富士通フロンテックグループでは、富士通グループ中長期環境ビジョン「Fujitsu Climate and Energy Vision」に基づき、温室効果ガス排出量の削減目標を設定し、気候変動対策に取り組んでいます。

 当社グループでは、1997年に採択された「京都議定書」、および1998年の国際規格ISO14001認証取得を契機に、温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標(注1)を設定し、気候変動への本格的な取り組みを開始しました。その後、2010年4月に改正・強化された「省エネ法」や、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」に伴う政府の節電要請に対応するため、省エネ専門の組織を設置するなど、気候変動への取り組みを抜本的に見直し、強化しました。

 近年では、富士通グループが「SBTi(Science Based Targets initiative)」(注2)から認定(2023年6月、ネットゼロ基準で再認定)された設定目標である富士通グループ中長期環境ビジョン「Fujitsu Climate and Energy Vision」に基づき、「自社事業活動におけるGHG排出量を2030年度にゼロ」にすべく、再生可能エネルギーの適用拡大など一歩踏み込んだ気候変動対策を実行しています。

Fujitsu Climate and Energy Vision「ネットゼロの実現に向けたロードマップ」

事業活動(スコープ1,2)の温室効果ガス排出削減

事業活動に伴うGHG排出量の推移

 当社グループでは、Fujitsu Climate and Energy Visionの達成に向けて、再エネをはじめLED照明や燃料電池発電システムの導入など、GHG排出量の削減にグローバルで取り組んでおり、2022年度の実績は2013年度比で-3,565t-CO2(32.3%減)の削減となりました。
 2023年度からは、SBTiのネットゼロ基準に基づき、基準年度を2020年度に再設定し取り組んでいきます。

GHG排出量の推移(国内・海外)

 

グラフの説明

  • Fujitsu Climate and Energy Visionの対象拠点である、国内拠点の本社・東京工場、新潟工場、熊谷サービスソリューションセンター(熊谷SSC)、および海外拠点のFUJITSU DIE-TECH CORPORATION OF THE PHILIPPINES(FDTP:フィリピン)、Fujitsu Frontech North America Inc.(FFNA:アメリカ)の合計実績。
  • 2022年度まで、SBTiにおいて富士通グループがコミットした、GHG排出量削減目標の基準年度(2013年度)を採用。
  • 再エネを除く購入電力のCO2排出係数は、すべて0.57を使用。

主な気候変動対策

再生可能エネルギーの導入

 当社グループでは、富士通グループとして参加しているRE100(注3)の達成に向け、「2030年度末までに事業所で使用する電力の100%を再エネに切り替える」計画を立て、2021年度から本格的な取り組みを開始しています。2022年度は、国内では当社グループ全体の9.1%相当分、海外ではFDTPが第二工場で全量分の再エネを2021年度から継続して調達しました。

  • 注3
    「Renewable Energy 100%」の略で、企業が自らの事業で使用する電力をすべて再エネで賄うことを目指す国際イニシアチブ。

LED照明への切り替え

 当社グループの国内外の各事業所・グループ会社では、消費電力の少ないLED照明への切り替えを進めており、GHG排出量の削減に大きく寄与しています。特に、海外グループ会社のFDTPではすべての照明、国内の熊谷SSCおよびトータリゼータエンジニアリング(株)(TEL)では80%以上の照明をLEDタイプへ切り替えました。

各拠点におけるLED照明の導入状況(2023年3月末時点)
拠点名導入数
()内は水銀灯からの更新
備考
国内
本社・東京工場139(24)ロビー、食堂、フィットネスルーム 他
新潟工場379(128)水銀灯からLED照明に切替。
熊谷SSC3,021(17)81%切り替え完了。
TEL734(0)86%切り替え完了。
海外
FDTP7,182(83)100%切り替え完了。

水銀灯のLED化(新潟工場)

工場内のLED化(FDTP)

高効率設備への更新

 本社・東京工場では、2018~2019年度にかけて、開発製品の品質保証に使用する大型の恒温恒湿チャンバーを、従来比約半分の消費電力の最新型へ切り替え、事業所の全体のGHG排出量を大幅に削減(約-25%)しています。
 新潟工場では、2018年に、屋上に設置の変電設備をエネルギーの変換ロスの少ない最新型へ更新するとともに、現状の電力需要に見合った台数へ集約することで、省エネ化を進めました。
 熊谷SSCでは、環境配慮型発電システムである固体酸化物形燃料電池(SOFC)を2020年から運用しています。本システムは、熊谷SSCで消費される電力量の約50%を燃料電池で賄え、必要電力量のすべてを電力会社から調達した場合に比べ、CO2排出量を大幅に削減可能です。

最新型チャンバー(本社・東京工場)

最新型変電設備(新潟工場)


固体酸化物形燃料電池(熊谷SSC)

設備運用の改善

 設備の更新だけでなく、設備の運用を改善することでも、省エネ化を図っています。
 例えば、本社・東京工場では、屋上に設置している空調室外機の夏場の運転負荷を軽減するために、日除け用のネットを設置しています。
 また、新潟工場では、出荷製品の品質保証に使用する高温バーイン設備をアルミ製の断熱材で覆い、放出される熱を閉じ込め、設備内の温度を一定に保つことで、付属の温風機の稼働を抑制するとともに、夏場の室内温度の上昇を抑制しています。

空調室外機の日除け(本社・東京工場)

バーイン設備の断熱(新潟工場)

省エネ委員会の運営

 省エネ法に基づき、エネルギー管理統括者およびエネルギー管理企画推進者が出席の下、各拠点合同の省エネ委員会を運営・開催しています。同委員会では、省エネに関する課題への対策などを検討・決定・実施し、その効果をレビューすることでPDCAサイクルを適切に回し、省エネ活動の活性化につなげています。

省エネパトロールの実施

 省エネ委員会の活動の一環として、省エネパトロールを夏季と冬季の期間中、定期的に実施し、各フロアの冷暖房の設定温度を適切に維持することで、省エネに寄与しています。

省エネパトロールによる点検

節電啓発・掲示の工夫

 従業員の省エネ意識を啓発するため、アイディアを凝らした掲示を積極的に実施しています。例えば、「空調適正設定温度啓発ステッカー」や「デジタル温度計付き啓発ポスター」を掲示し、省エネ活動に取り組んでいます。

掲示による省エネの啓発

サプライチェーン排出量の削減

 事業所から排出されるCO2を削減するだけでは気候変動対策として不十分であるため、当社グループでは、サプライチェーン全体のCO2排出量(スコープ1~3)を把握するとともに、スコープ3(自社の活動に関連する他社の排出)の削減にも取り組んでいます。

製品のエネルギー効率の向上

 当社グループでは、スコープ3のカテゴリー11「販売した製品の使用」においてサプライチェーン排出量全体に占める割合が高いことから、当該CO2の削減目標を設定し、製品のエネルギー効率の向上に取り組んでいます。

輸送CO2の削減

 当社グループ会社のFFNAでは、アメリカ環境保護庁(EPA)が運営する「スマートウェイ・パートナーシップ(SmartWay®(注4))」に2009年から参画し、同社が荷主として関与する北米での貨物輸送のエネルギー効率の改善に取り組んでいます。
 主に、EPAから環境パフォーマンス性能において優良と認定を受けた貨物輸送車の利用や、3PL(サードパーティー・ロジスティクス(注5))の戦略的活用による輸送ルートの効率化などの施策を通じて、輸送時の使用エネルギーの削減に努めています。
 なお、当社グループの国内拠点の新潟工場においても、低燃費車両の導入や積載率向上による輸送効率の改善などを通じて、輸送CO2の削減に取り組んでいます。

  • 注4
    米国EPAが2004年から立ち上げた官民協力をベースとする自主的取組で、貨物輸送における燃料効率の高い技術と運用方法の導入を加速し、燃料消費量とコストの削減、環境負荷の緩和につなげることを目的としている。現在、3,000社を超える企業が当パートナシップに登録・活動している。
  • 注5
    自社の物流業務を、効率的な輸送ルートなどに精通した専門の第三者企業に一括で委託する形態。

スマートウェイの登録証

その他の活動

自治体の取り組みへの参加

 新潟工場では、新潟県が実施する「新潟県エコ事業所表彰制度」に2016年度から参加しています。同制度において、1年間のCO2 削減計画を毎年策定・提出、計画に基づく取り組みを実施して、1年後にその結果を報告しています。
 なお、2019年11月に、2018年度に行った温室効果ガス排出量削減への取り組みが評価され、「新潟県エコ事業所」として県より認定を受けています。

表彰式での受賞

緑のカーテン

 本社・東京工場および新潟工場では、緑のカーテンを生育することで壁面を遮熱し、空調負荷を低減しています。

本社・東京工場

新潟工場

関連リンク

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