井上定株式会社 様

取引先とのシームレスな連携と市場競争力の強化に向けて
基幹系システムをクラウドへ移行

独立系商社として長年にわたり数多くの取引先との受発注業務にICT活用してきた井上定株式会社(以下、井上定)。6年前にオープン化された基幹系システムを富士通クラウド「FUJITSU Cloud Service for OSS(以下、FJCS for OSS)」へ移行している。これによってシステム基盤の老朽化を解消するとともに、業務量の急激な変化に対しても柔軟に対応している。

課題
効果
課題システム基盤の拡張性や柔軟性を高めたい
効果取引先との急激な受発注の増加に対し、クラウド活用で柔軟に対応
課題ICT全体の効率化を継続的に実現したい
効果インフラ基盤・運用をクラウドベンダーに任せることで煩雑な作業から脱却し、最適化を実現
課題災害発生時でも安心して運用できるシステム基盤にしたい
効果地震・台風など広域災害の影響を受けることなくシステムの事業継続を実現

背景

ICT活用を積極的に推進することで
システム老朽化からの脱却

鉄鋼二次製品販売業として1936年に創業し、関東から九州に至る販売ネットワークを築き上げた井上定。独立系商社のため、取り扱い商材は、釘や針金などの鉄鋼二次製品から板金資材、建築資材、エクステリアまで幅広く、仕入れ品目数も4万点と膨大な数に上る。

またメーカー様からの受発注をきめ細かく管理し、競争力強化を図るためオフコンの導入やメインフレームへの移行、さらに6年前にはオープン化し、サーバを導入している。

業務を支える基幹系システムは自社内で開発し、本社社屋内にオンプレミスで運用し続けてきた。しかし本社は築50年を迎え、サーバも老朽化。また開発言語としてはCOBOLを使用し続けてきたが、その将来性にも不安を感じるようになっていたという。

「今の時代、若手スタッフにCOBOLを学ばせるのは難しくなっており、社内システムの詳細を知る社員も高齢化しています。また従来のシステムは販売管理と会計が連携しておらず、コンプライアンス上の課題も抱えていました。システムの安全性や将来性、迅速かつ確実な法対応を実現するには、システムの在り方を根本から見直す必要があったのです」(芳原氏)。

井上定株式会社
常務取締役
総務・財務本部長
芳原 邦光 氏
井上定株式会社
ITソリューション部
副部長
古川 弘晃 氏

経緯

まずは基幹系システムをパッケージへ移行
さらにその基盤をオンプレミスからクラウドへ

このような課題から、2014年にシステム入れ替えの検討に着手。まず外部コンサルタントによる支援のもと、目指すべきシステム像を明確化していった。その結果決まったのが、販売管理と会計といった基幹系システムをパッケージソフトウェアへリプレースすることである。これにより営業プロセス可視化と内部統制の徹底を目指した。

その後、基幹システムを動かすためのシステム基盤も、クラウドへと移行することに決定。その理由について芳原氏は「オンプレミスはサーバの運用管理や老朽化への対応、データバックアップなど、考えることが多すぎます。システム基盤運用の効率化を図るには、クラウド移行が必要だと以前から感じていました。また災害対策面でも、クラウドを利用したほうが安全性が高くなります」と説明する。

移行先のクラウドサービスに関しては、複数企業に提案を依頼。2017年8月に、富士通パートナーであるソレキア株式会社(以下、ソレキア)が提案した富士通のクラウドサービスFJCS for OSSの採用を決定する。2017年10月に開発環境を移行し、2017年末には基幹系システムをFJCS for OSSへと移行。数カ月間の試用を経て2018年7月に本番運用に入っている。2019年9月まで周辺システム含め約20台のサーバが稼動予定だ。

ポイント

基幹システムに対応する高信頼性や
柔軟性の高さを評価しFJCS for OSSを採用

FJCS for OSS採用の理由は大きく4点ある。第1は基幹系システムを預けるに足る十分な信頼性を担保できることだ。井上定 ITソリューション部 副部長の古川 弘晃氏は次のように語る。

「FJCS for OSSの競合となった他社クラウドは、どこにサーバがあり、どのように運用されているのか明確ではありませんでした。これに対し、FJCS for OSSを運用している富士通のデータセンターは10年ほど前から何度か見学していたため、安心感を持てました」。

第2は本社の被災を想定し、他県のデータセンターにバックアップを取得していたが、クラウド化により、コストを削減できると期待された点である。

第3は、取引先との業務量やデータ量に応じて、柔軟にサーバスペックを変更しながら活用できることだ。これによって迅速に変化対応が可能になり、競争力強化にも貢献すると評価されたのである。

第4が、クラウド基盤の無停止保守である。FJCS for OSSクラウド基盤メンテナンス中も基幹系システムを止めることなく業務継続が可能で、システム停止対策のため、システム二重投資が不要な点である。

さらに、すでに50年以上にわたる付き合いがあり、井上定のシステムを深く理解しているソレキアのような、信頼できる富士通パートナーの存在も、FJCS for OSS採用のポイントとなった。「パッケージソフトを提供する企業は当初、他社クラウドを推していました。しかし富士通とソレキアがFJCS for OSSの他社クラウドにない良さを提案いただいたことで、FJCS for OSS上で動かすことを決断しました。」(古川氏)。

効果と今後の展望

大型台風の被災時も基幹系システムは問題なく稼働
今後は他の社内システムも早い段階でFJCS for OSSへと移行

現在は開発系と基幹系合わせて6台分のサーバが仮想化され、FJCS for OSS上で稼働している。これによってシステムの柔軟性は、これまで以上に高くなったという。

「当初はトライアルのためスタンダードCPUから利用を開始したのですが、より高い処理能力が必要だということがわかり、すぐにハイスピードCPUへと変更しました。CPUのコア数変更も10分程度で行えます。オンプレミスではサーバのサイジングが悩みの種でしたが、FJCS for OSSなら必要最小限のスペックでスタートし、業務量やデータ量の増大に応じて、柔軟に能力を拡張できます」(古川氏)。

またトータルコストでも優位性が高いという。サーバを保有するコストよりも、FJCS for OSSの利用料金のほうが安価だからだ。

さらに、事業継続性も向上した。その効果を実感したのは、2018年秋に大型台風が関西に上陸したときだったと芳原氏はいう。「本社周辺の電柱が倒れてしまい、当社も6時間にわたって停電しました。社内サーバはUPSによって15分程度でシャットダウンされて機能が停止。しかしFJCS for OSS上のシステムは全く問題なく稼働を続けていたのです」。

この経験から他のシステムも、できるだけ早くクラウド化していくことに決定。現在はオンプレミスで動いているEDIシステムや情報系システムも、2019年9月までにFJCS for OSSへと移行する計画だ。

今後富士通に期待する点について、芳原氏は「今後はAIを活用して発注ミスを防いだり、さらに店舗責任者が社外でもセキュリティを確保して営業担当者からの申請を承認できるようなVDI環境を富士通のソリューションを使って検討していきたい。またRPAなども活用し、請求書と請求データの照合作業の省力化等デジタルトランスフォーメーションにつながる様々な取り組みを、FJCS for OSS上で推進していきたい」と語る。

井上定株式会社 様

所在地 東大阪市金物町1番12号
代表者 代表取締役会長 井上和雄
代表取締役社長 亀谷宏治
創業 1936年2月11日
資本金 1億円
社員数 349名(2018年12月現在)
ホームページ http://www.inouesada.co.jp/新しいウィンドウで表示
概要 エクステリア商品、外装建材、鉄鋼二次製品の販売やリフォームを手掛ける独立系専門商社。創業時の関西中心の展開から、現在では広く、東は関東、西は九州まで事業ネットワークを築いている。

[2019年4月掲載]

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