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業種: 複合サービス事業
ETERNUS サブスクリプション
モデル 導入事例
サブスクリプションモデルを採用し、
データ量の予測困難な業務に柔軟に対応
お客様は地域に数多くのグループ企業を持ち、多岐に渡る事業を展開している企業です。長年にわたり富士通は、このグループ全体のシステムの開発、運用、保守に携わってきました。
今回、以前から懸案となっていた電子文書管理に取り組みましたが、今後のデータ量が予測しにくい点があり、柔軟性を持たせながら、コストを抑える必要がありました。
そこで新たにシステムを構築するとともに、料金体系にサブスクリプションモデルを採用することで、この課題を解決しました。
導入製品 |
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ETERNUS サブスクリプションモデル(ETERNUS HX2100) |
- 導入目的グループ企業各社に散在する大量の紙文書を電子管理に移行し、環境保全や省資源にも配慮しつつ、業務の効率化をはかる。
- 採用のポイントお客様に合った使いやすさとコストとの両立が大きな課題。ストレージを導入し、お客様の文書データの特性に最適と考えられることから、料金体系にサブスクリプション(サブスク)モデルを採用した。
導入の背景
基幹システム更改に合わせて導入
お客様は流通、サービス、販売など多岐に渡る10拠点を越えるグループ全体のシステム開発と運用を行っています。
業務での紙文書のやりとりが非常に多いこともあって、大量の紙文書の収納、管理、利用には多大な労力がかかっていました。具体的には伝票、帳票、申請書のほか、契約書、会議資料、人事関連書類などさまざまなものがあり、様式も統一されていません。オフィスはまさに「紙があふれる」状態であったため、文書の電子化は以前から懸案となっていました。
そうした中で、お客様が、富士通のある部署が開催する先進的なオフィス業務を紹介するイベントに足を運び、触発されたことが、依頼につながりました。
お客様の6年に一度の基幹システムの更改に際し、各現場の抱える課題の解決をめざす中、その課題の一つが電子文書管理でした。
導入の経緯
必要な容量が予測困難という課題
お客様の場合、文書の電子化の課題は大きく二つありました。
一つはコストで、これはシステム全体の課題でもありました。システム更改に際し、いかにコストダウンすべきか検討を重ねた結果、次のように決定しました。
基幹システムの中核となるサーバー群は、富士通のクラウドに移行し、業務システムのデータベースサーバーはすべて、富士通の明石データセンターへハウジングして利用します。そして電子文書管理については、新たにNAS(Network Attached Storage)を構築して、お客様の書類をPDF化してファイルサーバーで保存・管理することに決定。こちらも明石データセンターで運用します。
もう一つは、お客様の扱う文書データは、量が膨大であるうえ、将来の量や利用頻度の予測が極めて困難だったことです。
お客様およびグループ企業は現状の書類の量を把握できておらず、電子化に取り組むのも初めてで、今後どのくらいの量の文書を作成し、どのくらいの頻度でこのシステムを利用するのか、ほとんど予想できません。そのため、ストレージにどのくらいの容量を確保する必要があるのかも判断できません。想定される最大容量を見込んでストレージ基盤を配備することも検討しましたが、結果的に過剰投資となるリスクも大きかったのです。
サブスクを採用し、適切なコストで文書電子化を実現
お客様のこうした条件を考慮し、提案して採用されたのが、サブスクの料金体系でした。いわゆる買い切りが、ストレージなどを一括で買って「所有」するのに対し、サブスクは、ストレージなどの容量に応じた月額料金(基本料金+リソース使用料)を払って「利用」するしくみです。
従ってサブスクは、買い切りに比べ、①初期費用が格段に安く済む、②最初から最大限の基盤を用意する必要がなく、スモールスタートして必要に応じて増減に対応していくことができる、③製品を資産として所有しないため、管理コストや労力を減らせる、といったメリットがあります。特にこの二番目の点は、このお客様の特性に最適と言えました。
実際に、今回のファイルサーバーのサブスクでの料金を、買い切りの場合と比較すると、かなり有利であることが判明しました。次回の契約更改までの7年間で、必要になるストレージ容量が、どのくらい増えるかは予想がつかないため、各拠点にヒアリングして試算した結果ですが、買い切りに比べ、サブスクは初年度で約 85%の投資コストを削減、また7年間で想定したデータ量を下回った場合、トータルでも約15%もの削減が見込めることがわかりました。
製品はコストと機能で選択
採用したファイルサーバーは、富士通のETERNUS HX2100 ハイブリッドアレイです。HDD(ハードディスクドライブ)を搭載したストレージで、ドライブ単価が安い大容量のニアラインディスクを搭載するなど、文書管理に十分な処理速度を確保しています。
また蓄積した文書データを管理・利用するソフトウェアも、コストと必要な機能のバランスで選択しました。
今後の展望
ファイルサーバーによる電子文書管理はお客様の一部で利用が始まったばかりですが、安定的に稼働し、好評を得ています。
富士通としては、お客様に満足していただける高信頼、高機能のシステムを提供することはもちろん、将来のデータ量が予測困難な場合でも、柔軟に対応できるサービスを可能にした点で大きな意義があると考えています。
ただし、ストレージを買い切りにする場合とサブスクにする場合の、どちらがコスト面で有利になるかは、使用容量によります。一般に、小規模なら買い切り、中規模以上であればサブスクの方が有利ですが、具体的にどの程度の規模から有利になるかは、個々のシステムの条件により変わってきます。
また今回のように電子文書管理をストレージで行い、料金体系としてサブスクを利用するやりかたは、似た条件を持つ企業に応用可能だと考えられます。つまり、①紙文書による業務が数多く残っている、②文書の量が膨大でデータ量の増加幅を見通せない、③コストが絶対条件、といった企業です。
また、産業分野による違いはそれほど大きくないと思われますが、4K/8Kなど映像技術の発展でデータ量が急増しているメディア分野、高解像化など画像技術の進歩によってデータ量が爆発的に増加している健康・医療分野、新型コロナの影響で学生のメールによる課題提出、講義動画の容量が増していると言われる文教分野などは、サブスクに適しているという意見があり、今後、利用が増えていく可能性があります。
[2022年9月掲載]
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
なお、社名敬称は省略させていただいております。
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