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爆発的に増えるデータの保存先はオンプレミスかクラウドか? 両者の“いいとこ取り”を実現するFabricPoolのメリットと事例を徹底解説

文教、製造、流通、医療など、お客様ごとに異なる課題はいかに解決できるのか

いまや「データの増大」は、すべての企業が直面している課題です。企業がデジタル・トランスフォーメーション(DX)に取り組み、AIやディープラーニング、IoT……等々の最新テクノロジーを活用しようとすれば、必然的に大量のデータが必要になるからです。そこで多くの企業は、大量のデータをいかに効率よく低コストで保存・管理するかという課題に直面しています。この課題に対し、富士通はオンプレミスとクラウドの“いいとこ取り”を実現したハイブリッドな解決策を用意しました。その解決策とは何なのか。実際にお客様の声を聴き、提案を行ってきた3名、その全貌をご紹介します。

インフラストラクチャシステム事業本部
データシステム事業部
データソリューション部
川田 大

インフラ&ソリューションセールス本部
プリセールス統括部
Hybrid IT第一プリセールス部
松本 智栄

インフラ&ソリューションセールス本部
プロモーション統括部
デジタルプロモーション部
岡村 尚猛

爆発的に増大するデータ、企業が直面する課題とは?

企業が管理するデータが爆発的に増大しています。それに伴って、企業はどのような課題に直面しているのでしょうか。

川田

デジタル・トランスフォーメーション(DX)やAI、IoTなどに取り組む企業が増えるのに伴って、企業が扱うデータは爆発的に増大しています。その結果、オンプレミスでデータを管理しているお客様からは、毎年、ドライブの増設に追われているという声をよく聞くようになりました。また、コロナ禍でリモートワーク、リモート授業等のために電子化が進み、その結果としてデータ量が増加し、増設するドライブ容量を今までの実績から予測することが難しくなっているとお客様から聞いています。

松本

そこで、多くのお客様が新たなデータ保存先としてパブリッククラウドを検討されています。ただし、パブリッククラウドにもさまざまな課題があります。1つはコストです。格納データ量、データ転送量、書き込み操作や読み込み操作等のストレージのトランザクションによる課金など、クラウドベンダーや利用するサービスによって課金体系は異なり、非常に複雑です。検討段階では見えないコストもあります。このため、試算したらオンプレミスより高コストになったというケースも少なくありません。

また、オンプレミスのストレージに保存されているデータを丸ごとクラウドに持っていこうとされるお客様も少なくありません。しかし、他システムとの連携が必要なため、オンプレミスが適しているものもあり、ただ移行すればよいというものでもありません。

さらに、セキュリティも問題です。多くのパブリッククラウドは、内部の詳細な情報が公開されていません。どのような機器が使われていて、どのようなセキュリティ対策が行われているのか分からないブラックボックス状態のため、データ移行に二の足を踏まれるお客様も少なくないのが実態です。

岡村

クラウドには「責任分界点」という考え方があります。たとえばIaaSのサービスを利用する場合、仮想サーバまではクラウドベンダーが責任を持ちますが、そこで稼働するOSやアプリケーションの運用、セキュリティ対策については、利用するお客様側が責任を持つ必要があります。こうした観点で、クラウドの活用を不安視されるお客様も少なくありません。

ETERNUS AX seriesのFabricPool機能とは?

データの増大に伴って企業が直面している課題に対し、富士通が提案するのが「ETERNUS AX series」と「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O(以下、FJcloud-O)」の組み合わせです。まずは「ETERNUS AX series」について、その特長をお聞かせください。

川田

ETERNUS AX series(注1)は、ファイル/ブロックアクセスの双方に対応する多機能なユニファイドストレージです。ストレージ専用OS「ONTAP」を搭載し、業界標準のさまざまなプロトコルに対応しており用途を選びません。スケールアウト、優れたデータ保護や管理機能など、ハイパフォーマンスと低レイテンシ、そして低コストを実現した万能オールフラッシュストレージです。また、ETERNUS AX seriesはインライン重複排除・圧縮機能等があり、効率的なデータの格納に優れています。

これまでのストレージ装置と大きく異なる特長の1つは、アクセス頻度が低下したデータを自動的にクラウドに退避する「FabricPool機能」が用意されていることです。利用頻度の高いデータはオンプレミスに持ちますが、長期間にわたってアクセスのないログ・証跡データなど、高速アクセスが必ずしも求められないデータは自動的にクラウドに退避するため、データの無秩序な増大による容量圧迫を防止し、データの価値に基づいた最適なデータ配置を実現します。また、お客様はデータの保管場所を意識することなく、通常通りに必要なファイルにアクセス可能です。なお、重複排除・圧縮されたデータも、容量を抑えたままFabricPool機能によりクラウドへ退避します。

データ配置のポリシーを柔軟にコントロールすることも可能です。たとえば30日間アクセスがないとクラウドに退避させたり、スナップショットのデータを退避させたりといった柔軟な設定ができます。

  • (注1)
    富士通ではETERNUS AX seriesの他に、ETERNUS HX seriesも扱っています。ETERNUS AX seriesはSSDをフル搭載したオールフラッシュストレージ、ETERNUS HX seriesはSSDとHDDの両方を搭載可能なハイブリッドストレージです。ともに本記事でご紹介のソリューションをご利用いただけます。

ETERNUS AX seriesと連携する国産クラウド「FJcloud-O」とは?

ETERNUS AX series連携するクラウドとして、FJcloud-Oが推奨されています。FJcloud-Oの特長についてお聞かせください。

松本

FJcloud-Oは、レッドハット株式会社のオープンソース技術をベースに構築された、基幹システムの運用に適した国産のクラウドサービスです。すべて当社が構築し、当社国内データセンターで運用・提供しています。ISO27001やPCI-DSS、FISC安全対策基準などの公的認証・規格への対応を進め、昨年度から始まった「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」のクラウドサービスリストにも登録されていますので、安心してご利用いただけます。

ETERNUS AX seriesと組み合わせるメリットは何でしょうか。

松本

ETERNUS AX seriesとFJcloud-Oを組み合わせることで、FabricPool機能によるデータ退避先として活用することが可能です。川田が説明したように、アクセス頻度の高いデータはETERNUS AX seriesで処理され、アクセス頻度の低いデータはFJcloud-Oの容量単価の低いオブジェクトストレージに退避されますので、自動的にデータが最適に配置されます。

その際にポイントとなるのが、FJcloud-Oの課金体系です。FJcloud-Oのストレージメニューは、ストレージ容量のみに課金される価格体系となっています。また、FJcloud-O内外とのデータ転送費用は送受信ともかかりません。他社のクラウドではデータ転送量やトランザクションによる課金も試算する必要がありますが、そのコストは気にする必要がありません。

30日間の無償トライアルも用意されていますので、気軽にお試しいただけるのもメリットです。

ETERNUS AX seriesのFabricPool機能により、一定期間アクセスがないデータをFJcloud-Oへ自動的に移動する。

業種別 増大するデータの解決事例

ETERNUS AX series と FJcloud-Oの組み合わせで、
増大するデータの課題を解決

文教分野での事例

コロナ禍による授業のオンライン化で増大した課題データ、
動画・音声データを安全に管理・アーカイブ

実際にETERNUS AX seriesとFJcloud-Oを組み合せることで、増大するデータの課題の解決に取り組んだ事例についてお聞かせください。まずは、文教分野での事例をお願いします。

川田

文教分野には、コロナ禍の影響を大きく受けたお客様が多くいらっしゃいます。ある大学様は、コロナ禍による自宅でのリモート学習が増えたことで、データ増大の問題に直面されていました。リモート学習が増えたことで学生のメールによる課題提出が増えて、学生・教員が利用可能なストレージ容量が急速に足りなくなったのです。さらに、ビデオ会議の録画データ、オンライン学習の教材など動画・音声などの大容量データの増大も、容量圧迫を加速しました。

しかもこの大学様は、あらかじめ必要な容量を確保しておくリース契約でストレージを導入されていました。このため、新たなストレージを増設すると契約の見直しが必要となり、想定以上のコストがかかることが問題視されていたのです。

そこでETERNUS AX seriesとFJcloud-Oの組み合わせを提案いたしました。その結果、利用頻度の低くなったデータは自動的にFJcloud-Oに退避され、予期しないデータ増大にも対応できるようになるため、ストレージ容量を気にすることなく授業のオンライン化、リモート学習を推進することが可能となります。

岡村

コロナ禍では、教員の皆さんがオンライン用の教材を作ったり、授業をビデオで撮影してアップロードし、生徒が自宅から視聴できるようにしたりと、さまざまな工夫をされています。その結果、データが増大し、オンプレミスのストレージ容量が不足している教育機関は少なくないと思います。

ただし、作成した教材を削除することもできません。教材はまた来年使用するかもしれませんし、そもそも教育機関にとっては重要な資産です。ETERNUS AX seriesとFJcloud-Oを組み合わせると、使用頻度の下がったデータは自動的にクラウドに退避されるので、大切な資産が自動的にアーカイブされ、蓄積できるというメリットもあります。

リモート自宅学習への変容によるデータ増大に対応

製造分野での事例

CAD、設計、検査などのデータを保存していたファイルサーバを統合し、
監査やコンプライアンス対応も強化

製造業もデータの増大に直面している業界です。ETERNUS AX seriesとFJcloud-Oで課題を解決した事例があったら、お聞かせください。

川田

ある製造業のお客様は、国内の複数の拠点で別々にオンプレミスのファイルサーバを運用し、CADデータ、設計データ、検査データなどを保管・管理していました。

こうしたデータには、製品の設計開発段階では頻繁にアクセスしますが、開発が終了するとほとんどアクセスしなくなります。ただし、監査やコンプライアンスのために、エビデンスとして残しておかなければなりません。このため、ファイルサーバの容量が足りなくなり、各拠点で個別に容量を増設して対応していました。

しかし、そのためには、都度、拠点ごとにドライブ増設の発注・設計構築等の作業が発生し、その運用が重荷となっていました。

そこで同社に、ETERNUS AX seriesとFJcloud-O導入を提案いたしました。その結果、各拠点のファイルサーバが統合されて拠点ごとに行っていたストレージの容量増設作業が不要となり、アクセス頻度の下がったデータが自動的にクラウドに退避される環境も実現されます。

岡村

お客様によっては、CADデータや設計データ、検査データなどをクラウドに置くことを不安視されると伺っております。特に米系企業のパブリッククラウドの場合、日本国内のリージョンに存在するデータでも、米国政府のデータ開示要求に従わなければいけない可能性があります。しかし、当社が運用する国内データセンターで提供されるFJcloud-Oであれば、その点でも安心していただけると思います。

複数拠点の大容量ファイルサーバー統合

流通分野での事例

5年で倍増するデータ、フルSSDだと数千万になる追加投資を特別プロモーションで低コストに抑え、データ倍増にも対応できる環境を実現

最後に流通系での事例をお聞かせください。

川田

ある流通業のお客様は、オンプレミスのファイルサーバを全社共通で運用されていました。サーバのリプレースのタイミングで容量を見積もったところ、今後5年間で2倍の容量が必要になると試算されました。その容量をすべてSSDにしたら、数千万円の追加投資が必要となります。そこで、選択されたのが、ETERNUS AX seriesとFJcloud-Oの組み合わせでした。

オンプレミスとクラウドを組み合わせてデータを最適配置できる仕組みが評価されたのはもちろんですが、最後の決め手となったのが、当社が実施している特別プロモーションでした。

通常、FabricPool機能を利用するには別途ライセンス費用が必要となります。ただし、ETERNUS AX seriesとFJcloud-Oを組み合わせると、そのライセンス費用が無料になる特別プロモーションを富士通が実施していたのです。この特別プロモーションが最後の一押しとなって導入が決まり、その結果、このお客様は、オンプレミスでの増設に比べて20%のコスト削減を実現すると同時に、今後、データが倍増しても十分対応できるストレージ環境を構築することに成功されました。

なお、この特別プロモーションは現在も継続していますので、同様の課題を抱えているお客様は、ぜひ活用をご検討ください。

松本

オンプレミスでストレージ容量を増設する際には、筐体の最大搭載容量にも注意が必要です。この容量を超えると、新しい筐体を追加購入せざるをえません。そうすると、データセンターのファシリティにかかる費用も増えてしまいますので、想定以上の投資が必要になってしまいます。

もう1点、最近のトピックでは為替レートにも注意が必要です。急激な円安によって、海外のクラウドベンダーに支払うコストが急激に高くなっています。お客様からは「毎月、料金が上がっている」という声も聞きます。しかし、当社が運用する国産クラウド FJcloud-Oであればその心配はありません。その点でも、ETERNUS AX seriesとFJcloud-Oの組み合わせは魅力的だと思います。

データアクセス性能と容量コスト削減を両立

さまざまな業界で注目されるFabricPool機能、
「オンプレミス+クラウド」のストレージ環境がもたらすメリット

その他にも「ETERNUS AX series」とFJcloud-Oを組み合わせたよい事例があれば、お聞かせください。

川田

最近は、ETERNUS AX seriesのFabricPool機能に注目されるお客様が、業界を問わず増えています。たとえば医療業界もその1つです。診療データはアクセス頻度が高いのですが、CTやレントゲンなどの画像系データは、一度使うと、以降はほとんどアクセスしなくなります。データサイズも大きいので低コストでアーカイブしたいという要望も少なくないのですが、一方で、運用を変更せずに実施することも求められます。

そこで、ETERNUS AX seriesとFJcloud-Oを組み合わせて、アクセス頻度の低下した画像系データを自動的にクラウドに退避する仕組みに注目される医療機関が増えています。

ランサムウェア対策機能も提供

FabricPool機能とは話題が異なりますが、ランサムウェアの被害に遭う企業が増えています。ETERNUS AX seriesには、このランサムウェア対策機能も搭載されていると聞きましたが、どのような機能なのでしょうか。

川田

はい。最新版のONTAPでは「自律型ランサムウェア対策」と呼ばれるランサムウェア対策機能が搭載されました。これは、日々の業務で更新されるデータの傾向を機械学習し、ランサムウェア攻撃と思われる異常を検出する機能です。加えて、異常が検出されると同時にスナップショットを自動的に作成するため、万が一、データが暗号化されても感染を検出した時点でのSnapshot、バックアップ領域をリストアすることで瞬時に復旧することができます。

サポート充実でお得な特別プロモーションも用意、
オンプレミスとクラウドの“いいとこ取り”を実現するチャンス

富士通のサポート、特別プロモーション情報などについてお聞かせください。

川田

オンプレミスのETERNUS AX series、クラウドのFJcloud-Oともに富士通が提供していますので、オンプレミスからクラウドまで一貫したサポートを提供できるのが最大の強みです。

また、前述したように、ETERNUS AX seriesとFJcloud-Oを組み合わせると、通常は必要となるFabricPoolのライセンス費用が無料になる特別プロモーションも継続しています。これはONTAPの開発元であるNetAppと富士通の長年にわたる関係があるからこそ実現化できた富士通ならではのメリットとなっていますので、ぜひご活用いただければと思います。

岡村

FJcloud-Oはストレージ容量だけに料金がかかるシンプルな価格体系となっており、データ転送量やAPI実行数などで追加料金が発生しないのが大きな特長です。さらに、国産クラウドですので、為替の影響も受けません。大切なデータを国内で安全に保存・管理するのに最適なクラウドとなっています。

松本

現在、爆発的に増大するデータの課題に直面しているお客様は、ストレージの増設を検討する際に、「オンプレミスかクラウドか」と、どちらか片方だけ選ぼうと考えがちです。しかし、ETERNUS AX seriesとFJcloud-Oを組み合わせると、片方だけを選択する必要はありません。オンプレミスとクラウドの"いいとこ取り"をして、最適なストレージ環境を構築できるからです。

爆発的に増大するデータの保存・管理に悩まれているお客様、ストレージを増設に苦労されているお客様は、ぜひETERNUS AX seriesとFJcloud-Oの組み合わせを、ご検討いただければと思います。

本日は、ありがとうございました。

データ管理の課題解決ソリューション

課題

  • 爆発的に増大するデータの保存・管理
  • ファイルサーバの容量削減
  • 低コストでのストレージ導入

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