セキュリティやサポート力を評価し「CoursePower」を全学に導入 授業の効率化や学修時間の増加、教育の質の保証につなげていく
学校法人常翔学園 広島国際大学 様 導入事例
医療系総合大学の広島国際大学様は、富士通の大学教務事務パッケージ「FUJITSU 文教ソリューション Campusmate-J」の更新と合わせ、セキュリティやサポート力などを評価し「FUJITSU 文教ソリューション CoursePower」を全学に導入しました。
総合教育センターICT活用教育推進部門を設置しLMSの利用拡大に取り組んでおり、学生の学修時間の増加を図っています。また教員は、授業の効率化はもとより教材参照などの情報から学生の学修姿勢を把握し指導の参考にしています。資料配付やレポート、テストなどで多く利用されており、国家試験対策やグループワーク授業などへの利用も検討中です。
[ 2015年03月30日掲載 ]
業種: | 文教 |
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ソリューション: | 大学向け授業支援システム「FUJITSU 文教ソリューション CoursePower」 |
総合教育センター ICT活用教育推進部門長 兼 保健医療学部 診療放射線学科 准教授
向田 一郎 氏
「今後の展望としてはユーザーを確実に増やし学生の学修時間を増加させ、教育の質の保証につなげていくのが第一です。国家試験対策として『CoursePower』に問題などをアップロードしているのですが、より活用してもらうために高学年の学生を対象に研修会も開催する予定です。またチーム医療をテーマにした専門職連携教育(IPE; InterProfessional Education)におけるコミュニケーションツールとしての利用も検討しています」
1 | 学生の学修時間の増加を図りたい | → | 「CoursePower」を利用することで教材参照やテスト、レポート提出など授業時間外で学生が学修するための時間と場所の選択肢が拡大 |
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2 | 授業の効率化を図り授業時間をより有効に活用したい | → | 「CoursePower」を利用しPDFによる資料配付や、事前に資料を配付し予習を前提とした授業を行うことで、知識の定着率が向上し、より実践的な内容に授業時間を活用することが可能に |
3 | 大学教務事務システムとLMSをスムーズに連携したい | → | 富士通の大学教務事務パッケージ「Campusmate-J」と「CoursePower」の連携により学生情報、講義情報などの更新も容易に行え、LMSの運用の効率化を実現 |
導入の背景
LMSの全学導入ではコストに加え、利用を促進していく運用面が課題に
少子高齢化が進む中、重要性が一層高まる健康・医療・福祉分野で活躍する専門職業人の育成に力を注ぐ広島国際大学様。1998年設立以来、健康・医療・福祉領域における学びの分野を広げ、医療系総合大学として成長を続けています。 同大学では、専門的な教育はもとより実際に現場で使われているものと同様の設備を用いた実習・演習や課外での実習を重視しています。
現場での実践力を養ううえで大切なのが自ら考え学修し課題を解決できる力です。同大学では学生が能動的に学修するアクティブラーニングの促進や学修時間の確保のためにICTを活用しておりLMS(Learning Management System、授業支援システム)の利用拡大を推進しています。
「LMSは2008年頃より一部の教員が独自にツールを導入したりUPO-NET(オンライン学習大学ネットワーク、放送大学運営)に参加したりしていましたが、全学的な導入には至りませんでした。LMSの全学導入ではコストやセキュリティに加え、情報センターに教育部門がないことから、どうLMSの活用を促進し運用していくかといった課題を解決する必要がありました」と、情報センター室長の児玉隆弥氏は話します。
導入のポイント
「Campusmate-J」との連携、セキュリティやサポート力を評価
LMSの全学導入に向けて大きく動き出したのは、同大学の事務システムを担っている富士通の大学教務事務パッケージ「Campusmate-J」の更新がきっかけとなりました。「LMSを単独で導入するのはコスト面で困難でしたが、『Campusmate-J』を支える仮想基盤上に富士通のLMS『CoursePower』をのせることで初期導入コストを大幅に抑制できることがわかり、予算面での課題はクリアできました」と児玉氏は話します。
同大学の「CoursePower」導入の決断はコストの観点だけではありませんでした。履修情報、学生情報、講義情報など「Campusmate-J」との連携によるLMSの運用の効率化もポイントになりました。また他大学での導入実績はもとより、学外からのアクセスに対応できるセキュリティの担保やサポート力も高く評価しました。
同大学では2013年度後期から「CoursePower」のテスト運用を実施。2014年3月、全教員向けに希望者を募り研修会を開催し2014年4月から本格的な運用を開始しました。教員向けの研修会は情報センターのセンター員に任命した2名の教員(後出の宮﨑氏、出木原氏)を講師とし定期的に開催しており全教員312名のうち約20%が参加。講師は教員の視点からセンターの一員としてLMSの利用拡大をサポートする役割を担っています。また学生に対しては1年次の情報処理教育の必修授業でLMSの使い方を指導しています。2014年度前期には同大学の教育活動の向上を推進する総合教育センター内にLMSの利用拡大を組織的に推進するためにICT活用教育推進部門を設置しました。
「LMSの利用拡大のためにはLMSを率先して教育の現場で活用し他の教員をサポートできる人材が必要です。ICT活用教育推進部門は私のほかに、センター員として活動している2名の教員(前述)に兼任としてご協力いただいています」と、ICT活用教育推進部門長を務める、保健医療学部診療放射線学科准教授の向田一郎氏は話します。
利用状況
資料配付が多く、レポート教材、テスト、アンケートに利用
同大学は「CoursePower」の利用状況について2014年4月から12月までの実績データの分析を行っています。利用者数は延べ2,567人、ログイン数は1日平均約371回、ログイン時間は1日平均約4,273分、教材参照数は1日平均約567回となっており、利用は堅調に拡大しています。このような状況を受け、同大学では2014年10月に導入当初の300CAL(Client Access License)から600CALに増強を行いました。
さらに月別、曜日別、時間別の利用者数のデータから「夏休みの期間中や土曜日・日曜日、そして深夜にもログインして教材参照などに学生が利用しており、学生の学修時間の増大につながっていることがわかりました。また学生に対する『CoursePower』の使いやすさなどのアンケート結果でもほとんどが高得点でした」と向田氏は話します。
「CoursePower」の機能別登録講義数の実績データから教員の利用シーンを分析すると、最も多いのが資料配付で、レポート教材、テスト、アンケートと続きます。「CoursePower」を利用している講義数は掲示板のみ使用するケースも含めて講義数全体の約22%。教員利用率も全教員数の約23%で、これは研修会に参加した人数とほぼ一致しています。
導入の効果と将来の展望
PDFによる資料配付で授業を効率化。グループワーク授業での利用も検討
提出したレポートを学生も教員も容易に管理
「CoursePower」の利用シーンや効果について「紙では資料枚数が多いときに配るのは大変ですが、「CoursePower」を使ってPDFで配付すれば時間もかからず授業の効率化が図れます。また授業の前に資料を配付し学生が予習してあることを前提に授業を行うことでより実践的な内容に授業時間を使うことができます。授業終了後の理解度確認テストや知識定着を図る繰り返しテストでも多く利用されています」と、ICT活用教育推進部門のスタッフとして活動する心理科学部臨床心理学科講師の宮﨑龍二氏は話します。
「CoursePower」の利用により学生はいつでもどこからでもレポートの提出が行え、教員もレポートを回収する手間から解放されます。また学生は自分が提出したレポートのリストや出席状況などを確認できるため自己管理がしやすくなります。「実際、レポート提出の締め切りを守るようになったという教員の声もお聞きしています。また教員も学生一人ひとりの学習の進捗度合いをタイムリーに把握できます」(宮﨑氏)。
学生の学修姿勢を把握し指導の参考に
「学内の動画配信サーバに教材用の動画を登録し『CoursePower』とリンクすることで、どの学生が何回参照したかまで把握できます。これまで見ることのできなかった学生の学修姿勢もわかるようになり指導のための参考材料が増えます」と、ICT活用教育推進部門のスタッフとして活動する工学部情報通信学科講師の出木原裕順氏は話します。
今後の「CoursePower」の利用について出木原氏は「学生が提出したレポートに関して学生同士で情報を共有できる『CoursePower』の機能を、グループワークのアクティブラーニングの授業で活用したいと考えています。また複数の教員が1つの授業を行う場合、「CoursePower」で共通の問題を準備しておくことで教育の質の保証にもつながるなど、2016年度のカリキュラムの改定に合わせて『CoursePower』を活用した新しい授業モデルを創造していくことも必要です。また採点した紙のプリントをスキャナで取り込んで『CoursePower』に登録して学生に配付していくといった使い方も検討中です」(出木原氏)。
学生の学修時間を増加させ教育の質の保証につなげていく
今後の展望についてICTインフラの側面から「これからは『CoursePower』などを利用しスマートフォンやタブレットを使って一般教室や授業時間外でどのようにICT活用教育を実現していくかが重要なテーマとなります」と児玉氏は話します。
「CoursePower」の展開について向田氏は「ユーザーを確実に増やし学生の学修時間を増加させ、教育の質の保証につなげていくのが第一です。国家試験対策として『CoursePower』に問題などをアップロードしているのですが、より一層活用してもらうために高学年の学生を対象に研修会も開催する予定です。またチーム医療をテーマにした専門職連携教育(IPE)におけるコミュニケーションツールとしての活用も検討しています」と話します。
富士通は学生が自主的に学べる環境の実現や授業外の学修時間の増加、教育の質の保証など大学が取り組む様々なテーマに対し先進技術と総合力を駆使し支援していきます。
所在地 |
東広島キャンパス
呉キャンパス
広島キャンパス
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代表者 | 学長 秋山 實利 |
創立 | 1922年 |
大学設置 | 1998年 |
設置者 | 学校法人常翔学園 |
教員数 | 312人(2014年5月1日現在) |
学生数 | 4,699人(2014年5月1日現在) |
概要 |
「いのちのそばに。ひととともに。」
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ホームページ | 学校法人常翔学園 広島国際大学様 ホームページ |
【ご紹介した製品】
【導入事例(PDF版)】
- 導入事例 学校法人常翔学園 広島国際大学様 (952KB / A4・2ページ)
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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