地域に寄り添いICTサービスを通じて社会の発展に寄与する扶桑電通。同社は、コロナ禍の業務継続と働き方改革推進の観点から、2020年にテレワークを本格的に導入。コロナ禍後のハイブリッドワーク促進にあたり採用したのがFujitsuテレフォニーソリューション「ソフトウェアPBX」でした。内線番号の一元管理を実現し、従業員番号をキーとする内線番号を従業員1人1人に付与。どの拠点でも同じ内線番号を利用でき、人事異動時の内線番号の変更も不要に。Web電話帳により電話取次業務の効率化も実現。固定電話台数を1/3に削減しオフィスのフリーアドレス化推進にも貢献。今後、さらなる効率化に向けてインターネット内線、コールセンターとの連携などに取り組んでいきます。
課題
- 固定電話に縛られた働き方から従業員を解放したい
- 各支店/営業所の総務が行っている内線管理業務をやめたい
- 電話の取次業務を効率化したい
効果
- 固定電話、ソフトフォンで代表電話を着信し、スマートフォンでピックアップ応答。固定電話台数を従来比で1/3に削減し、フリーアドレス化推進にも貢献
- 内線番号を本社で一元管理。従業員番号に紐付けて内線番号を付与し、どの拠点でも同じ内線番号の利用が可能。人事異動時の内線番号変更が不要
- 全従業員の内線番号と携帯番号を登録したWeb電話帳により、電話の取次が簡単でスピーディーに
入社から退職まで変わることがない従業員番号に紐付けて内線番号を付与しています。人事異動の際は所属を変更するだけです。
扶桑電通株式会社 エンジニアリング本部 本部長代理 間宮 伸之 氏
時間や場所にとらわれない働き方は、育児や介護など従業員のライフステージの変化に対応し、生き生きと働き続けるための基盤となります
扶桑電通株式会社 管理本部 総務統括部 総務部 総務課
マネージャー 中込 晃 氏
扶桑電通株式会社 様
- 業種: 卸売業
- 所在地: 東京都中央区築地五丁目4番18号
- 従業員数: 954名(2023.9月末現在)
- https://www.fusodentsu.co.jp/company/outline/
導入の背景
ハイブリッドワーク促進にあたり、電話システムの課題が浮彫りに
扶桑電通の出発点は、「電話設備の分野で日本の復興に貢献したい」という創業者の志をもとに1948年に設立された扶桑通信工業です。現在ではICTパートナーとしてネットワークソリューションビジネス、SIソリューションビジネスを柱に、ファシリティサービスを含めた事業で、コンサルティングからシステムの設計・開発・施工・運用・保守までワンストップで提供する企業に成長しました。企業理念「誠心誠意 お客様のお役に立つ愛される企業」のもと、地域社会に寄り添い、ICTサービスを通じて企業や社会の課題解決に貢献しています。
全国54カ所の拠点で1,000名近い従業員が働く同社は、多様で柔軟な働き方の実現に向けて取り組んでいます。「これまでワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を目指し、働き方改革を推進してきました。ターニングポイントとなったのは、2020年10月にコロナ禍で業務を継続するためにテレワーク制度の本格導入を開始したことです」と同社 管理本部 総務統括部 総務部 総務課 マネージャー 中込晃氏は話し、こう続けます。「時間や場所にとらわれない働き方は、育児や介護など従業員のライフステージの変化に対応し、生き生きと働き続けるための基盤となります」。コロナ禍後のハイブリッドワーク促進にあたり、固定電話による代表電話の応答や、自拠点内でしか利用できない内線通話など従来型電話システムの課題が浮彫りとなりました。
導入のポイント
4つの課題解決と初期コスト、運用コストの抑制がポイントに
従来型電話システムには大きく4つの課題があったと、同社 エンジニアリング本部本部長代理 間宮伸之氏は話します。「1つ目は、固定電話がとれる場所で仕事をする必要があり、フリーアドレス化推進にあたり足かせとなっていたこと。2つ目は、各拠点でPBXやキーテレホン(ビジネスフォン)などをスタンドアロンで導入・運用しており、人事異動などによる内線番号の変更、配線工事などに工数がかかっていたこと。3つ目は、電話の取次において支店/営業所の担当者の内線番号や携帯番号を調べるのに手間と時間を要していたこと。4つ目は、モバイル端末2台持ちの煩わしさ。本社や支店/営業所ではスマートフォンと、オフィス内で利用するPHSを併用していました」。
加えて、新電話システムの選定で重視したポイントについて「4つの課題を解決できることを前提としたうえで、初期コスト、運用コストの抑制は重要なテーマでした。前者は、既存の環境や資産をできる限り生かすこと。後者は、オンプレミスのサーバを利用すること。クラウドPBXは運用負荷を軽減できますが、ランニングコストがかかります。総合的観点から、Fujitsuテレフォニーソリューション『ソフトウェアPBX』を採用しました」(間宮氏)。
「富士通のWeb電話帳との連携もポイントで、Web電話帳により全従業員の内線番号、携帯番号など電話情報の一元管理が可能に。ブラウザで、氏名などをキーに検索でき、担当者にすぐつながります。生産性やコミュニケーションスピードの向上が図れます」(中込氏)。
システムの概要
内線番号の一元管理と内線番号を従業員番号に紐付けることで総務の業務負荷を軽減
電話システムの構成については、ソフトウェアPBXのSIP(呼制御)サーバを地域分散設置し冗長化することで可用性を向上。また、IP化を徹底し、代表電話の着信先をIP電話機に入れ替えました。さらに初期コストを抑えるため、専用のゲートウェイ装置を使用せず、既存PBXを、外線(公衆回線)を受けるゲートウェイとして活用。スマートフォンと、PCにアプリをインストールするソフトフォンを組み合わせることで、PHSを廃止しました。各拠点で管理していた内線番号は、ソフトウェアPBXにより一元的に管理。「入社から退職まで変わることがない従業員番号に紐付けて内線番号を付与しています。人事異動の際は所属を変更するだけになり、拠点を跨いだ人事異動であっても内線番号を変更する必要はありません。支店/営業所や拠点の総務課は煩雑な内線管理業務から解放され、本来の業務に専念できます」(中込氏)。
働き方改革の観点で、他の拠点でも自拠点と同じ内線番号で利用できるメリットは大きいと、同社 ネットワークビジネス本部 第一販売部 第二販売課 課長 伊藤伊織氏は話します。「営業担当者や技術者は外出先で業務を行うことが多くあります。自拠点に戻るのではなく、最寄りの拠点でノートPCを使って仕事をする。内線通話ができれば自分のオフィスにいるのと変わりません」。
導入の効果と今後の展望
内線番号表が不要、Web電話帳で電話の取次が簡単でスピーディーに
2022年2月からソフトウェアPBXによる電話システムの構築を開始。「リリースから間もないことから、当社として導入実績も経験もない中で、富士通の支援のもとノウハウを蓄積しながら運用まで漕ぎ着けました」(間宮氏)。2022年10月に本社で運用を開始し、2022年11月に全国展開。導入効果で高く評価されているのが、Web電話帳による内線通話の利便性向上です。
「各支店/営業所の技術者に連絡をとりたいとき、Web電話帳を見るだけで良いので、調べる手間もかからず時間の有効活用が図れます」(同社 ネットワークビジネス本部 第二販売部 第一販売課 杉本茉由氏)。
「便利なのは内線のプレゼンスがわかるという点です。相手がオンライン(電話応答可能)であれば、電話番号をタップしてすぐにかけることもできます」(同社 ネットワークビジネス本部 第二販売部 第一販売課 川上莉奈氏)。
「内線番号表も不要になりました。Web電話帳を見て該当する担当者の内線番号をタップするだけ。電話の取次もとても簡単でスピーディーにできるようになりました」(同社 ネットワークビジネス本部 第二販売部 第二販売課 津田玲子氏)。
スマートフォンとソフトフォンの内線通話利用を拡大したことで固定電話の台数を従来の1/3に削減できたと中込氏は話し、強調します「コスト削減効果だけでなく、固定電話の着信音が鳴ったとき、ソフトフォンにも着信が表示されるので、固定電話のそばにいなくても着信がわかり、スマートフォンでピックアップできるため、フリーアドレス化の推進にもつながります」。
「今後は、ソフトウェアPBXをさらに便利に活用していきます。社外でも内線通話ができるインターネット内線の導入を検討中です。また、コールセンター機能とソフトウェアPBXの連携により、お客様からのお問い合わせに対し、オペレーターが社内の技術者とスピーディーに連携し対応できる仕組みづくりも進めています。富士通にはソフトウェアPBXの各種APIの提供とともに、当該APIを活用し、当社がアプリケーションを開発する際にも協力してもらいたいと思います」(間宮氏)。
ソフトウェアPBXによるビジネス展開について伊藤氏は話します。「実際に自分たちで構築し利用することで、お客様の視点に立ったご提案を、リアリティを持ってお話しできます。本社や支店/営業所でお客様にご体験いただくことも可能です」。
ICTを通じてお客様とともに成長する扶桑電通。富士通はこれからも先進技術と総合力を駆使し、同社のインフラ支援はもとより企業のハイブリッドワークのニーズに一緒に応えていきます。
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