GTM-MML4VXJ
Skip to main content

事業継続

災害時に備えて災対環境を構築したい

東日本大震災を契機に、大規模な災害が発生した際にも事業活動を継続することの重要性がより一層クローズアップされています。一昔前であれば天災による事業活動の停止は免責事項とも言えましたが、近年のBCP(事業継続計画)に対する意識の高まりとともに不測の事態にいかに備えるかということが企業には求められています。BCPに積極的に取り組むことは、お客様や取引先からの信用が増すという効果も期待できます。

ICTシステムは事業活動を行ううえで重要な役割を担っており、災害時の早期復旧を実現する手段として遠隔地にバックアップシステム(災対環境)を構築することがあげられます。物理的に離れた場所に構築することで、両系統が同時に被害を受ける可能性を極力少なくします。その一方で、災対環境という性質からシステムの稼働率が高いとはいえません。災対環境といえどもシステムの信頼性を求めることになりますが、稼働率の高くないシステムにどれくらい投資するのかという点は判断の分かれるところだと思います。

投資負担を抑える手段として、例えば開発環境と災対環境のプラットフォームを共通化するといったことが考えられます。平時は開発環境として利用し、災害時には災対環境に切り替えるといった使い方です。しかし、このやり方では使い勝手や迅速な切り替えといった面で課題が残ります。

これを解決するのが「KVM」仮想化による災対環境の構築です。

【課題】

  • 事業の継続性を考えて災対環境を構築したい
  • 開発環境などと共通化を図り初期導入コストを抑えたい
  • 災対環境といえどもシステムの信頼性は確保したい
災対環境の構築

KVMを活用して柔軟な災対環境を構築

災対環境を本稼働システムと同等の構成で構築するとなると、投資面からの負担が大きくなります。一方で災害時は平常時と同等の性能は求めずに業務の継続性を重視するということであれば、「KVM」による仮想化でハードウェアリソースを有効活用することにより、物理サーバ台数を減らして投資コストを抑制するという選択肢が出てきます。

KVMならば複数の環境を同時に立ち上げることができ、環境の起動と停止がスムーズに行えます。例えば、平時は複数の開発環境を立ち上げておき、災害時は災対環境を素早く立ち上げるといった運用が可能となります。


仮想環境に集約することで、業務負荷や利用シーンに応じた柔軟なリソース配分も可能となります。開発環境それぞれの負荷に応じて必要なリソースを配分するといった使い方です。これによりハードウェアリソースを無駄なく有効に活用できます。災害発生時は業務の継続性を優先して稼働していた開発環境を停止し、災対環境を立ち上げてすべてのリソースを災対環境に振り向けるといった運用ができるのも仮想環境だからこそといえます。

KVMを活用した災対環境の構築

仮想環境における信頼性の確保

システムを運用するからには、システムを停めない、万が一システムが停止しても迅速に復旧させるということが重要です。一方で、災対環境にどこまで高い信頼性を求めるのかという点については、対象となるシステムの重要度や投資面などの要因に左右されるため一概に決めることはできません。そのため、ここでは仮想環境における信頼性確保の方法としてどのようなものが考えられるかをあげていきます。求める信頼性のレベルに応じて必要な対策を選択します。

  1. ハードウェアの信頼性確保

    まず、あげられるのは、すべての基盤となる信頼性の高いハードウェアの採用です。Linuxが主として稼働するのはIAサーバですが、IAサーバはさまざまなサーバベンダーから提供されており、日々RAS機能の向上が図られています。富士通からもPCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY」および基幹IAサーバ「FUJITSU Server PRIMEQUEST」を提供しています。特にPRIMEQUESTは、止まらないシステムの実現へ向けて徹底したこだわりをもっています。設計や評価などにはメインフレームで培った技術やノウハウが活かされており、サーバ構成品の二重化・冗長化、ホットプラグによる活性保守交換、フレキシブルI/Oと予備のシステムボードによる自動復旧といったことに加え、部品点数20%削減、シングルポイントのさらなる減少など高信頼性・高可用性を徹底的に追求しています。こうした取り組みにより、PCサーバの1/5から1/10の業務停止率を実現(当社調べ)。また、高信頼性はもとより効率性の観点から、予備のシステムボードの通常時の活用などお客様の声を反映した細かな改善を随所で行っています。
  1. システムの冗長性確保

    次にあげられるのは、システムの冗長性確保です。例えばプラットフォーム(ハードウェア、KVM)になんらかの障害が発生した場合、KVM上で稼働しているゲストOSすべてに影響を与えてしまいます。その際、いかにして早期に復旧させるかということが鍵となりますが、そのひとつの答えがクラスタリング・ソフトウェアによるシステムの冗長化です。富士通が提供する高信頼基盤ソフトウェア「FUJITSU Software PRIMECLUSTER」は、業務継続を脅かす要因の自動検出、高速なフェイルオーバ、業務停止時間を最小限にした活性保守/増設など、高レベルな連続運転のニーズに応えます。
  1. OSの冗長性確保

    最後にあげられるのは、OSの冗長性確保です。KVM上で稼働しているゲストOSに障害が発生した場合、隣接するゲストOSには影響を与えませんが障害が発生したゲストOS上のミドルウェアやアプリケーションには影響を与えてしまいます。先に紹介したPRIMECLUSTERはゲストOS間のクラスタリングにも対応しています。同一KVM上のゲストOS間はもとより、他のKVM上で稼働するゲストOSとのクラスタリングも可能です。
仮想環境における信頼性の確保

仮想化により導入コスト、サポート費用を削減

ここでは仮想環境に集約することにより、プラットフォーム(ハードウェアおよびOS部分)のコスト面でどのような効果が期待できるのかを紹介していきます。一例として、災対環境(4台)と開発環境(2台)を物理サーバ(PRIMEQUEST×6台)で構築するケースと、両者を集約して仮想サーバ(PRIMEQUEST×2台)で構築するケースを、5年利用時の総コストで比較してみます。

仮想サーバはサーバ集約することにより必要とされる能力増強を考慮してCPU・メモリ搭載量を物理サーバの2倍としています。これによりサーバ単体の価格は仮想サーバが上回ります。一方でサーバ台数が6台から2台に削減されることによりトータルでみた初期導入コスト(ハードウェア価格)は物理サーバで構成する場合の方が高くなります。ハードウェアのサポート費用についても同様の理由から仮想サーバが安くなります。

次にOSサポート費用ですが、こちらは同等の結果となっています。これは仮想サーバのOSサポート商品を4ゲストOSまで利用可能なサポート商品としているためであり、サーバ台数減によるOSサポート本数の減少分と4ゲストサポート商品への単価アップと相殺されたためです。なお、仮想サーバで構成するケースは8ゲストOS(4ゲストサポート商品×2)まで立ち上げることができるため、環境の追加に余裕があることは付け加えておきます。

この様にサーバ集約によるサーバ台数の削減は、初期導入コストだけでなくサポート費用の削減効果も見込むことができます。

【5年利用時のプラットフォームの導入コスト、サポート費用比較(例)】

導入コスト、サポート費用の比較

最後に
重要なのは業務をいかに継続させるか、そのためにいかに投資負担を軽減して災害時に備えるかです。KVMによる仮想化はそれを解決するひとつの答えになると考えます。