きづきクリニック 様
SSD内蔵のPRIMERGYコンパクトサーバで
電子カルテの使い勝手を向上
地域の「かかりつけ医」としての診療環境を整備
きづきクリニック様は、2003年3月に滋賀県栗東市に開業した個人診療所です。院長を務める木築 野百合氏は、ICTの活用に意欲的で、当初から富士通の電子カルテシステムを導入し、2008年より富士通サーバを導入し運用してきました。
2018年夏には、電子カルテの使い勝手を高めるべく、サーバをFUJITSUServer PRIMERGY TX1320 M3(以下、PRIMERGY TX1320 M3)にリプレース。同院の特徴である“患者さん一人ひとりに寄り添う診療”を支えるとともに、地域医療連携の基盤としての役割も期待されています。
背景
“地域のかかりつけ医”として、人々の健康上の悩みに幅広く対応
きづきクリニックは、「“地域のかかりつけ医”として、あらゆる健康上の相談に乗りたい」という方針を掲げています。このため木築院長は、外科、内科、麻酔科、消化器外科、を標榜していますが、近隣の専門医との連携のもと幅広い疾患に対応しています。
また、同院が立地する琵琶湖 湖南エリアは、京阪神へのアクセスの良さや行政サービスの充実ぶりから、人口が増加傾向にあります。子育て世代の移住者も多いことから、小児科の標榜医ではないものの、子どもの診察にも対応。栗東市の病後児保育事業の委託を受け「チャイルドハウス」という託児施設で病気回復期の子どもを預かる病後児保育も担っています。
開業当初から導入した電子カルテの使い勝手を高めるために
木築院長は、自身を“新しいモノ好き”と語るように、医療のICT化にも意欲的で、同院でも開業当初から富士通の診療所向け電子カルテシステムHOPEシリーズを導入。1万人を超える患者さん一人ひとりの情報をきめ細かく把握するために活用してきました。
近年、X線撮影画像やCT画像、内視鏡画像など、医療用画像の活用が進むなか、同院でも多くの画像データを扱っています。しかし、従来サーバでは、電子カルテへの画像データの書き込み/読み込みに時間がかかり、患者さんの待ち時間増加につながりかねないという課題がありました。
「当院は患者さんとの対話を大切にしているため、待ち時間が長くなってしまう傾向があります。これ以上、待ち時間を長くするわけにはいかないので、電子カルテとは別に画像処理システムを構築し、両方を参照しながら診療する形をとっていました」と木築院長は当時を振り返ります。
そこで、同院とは開院当初からの付き合いがある、富士通パートナーのキヤノンITSメディカルが、木築院長の要請に応える新たなサーバとして2018年夏に提案したのが、富士通のPRIMERGY TX1320 M3でした。
経緯
書き込み/読み込みスピードなどSSDのメリットに着目
同社第二ソリューション本部の営業推進室に属する大畑 成行氏は、PRIMERGY TX1320 M3を提案した意図を次のように語ります。「木築先生から直接、伺っていた課題は電子カルテ上での画像データのスムーズな活用でしたが、個人診療所という環境を考えると、省スペースや静音、低熱量、低消費電力なども考慮する必要がありました。それらの条件をいずれも高いレベルで満たしたサーバが、PRIMERGY TX1320 M3でした」。
PRIMERGY TX1320 M3は、98×400×340ミリというコンパクトさが魅力の、オフィス内への設置に最適なサーバ。「加えて注目したのが、内蔵ストレージとしてHDD(Hard Disk Drive)とSSD(Solid State Drive)の選択が可能という点でした」と語るのは、同社の営業推進室 室長、櫟森(いちもり)清治氏です。
「フラッシュメモリを搭載するSSDは画像など大容量データの書き込み/読み込みがスピーディーで、HDDに比べて静かで低消費電力、衝撃にも強いといったメリットがあります。一方で、『書き込み保障値』といって信頼性を保証できる書き込み量の限度が設定されています。導入にあたっては、画像も含めた年間で使用するデータ量を計測した結果、充分な余力があることが確認できたので、将来的な患者さんの増加を考慮しても、自信を持って提案できました」。
SSDの利点を活かし、診療を休まずに短時間でリプレース
サーバのリプレースにあたっては、いかに診療を休むことなく実施するかが重視されました。
「当院は10年ほど前に現在地に移転しましたが、その際は、各種機器の設置や接続に時間を要するため、やむなく3日間休診しました。連休を使うなどして患者さんへの影響は最低限にとどめたものの、今回は休診することなくリプレースしたいという要望を伝えていました」(木築院長)。
そこで、リプレース作業は午後休診の木曜日に実施。事前の準備の甲斐あって、わずか半日で終えることができ、患者さんへの影響は一切なかったといいます。「電子カルテをはじめとしたシステムのインストールや各種設定など、院内でなくてもできることは、すべて事前に当社内で実施し、当日には設置、接続など現場でなければできないことだけを行うよう、綿密な準備ができたことが要因です」と大畑氏が語りますが、そこでもSSDのメリットがモノを言いました。
「新たなサーバに既存のシステム環境を再現するのは、意外に時間がかかるもの。SSDには、データの書き込み/読み込みだけでなく、システムのインストールや起動も早いというメリットがあり、限られた時間でスムーズに準備を進めることができました」(櫟森氏)。
「休診日を設けずに済んだことに加え、事前にデータを移行し、操作法などの研修も行ってもらったので、導入翌日から違和感なく診療を行うことができました」と木築院長は移行のスムーズさを高く評価しています。
導入効果
導入からトラブルはなく、職員の事務処理効率も向上
PRIMERGY TX1320 M3の導入から1年が経ちますが、これまで目立ったトラブルはなく、無停止の稼働が続いています。
新しいサーバ環境についての評価を、木築院長は次のように語ります。「電子カルテ上で診療用画像データをスムーズに活用できるようになったのは、非常にありがたいですね。システムが固まったり、起動が遅かったりしてストレスを感じることもなくなっています。診察待ち時間の長さは、サーバの問題ではなく、患者さんとの対話を大切にしているため、正直なところ目立った変化はありませんが、事務処理の効率が良くなったことで、これまでよりも職員が早く帰宅できるようになりました」。
事務処理効率の向上は、サーバの性能だけでなく、レセプト点検機能の充実など、電子カルテのカスタマイズによるところが大きいとのことですが、「そうした対応が短期間でスムーズに実現できているのも、前述のSSDのメリットがあってこそ」と櫟森氏は語ります。
今後の展望
導地域医療連携を進めるための環境整備に期待
同院では、より多くの患者さんに対応できるよう、医師の増員や医療秘書の設置を検討しています。PRIMERGY TX1320 M3のスペックであれば、データ入力者が増えてもスムーズに連携できる環境を容易に整備でき、将来にわたっても同院を支え続けていけるでしょう。
一方で、木築院長が意欲を見せているのが、地域医療連携ネットワークへの対応です。近年、病院や診療所、薬局、在宅医療・介護機関などが、患者さんの情報を共有しながら連携して質の高い医療・介護サービスを提供する「地域医療連携」が進展しています。滋賀県でも医療介護情報連携ネットワーク「びわ湖あさがおネット」を運営しており、木築院長は滋賀県医師会の理事として、県内の医療機関・介護サービス業者に参加を呼びかけています。
「こうしたネットワークが患者さんの役に立つには、多くの医療機関の参加が前提になりますが、そのためには参加しやすい環境づくりが不可欠です。キヤノンITSメディカルさんや富士通さんなどのICTベンダーには、小規模な診療所でも、システムの導入・更新などの負担なくネットワークに参加できるような環境を整備してもらえればと思います」(木築院長)。
「医療のICT化は患者さんに大きなメリットをもたらすはずですが、そのためには、私たち医療機関とICTベンダーが、より深く連携すべきです。ベンダーの皆さんには、是非、私たち医療現場の声に耳を傾け、それに対するレスポンスをいただけるようお願いします」。
こうした医療現場の要請に応えるべく、富士通はキヤノンITSメディカルをはじめとするパートナー企業とともに、今後とも医療従事者や患者さんの視点に立った提案を続けて参ります。
きづきクリニック 様
院長 | 木築 野百合(きづき のゆり) |
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所在地 | 滋賀県栗東市岡195-1 |
開業 | 2003年3月 |
診療科目 | 外科、内科、麻酔科、消化器外科(乳腺疾患、肛門診察、甲状腺疾患なども対応)、小児科、整形外科、皮膚科も相談可 |
ホームページ | http://kclinic.daa.jp/index.html |
担当販売会社プロフィール
キヤノンITS メディカル株式会社 様
本社 | 〒140-8526 東京都品川区東品川2-4-11 野村不動産天王洲ビル TEL:03-6701-3615 |
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大阪事業所 | 〒550-0001 大阪府大阪市西区土佐堀2-2-4 土佐堀ダイビル TEL:06-7635-5962 |
ホームページ | https://www.canon-itsmedi.co.jp/inquiry/ |
[2019年8月掲載]
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