クラウドネイティブアプリケーションの基本 ~Web APIとは?~
クラウドネイティブNow

インターネットが普及し、誰もがスマートデバイスを持つようになった今日において当たり前のように利用しているウェブページやアプリケーション。これを開発する技術者にとって役に立つのがWeb APIによるサービスです。身近な例ですと、飲食店などのウェブサイトに最新の地図を表示できるGoogle Maps API、自分のブログに最新の売れ筋商品と価格を表示できるAmazon APIなどがあります。また、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアが提供するWeb APIを利用して、投稿記事とウェブページを連携させることもできます。このように、昨今のクラウドネイティブシステムでは、アプリケーションをコンテナ化してWeb APIによるインターフェイスを提供することで、様々なシステムやサービスとの連携を図っています。本ページではWeb APIとはどのようなものか?について概要を解説します。

Web APIとは?

そもそも、API(エーピーアイ)とは何でしょうか?APIとは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)」の略語です。インターフェイスは何かと何かを繋ぐものであり、皆さんの身近なものだとUSBがあります。USBはパソコンと周辺機器を繋ぐためのシリアルバス規格であり、インターフェイスの一つです。つまり、APIは「アプリケーション」と「プログラム」を繋ぐ「インターフェイス」と言えます。

従来のウェブシステムとWeb APIシステムの違い

では、Web API(ウェブ エーピーアイ)は何かというと、このAPIをウェブ上でやり取りすることを実現したものです。昨今、自治体や企業が「オープンAPI」という形で組織が持つデータや機能をAPI形式で公開しています。「APIを公開する」とは、ある働きをするソフトウェアに外部とデータなどを受け渡しするための窓口のようなものを作り、外部のアプリケーションと連携できる状態にするということです。この仕組みにより、利用者が独自に様々なAPIを組み合わせて利用することで、利用者起点での付加価値の創造や新たなサービス創出に繋がる例が出始めています。

Web APIの活用による新たな価値の創造

Web APIの動向

Web APIの活用にはさまざまな形態がありますが、代表的なものに以下のようなものがあります。

サービスマッシュアップ

複数のWeb APIを利用することで新しいサービスを生み出します。もともと「マッシュアップ」とは音楽用語で、複数の曲を重ねて再生して一つの楽曲にするという制作手法のことです。

ソーシャル活用

Facebook、Twitter、Instagramなどに代表される各種ソーシャルメディアが公開しているWeb APIを用いて、マーケティング活動やソーシャルリスニングによるリスク管理および商品開発などのビジネスプロセスに活用することができます

モバイルバックエンド(MBaaS)

MBaaS(Mobile Backend as a Service)とは、スマートフォン向けアプリケーションが必要とするサーバー側の汎用的な機能を提供するクラウドサービスです。クラウドにあるWeb APIで呼び出すだけで利用できるため、サーバー側の開発・運用が気にすることなくリッチなバックエンド機能をアプリケーションに実装できます。

クラウド基盤/開発環境

Web APIを通じて、GitHubなどのソースコード管理サービスに対してコミットやプッシュしたり、当社のデジタルアプリケーションプラットフォームである「FUJITSU Hybrid IT Service Digital Application Platform」の設定、起動、配備などを行ったりできます。

世の中のWeb API活用イメージ

デジタル・エコシステム(APIエコノミー)の広がり

そんな中、Web APIを活用したサービス提供を通して、新たなビジネス価値やマーケット創出に繋がる例が出始めています。
「デジタル・エコシステム」と呼ばれるデジタル基点で形成されるビジネスエコシステムや、Web APIを公開することで自社のサービスを利用して貰うだけでなく、さらに他社のサービスと合わせて広がっていく商圏(経済圏)である「APIエコノミー」などです。このようにWeb APIを公開することで、他のサービスがそれを利用して新しいサービスを提供でき、サービスの提供範囲拡大や新しい顧客やニーズが獲得できるといったメリットに繋がります。

コンシューマー領域における活用

既にコンシューマービジネスではWeb APIの利用が活発化しています。各業種を代表するような企業においてはWeb APIの提供は既に当たり前であり、政府も電子政府を推し進める総合窓口としてe-Gov(イーガブ)やOpen Data Japan(オープンデータジャパン)を公開しています。また、Webフロントやモバイルアプリケーションを開発する企業においても技術的な面での活用容易性からデファクト技術へと押し上げるべく積極的に公開しているところもあります。
これらによる新たなビジネス価値が創造された好例として「Fintech(フィンテック)」があります。既に多くの利用者がいるインターネットバンキングにとどまらず、お金の動きを管理してくれるマネーフォワードのようなサービスが提供されたり、LINEなどのソーシャルメディアによる残高照会など利用者視点での新たな価値が創造されており、まさにAPIエコノミーが広がっています。

エンタープライズ領域における活用

では、エンタープライズ領域での動向はどうなっているでしょうか。
当社にご相談頂くお客様では、先に述べたようにコンシューマー領域での成功例に対する期待感から活用例が増加しています。主な活用例としては企業内に散財している各種データの集約を行い、Web APIをインターフェイスとしてフロント業務システムへ解放しています。これにより社内はもとより社外での利活用を推し進めビジネススピードの向上を狙っています。

デジタル・エコシステム(APIエコノミー)

活用事例

当社SI案件での一例をご紹介します。
ある機械製造販売業様では、従来のウェブシステムによってデータや機能を画面(HTML)で提供していました。これでは情報を確認することはできても活用することはできません。そこで、Web APIによるデータ収集・利活用基盤を構築しました。
現場にある各種機械に搭載されたセンサーから各種通信回線を通して各種データをリアルタイムで収集し、MQTT Brokerを使って配信できるようにしました。MQTT(Message Queue Telemetry Transport)とは、通信プロトコルの一種で、軽量のメッセージを非同期でやり取りするためのプロトコルです。このプロトコルを利用してメッセージを送信するサーバーをMQTT Brokerと言います。
このお客様ではこれをREST APIの形式で公開することで、サービス業務を提供する部門や代理店が主体となって新しいサービスを素早く提供できるようになりました。

機械製造販売業様における活用事例

関連情報

当社が提供する「Web API管理」の詳細は下記ページをご覧ください。

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