富士通 社内実践事例

データ統合基盤Palantir (パランティア)を使って、社内DXを加速!
ケース:保守部品管理業務最適化

富士通は2020年6月にPalantir Technologies IncおよびPalantir Japan株式会社とパートナーシップ契約を締結し、日本市場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)分野の強化に向けて戦略的協業を行うことを発表しました。
パランティアのソフトウェアを一言で説明すると、「様々なシステムに散らばった大規模なデータを統合して組織の課題を解決する、一気通貫型のソフトウェア」です。 このソフトウェアのパワーを富士通が自ら活用し、社内のDXプロジェクトにおいて数億円規模の大きな効果を上げています。

本記事では、パランティアの機能、どんな課題を解決できるのか、どうやってプロジェクトを進めているのか、富士通におけるパランティア活用事例を、実際の画面イメージや 利用部門の声、パランティア社のトレーニングを修了したエンジニアによる解説とともにご紹介します。

課題

データは様々なシステムに散在し、業務はベテラン社員の経験に依存

富士通では、ハードウェア製品をご購入いただいたお客様への保守業務を行っており、全国数十拠点の部品倉庫に数百万点にも及ぶ保守部品を分散配置。お客様先で障害が発生した際に、特定の時間内にお届けしています。しかし、この業務は30年以上前から更新や追加を重ねて構築された100を超えるシステム群で運用されており、業務に必要なデータが統合されていませんでした。

そのため、保守部品の管理業務やそれに関わる意思決定は、現状の可視化ができず、経験のあるベテラン社員に依存せざるを得ない状態でした。たとえば、各倉庫に保持すべき適切な部品数や、倉庫の統廃合検討等は、ベテラン社員が何日もかけて各システムから大量のデータを抽出・集計して、意思決定を行っていました。

ソリューション

意思決定に必要なデータを統合し、
コストカットに寄与する30の業務アプリケーションを3ヵ月で構築

100を超えるシステムから必要なデータを統合し、倉庫ごとの稼働状況や在庫部品数などの現状を一目で把握できるダッシュボードを構築。在庫の減少を知らせるアラートや部品の需要予測など、コストや作業効率化にダイレクトに繋がる約30の業務アプリケーションを作成。保守部品に関する費用削減によって、大きな効果に繋がりました。

また、コストに大きく影響する長距離配送の可視化により年間約2%の物流費削減につながり、従来計算に3週間かかっていた部品倉庫の統廃合シミュレーションも、数秒で影響を試算できるようになりました。サービスレベルを維持しながら、数億円規模の意思決定を迅速かつ的確に行えるようになりました。

複数のデータソース(左端)から、意思決定に必要なデータを統合し、アプリケーション構築の素材となるデータ概念モデル”オントロジー”(右端)を生成
複数のデータソース(左端)から、意思決定に必要なデータを統合し、アプリケーション構築の素材となるデータ概念モデル”オントロジー”(右端)を生成

エンジニアの声

「オールインワン型」によるスピード

富士通株式会社 Uvance本部 Digital shifts Large Data Platform事業部 山田 智偉 富士通株式会社
Uvance本部 Digital shifts
Large Data Platform事業部
山田 智偉

一般的にデータ活用のプロジェクトは、各プロセスで異なるツールを使う必要があります。 必要なデータを収集ツールで収集し、それをデータベースツールで蓄積し、分析に必要なデータを取り出して、可視化ツールを使って可視化する、といった流れで行います。こういった「ツール組み合わせ型」は、 ツールが分断されているがゆえに、ツール間のデータの整合性チェック、資産管理などが発生し、作業の手戻りやコミュニケーションロスがどうしても発生します。データ収集時に付与した権限設定が、可視化するツールにきちんと引き継がれているかなどはテスト工程も含め確認作業に膨大な工数を要します。

一方、パランティアは「オールインワン型」で、収集から可視化、そしてその先のアクションまでの全ての機能がひとつのプラットフォーム上で完結している世界で唯一のソリューションです。「ツール組み合わせ型」による煩わしさの大部分が解消されます。

また、データの更新が発生する業務アプリケーションもローコード・ノーコードで作り込めるので、どんどんアクションにつなげることができます。従って、エンジニアはユーザーが実現したいことの実現に注力することができ、3ヵ月というデータ利活用プロジェクトとしては超高速なプロジェクトスピードの大きな 要因となっています。これは変化に強いことも意味しており、データソースや見たい切り口がどんどん変わっても柔軟かつ迅速に対応することが可能です。

利用部門の声

3か月で課題を解決し、業務のデジタル化を実現

富士通株式会社 執行役員 EVP グローバルソリューションビジネスグループ 副グループ長(インフラ&ソフトウェアサービス担当) 古賀 一司 富士通株式会社
執行役員 EVP
グローバルソリューションビジネスグループ 副グループ長(インフラ&ソフトウェアサービス担当)
古賀 一司

富士通の保守部門は、国内トップレベルのサポート体制でお客様システムの安定稼働を日々支えています。お客様に最適なサービスを提供し続けるためには、常に新しいデータを元に意思決定をし、サービスを進化させていく 必要があります。

しかし、保守関連で100を超えるシステムが動いており、データは非常に膨大かつ複雑で如何に意思決定に必要なデジタルな情報をタイムリーに手にするかが課題でした。例えば、これまでは運用する全国の拠点の部品倉庫のフォーメーションを多くの時間を割いて最適な場所を選んできましたが、それは10年、20年の経験を持った人による選択でした。

これをパランティアは3ヶ月という短期間でこの課題の一部を解決し、データドリブンで瞬時に現時点での最適解を導き出し、戦略を立てていくことを可能にしました。経験に頼らざるを得なかった事もデジタルに判断することができるようになり、業務のデジタル化に向けた一歩が踏み出せたと思います。今後もパランティア活用を拡大し保守業務全体のDX化を加速させ、より良いサービスの提供を実現していきます。

統合したデータを用いて、業務アプリや可視化アプリをノーコード・ローコードで構築
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