株式会社アサツー ディ・ケイ 様
データセンター内で基幹系サーバとクラウドのハイブリッド環境を構築
ICTインフラを革新するために、虎ノ門ヒルズ(2014年6月)の本社移転に先駆けてこれまで本社屋内で運用管理していた情報システムを富士通データセンターに移設。また、同データセンターに構築したクラウド(IaaS)環境に一部主要システムを移管した。富士通サービスマネージャーの統括のもと新たな運用体制を整え、運用の改善に継続的に取り組んでいる。
導入事例概要
お客様の業種: | 広告コミュニケーション |
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導入サービス: | データセンターアウトソーシングサービス |
選んだ理由: | 信頼性に優れるデータセンター、充実したクラウドサービスとともに、運用においても継続的な改善、さらには改革が期待できる |
採用のポイント: |
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- 課題これまで自社内で運用管理していた基幹系サーバを中心にデータセンターに移設
- 効果国内最高水準の富士通データセンターに移設。
運用管理体制を充実するとともにBCP(事業継続計画)を強化
- 課題一部主要システムをクラウド環境に移管
- 効果富士通データセンターに構築したセキュアなクラウド環境に円滑に移管。
煩雑な管理業務から解放されて、付加価値の高いコア業務に集中
- 課題標準化、合理化など運用管理体制の変革
- 効果サービスマネージャーの統括による運用管理体制を構築し、継続的な改善を推進
今回のプロジェクトで富士通をパートナーに選択した理由としては、データセンターとIaaSを連携させた環境、移設・移管における豊富な実績とともに、運用管理に対する改善提案があげられます。今後も継続的な改善を推し進めるとともに、より高い視野に立った運用改革と戦略的な提案を期待しています
株式会社アサツー ディ・ケイ
コーポレート本部 IT業務推進局
局長
太田 雅人氏
導入の背景
ビジネスの変革とともにますます高まるICTの価値
我が国の広告業界で第3位の事業規模を誇る株式会社アサツー ディ・ケイ様。2013年、「コンシューマー・アクティベーション・カンパニー」へと変革をとげることを宣言した長期ビジョン「VISION2020」を制定し、その実現に向けて取り組んでいます。広告コミュニケーションを通して消費者に来店や購買など具体的なアクションを起こさせ(=アクティベートすること)、クライアントのビジネス成果に貢献するを目標に、従来の広告会社の枠組みにとらわれない大胆なビジネスの展開を目指しています。
その変革において大きな役割を果たしているのがICTです。同社におけるICT戦略の立案や情報システムの開発・運用・保守を担うコーポレート本部IT業務推進局の局長、太田雅人氏は次のように語ります。
「当社においてビジネスの源泉となるのは、言うまでもなく“人”です。社員一人ひとりのクリエイティブワークにおいて最大限のパフォーマンスを発揮できる環境づくりにITの力は欠かせません。また、最近ではビッグデータなど当社のお客様に提供するソリューションにおいてもITがもたらす付加価値が高まっており、その役割はますます大きくなっています」。
きっかけは虎ノ門ヒルズへの本社移転
同社では2012年、ICT戦略を強化するためにICTインフラと運用体制の刷新に着手しました。そのきっかけとなったのは、2014年6月の虎ノ門ヒルズへの本社移転計画でした。
これまで同社の主要な情報システムは、本社屋内にサーバルームに設置し運営していました。以前から運用管理体制の充実やBCP(事業継続計画)の強化の点から外部データセンターへの移管を検討していましたが、移管費用や設置コストの点から断念していました。
移転は本社屋内には多大なサーバスペースをつくらず、方針を変えてコストセーブを図る好機。ブレードサーバを活用し省スペース化を進め、今回の本社ビル移転を機に、コミュニケーション基盤などのシステムをクラウド環境へ移行し、基幹系サーバを中心に外部のデータセンターに移設する事を決定しました。
導入のポイント
決め手となったのはサービスマネージャー統括による運用改革
新しいICTインフラの構築に向けてプロジェクトが立ち上がったのは2012年12月のこと。そのキーワードとなったのは「データセンター」「クラウド(IaaS)」「運用」の3つでした。つまり、大半のサーバを信頼性の高いデータセンターに移設し、ハウジング環境と構内で連携したクラウド環境に一部システムを移管、そしてトータルな運用管理を実現しようというのがプロジェクトの目標でした。
翌2013年1月には20社を超えるベンダーに提案要請してパートナーの選定を進めました。そして数社に絞り込み、各社から幾度となく提案を受け現場視察をして、厳正な検討を重ねました。今回のプロジェクトでリーダーを務めた同社ITサービス推進チームのチームリーダー、小出泰実氏は、その選定のポイントについて次のように話します。
「免震やセキュリティ、構内接続などデータセンターとしての信頼性や機能、クラウドサービスの内容はもちろんですが、私たちが最終的に重視したのはトータルな運用改善についての提案でした」。
同社では、これまでも効率化やコスト削減をねらった運用の合理化・標準化に継続的に取り組んできました。今回のプロジェクトには、運用改善にとどまらず運用改革をさらに推し進めるという狙いもあったのです。
そして2013年4月、同社は新しいICTインフラ構築のパートナーに富士通を選びました。その決め手となったのもやはりその先を見据えた「運用改革」だったと、局長の太田氏は語ります。
「システムの移設・移管を確実に実行し、その後も継続的に管理・運用を改善していくためには、全体を責任をもって統括する経験豊富な人材が重要となります。私はベンダー各社から提案を受けるごとに“誰が責任者となるのですか?”と質問し、実際、責任者とも会って直接話を聞きました。そんなプロセスを経て、富士通が提案したサービスマネージャーを統括管理者とする運用体制と改善に向けた取り組みについて評価したのです」。
システムの概要
データセンター内で基幹系サーバとクラウドを連携させ、新しいICTインフラを構築
こうして新しいICTインフラの構築がスタートしたのは2013年5月です。運用導入計画の立案、設計などを経て同年10月から移設・移管に着手。1.日常使うインフラ系システム、2.日常使う業務系システム、3.業務含めた運用全面という3段階のステップで実施し、虎ノ門ヒルズへの本社オフィス移転のタイミングに合わせて移設・移管を完了しました。
「今回の移設では一部サーバの入れ替えも実施しています。それでもほぼスケジュールどおりに計画を進めることができました。社内ユーザーからも“本当に移したのですか?”という声があがるほど移設・移管はスムーズでした」と話すのは、プロジェクトの実務において中心的な役割を果たした同社ITサービス推進チームの川合洋士氏です。
今回のプロジェクトによって実現した同社の新ICTインフラの概要は図のとおりです。富士通データセンターにサーバを移設するとともに、同データセンター内のクラウド環境に認証基盤やインフラ基盤など一部の主要システムを移管しています。また、富士通サービスマネージャーの統括のもと、富士通LCMサービスセンターと同社サテライトオフィスに常駐するオンサイト運用チームが連携し運用管理を行う体制を整えています。
導入効果と今後の展開
煩雑な管理から解放され、付加価値の高いコア業務に集中
さて、新ICTインフラ構築の成果ですが、まず運用体制の充実があげられます。富士通が提供する24時間365日の監視サービスにより、夜間に発生した障害などに対しても速やかな対応が可能になりました。また、国内最高水準の富士通データセンターにICTインフラを移設したことによってBCPも強化されました。
また、ICTリソースをタイムリーに活用できるクラウド環境は、グループ会社向けファイルサーバの導入を速やかに完了するなど、早くもその成果があがっています。従来までサーバの調達など約3ヵ月を要していたシステムの立ち上げも、「FUJITSU Cloud IaaS Private Hosted LCP」を利用することで最短3営業日で実現することが可能になりました。
クラウドの活用について、局長の太田氏は次のように話します。「サーバのハード故障や煩わしい管理作業から解放されたことも大きなメリットだと実感しています。その結果、ICT戦略の検討など、より付加価値の高いコア業務に力を注げるようになってきました」。
新しいICTインフラの構築によって、同社の運用業務の標準化も一歩前進しました。その一方で、運用の改革については今後も継続して取り組むべき課題だと太田氏は語ります。
プロジェクトではサービスマネージャーを推進窓口に、運用改革を目指した施策に着手しています。運用体制の融合、運用業務のサービスメニュー化(サービスカタログ整備)などを推進してサービスレベルやコスト最適化を図り、戦略的ICT投資の実現を目指します。
クラウドの戦略的な活用を検討していく
新ICTインフラとともに、同社のICT戦略もさらに加速していくはずです。今後の展開と課題について太田氏は次のように語ります。
「サービスレベルの検討などいくつかクリアすべきものはありますが、クラウドについては、今後基幹システムの再開発時にも重要な選択肢になると思います。一方、業務システムやお客様に提供するソリューションにおいても利用が増え、それとともに社内ユーザーといかに連携を図るかという課題にも取り組まなければなりません。
また、クラウドを戦略的に活用していくためには、その効果やコストを“見える化”して経営層に訴求していくことも重要であると感じています。今後、富士通には、運用管理の改善ばかりでなく、より高い視点に立った戦略的な提案も期待しています」。
富士通は、今後もデータセンターアウトソーシングおよびクラウドサービスの充実に努めるとともに、運用の改善に継続して取り組み、同社のICT戦略の推進を支援してまいります。
営業からの一言
今回は、お客様の本社移転を機に「ハウジングサービス」「データセンター運用サービス」「クラウドサービス(IaaS)」をご提案し、採用いただきました。
大きなトラブルもなくデータセンターへの移設は完了しましたが、移設に伴い、改善点も明らかになってきました。
今後は、それらの課題に対して改善施策を着実に実行し、お客様の「戦略的なICT投資」を実現すべく富士通グループ全体でご支援してまいります。
株式会社アサツー ディ・ケイ 様
所在地 | 〒105-6312
東京都港区虎ノ門一丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー |
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代表取締役社長 | 植野 伸一 |
創立年 | 1956年 |
従業員数 | 連結3,330人 単体1,841人(2013年12月現在) |
事業内容 | 広告を中心としたあらゆるコミュニケーションサービスの提供 |
ホームページ | https://www.adk.jp/ |
[2015年1月20日掲載]
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