんの別室での診療時などでも、スマートデバイスからの入力が可能に
- 課題患者さんの待ち時間削減のため診療効率を高めたい
- 効果最新システムへの更新で電子カルテの検索速度が向上し、患者さん一人あたりの診療時間が短縮
導入の背景
患者さんとの緊密なコミュニケーションを目指して医療のICT化に注力
神吉医院は2007年5月、神吉 豊 氏によって滋賀県草津市に開院した。2014年4月に神吉氏が亡くなられた後は、大学時代の同級生である辻村 吉紀 氏が2代目院長に就任。神吉氏の遺志を受け継ぎ、「患者さんとの心のふれあいを大切に」をモットーに、患者目線に立った医療を続けている。
同院は内科・循環器内科を標榜し、睡眠時無呼吸症候群(SAS)にも対応する、地域では数少ない診療所だ。SASは、健康リスクはもちろん日中の眠気による事故リスクも高いが、自覚症状が少なく、潜在的な患者数は非常に多いと言われている。「SASを改善するには、日常の生活習慣で心がけるべきことが多く、患者さんが自己判断で治療を中断してしまわないためにも、医師と患者さんとの密接なコミュニケーションが求められます。そこで当院は、前院長の時代からICT化を積極的に推進。患者さんにメールで医療情報の発信やアドバイス、相談対応などを行うメールサービスを展開してきました」と辻村氏は語る。
また、患者さんとの対話を深めつつ診療効率の向上を図るため、電子カルテシステムを導入。「前院長が病に倒れた後、私が短期間で引き継ぐことができたのも、患者さんのデータが電子カルテとして蓄積されていたからこそ。紙カルテではこうはいかなかったでしょう」と辻村氏は振り返る。
導入の経緯
使い慣れた電子カルテシステムに勝るものはない
同院が開設当初から導入していたのが、富士通の診療所向け電子カルテシステムHOPE EGMAIN-CX。2012年には後継システムであるHOPE EGMAIN-RXに切り替え、辻村氏が院長を引き継いでからも継続使用していた。その後、Windows7のサポート終了を控えた2018年、辻村氏は消費税引き上げ前に電子カルテシステムの刷新を決意した。
「当初は他社製品も考慮に入れて検討しましたが、結果として富士通製品を継続することにしたのは、やはり使い慣れたシステムに勝るものはないと考えたためです。というのも、以前に勤務していた総合病院で電子カルテを他メーカーに切り替えたことがあり、操作方法が変わったため医師や医療スタッフが慣れるまで苦労した経験があったのです」と辻村氏は機種選定の経緯を語る。
電子カルテシステム選定の決め手は、スマートデバイスでの対応
日頃から技術サポートを依頼していた、富士通の販売パートナーであるキヤノンITSメディカルに相談した結果、辻村氏が選択したのは、富士通の診療所向け電子カルテシステムの新鋭機種、HOPE LifeMark-SX だった。導入の決め手となったのは、診察室のPCだけでなく、タブレットなどスマートデバイスでも電子カルテの参照や書き込みができること。その背景には、循環器系内科ならではの事情があったという。
「狭心症や心筋梗塞など循環器系疾患は、いつ異常が生じるか分からないため、要注意の患者さんには携帯電話の番号を伝え、診療時間外でも電話するよう伝えています。実際、月に数度は自宅や移動中、学会出席中などに患者さんやご家族から電話を受けることもありますが、出先のためカルテを確認できず、はがゆい思いをすることもありました。HOPE LifeMark-SX であれば、常に携帯しているタブレットを通じて電子カルテを参照でき、より適切な対応が可能になると考えたのです」と辻村氏は説明する。
導入効果
自宅や外出先などでも電子カルテを参照しながらの対応が可能に
「タブレットでの電子カルテの操作は初めてでしたが、直感的に操作できるので使いやすく、一度使用法を教わるだけで問題なく使用できました」と辻村氏は導入時を振り返る。
その導入成果については「期待していた以上のものがあった」という。「自宅などでも患者さんのカルテを確認でき、過去の治療経緯や検査データなどを参照しながら、より適切な対応ができるようになりました。また、診療時間外に電話してくる患者さんは、突然の事態に慌てていることが多く、症状などを順序だてて説明するのは難しいもの。電子カルテの情報を踏まえて対応することで、状況をよりスピーディーかつ的確に把握できるのは、非常にありがたいですね」
タブレットでのカルテ参照に慣れるにつれて、その活用範囲はさらに広がっているという。「最近では、診療時間外だけでなく、院内でもタブレットを活用しています。感染症が疑われる患者さんを隔離された別室で治療することがありますが、PCは診察室にあるので、電子カルテの参照や書き込みができません。やむを得ずカルテを出力してメモ書きし、後ほど改めて入力し直す手間がかかっていましたが、こうした際にもタブレットを活用することで効率化できました」
HOPE LifeMark-SX への高評価は、スマートデバイスへの対応だけではない。「電子カルテシステムそのものの性能も大きく向上しています。特に実感するのは検索スピードの速さで、おかげで診療効率が高まり、患者さんの待ち時間短縮にもつながっています。また、多くの患者さんのデータを条件別で検索・分析するといった機能も充実しているので、早く使いこなせるようになりたいですね」と辻村氏は確かな手応えを感じている。
今後の展望
スマートデバイスのさらなる活用拡大と、電子カルテの普及拡大を期待
「電子カルテをタブレットでも参照できる利便性は想像していた以上で、今では24時間365日、手放せない存在になっています。とはいえ、やはりPCに比べるとタブレット上でできることは限られているので、例えば検索機能や文章作成機能の充実など、今後の機能拡充に期待しています」と辻村氏はさらなる進化への期待を語る。
こうしたニーズは自身の要望であると同時に、日本の医療現場の現状を踏まえたものでもある。「私も含め、高齢の医師は診療所での時間をできるだけ減らしたいもの。スマートデバイスの機能を拡大して、自宅でもできることを増やしていけば、社会的な課題となっている医療現場のテレワークも推進されるのではないでしょうか」
最後に、辻村氏は電子カルテのさらなる普及への想いを語ってくれた。「私以上の世代だと、まだ紙カルテにこだわっている医師も少なくありませんが、次世代を担う若い医師は電子カルテが基本。当院のように世代交代を迎えた際に、これまでの患者さんのデータをスムーズに診療に活用するためにも、電子カルテは必須だと考えています。富士通さんやキヤノンITSメディカルさんには、ぜひ、医療現場へのICTの普及拡大に取り組んでほしいですね」
地域の“かかりつけ医”である診療所が、将来にわたって使命を果たし続けるためには、電子カルテをはじめとしたICT化が欠かせない。医療現場からのニーズに耳を傾けながら、富士通はこれからも HOPE LifeMark-SX の機能向上と、普及拡大に努めていく。
お客様プロフィール
神吉医院 様
院長 | 辻村 吉紀 氏 |
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開業 | 2007年5月 |
住所 | 〒525-0032 滋賀県草津市大路2-10-7 |
診療案内 | 内科・循環器内科、心臓、血管ならびに肺手術後の管理、血管(動脈・静脈)疾患の診療、睡眠時無呼吸症候群の診断と治療、市民健診などに注力 |
ホームページ | http://kanki-clinic.com/ |
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