三井住友海上火災保険株式会社様

全社的なデジタライゼーション推進の一環としてチャットボットが導く顧客接点改革

金融各社をはじめ、人手不足対策としての導入が多いチャットボット。しかし実際に呼量が減った事例は少ない中、三井住友海上火災保険は、富士通の「CHORDSHIP(コードシップ)」をインターネットデスクで採用。呼量削減とともに、新しい顧客とのコミュニケーションも生まれ、まさにデジタライゼーションのトリガーとなりつつある。

チャットボットを導入することでサービス提供時間を拡大するとともに、定型的な問い合わせ対応を自動化する効果は大きいと判断しました。

三井住友海上火災保険株式会社
コンタクトセンター企画部 企画チーム
次長 岩前 孝佳 様

背景

全業種で顧客接点のデジタルシフトが加速しています。特に金融業界では、銀行、保険、証券、信販問わず、各社が競うようにデジタライゼーションに取り組んでいます。損害保険大手の一角、三井住友海上火災保険株式会社様(以下、三井住友海上)も例外ではありません。ここ数年、積極的にIT投資を進めています。

同社では、このほどインターネットで申し込むことができる商品「ネットde保険@とらべる」(海外旅行保険)、「1DAY保険」(24 時間単位型自動車運転者保険)および、契約者向けサービスの「お客さまWebサービス」の3 種類の窓口にチャットボットを導入しました。サービス基盤として富士通が提供する「CHORDSHIP(コードシップ)」を採用しました。

経緯

夜間対応、定型業務自動化が目的
数カ月で本稼働にこぎつける

3 つの商品・サービスのサポート有人窓口であるインターネットデスクの稼働時間は、いずれも年末年始を除く9 時~17 時(お客さまWebサービスは平日のみ)です。「ネットとの親和性が高い商品の性格上、夜間もかなりのアクセスがあります。時間外の問い合わせ対応は大きな課題でした」とコンタクトセンター企画部営推チーム長の野村昌史様は語ります。インターネットデスクは東京・神戸の2 拠点でマルチスキル対応を実践し、平均応答率は90%以上を維持しているものの、余裕のあるオペレーションとは言えず生産性向上も大きな課題となっていました。

コンタクトセンター企画部の企画チームで次長を務める岩前孝佳様は、「チャットボットを導入することでサービス提供時間を拡大するとともに、定型的な問い合わせ対応を自動化する効果は大きいと判断しました」と導入の背景を説明します。

導入プロジェクトは2018 年6月からスタートし、数カ月で稼働開始にこぎつけました。同社は、すでにオペレータ対応支援として他社製のAIを活用していますが「チャットボットでお客様が質問する言葉と(オペレータ支援システムで)活用している言葉が異なるので、そのまま移行することはできませんでした」と岩前様が言うように、会話のデザイン(シナリオ)作りにはかなり力を入れました。

「もともと300件ほどのFAQがありましたが、トライ&エラーを検証し、新たに100件ほど追加しました」と営推チームの石橋はるか様は話します。富士通との協業で試行錯誤を繰り返し、正答率を短期間に上げていきました。営推チームの成瀬千香子様は、「開発の目線、お客様の目線、運営の目線を合わせるためにかなり工夫しましたが、チームで取り組むことによって最短距離で実現できたと思います」と振り返ります。

効果と今後の展望

気軽な手段だからこそ聞ける、「電話で話しにくい用件」も支援

CHORDSHIPのボットシステムは類義語辞書とスクリプトで構成されており、コンテンツ管理などのナレッジベースと組み合わせて機能しています。

石橋様は、「既存のFAQは、お客様が能動的に探さないと正解にたどり着くことが難しいのですが、チャットボットの自然文検索ならば比較的容易に実現できます。また、このやり取りを蓄積することでFAQそのものも強化できます」と効果を強調します。すでに解決率は70~80%にまで達しています。

ネットde保険@とらべるは、見積り画面までナビゲーションできるため、「チャットボットの成果としては難しいとされる呼量削減も、できつつあります」と岩前様も話します。2018 年12月には、チャットボット利用件数は8,800件に達し、うち半分は電話対応の時間外でした。契約件数が伸びているにもかかわらず入電数は減っており、導入効果は大きいと推察されます。

野村様は次のように話します。「具体的な問い合わせ内容は、気軽に問い合わせできる用件が多いと予測していましたが、詳しい病名まで記載して保険に入れるかなど、かなり具体的な内容が目立っています。電話で聞きにくいこともチャットボットには聞ける、というお客様が多いようです。」言い換えますと、「これまで電話をかけてこなかったお客様とのコミュニケーションができつつあります」と石橋様が語るように、新しい顧客とのコンタクトという成果も生みつつあります。

同社では、次年度にインターネットデスク以外の顧客対応にもチャットボットを展開する方針です。今回のCHORDSHIP導入は、同社にとって岩前様が話すように「全社的なデジタライゼーションの推進の一環」であり、経営改革の一環と言えそうです。

三井住友海上火災保険株式会社

所在地東京都千代田区神田駿河台3-9
設立1918年
従業員数14,572人
Websitehttps://www.ms-ins.com/Open a new window

[2019年掲載]

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